反核子のオフシェルエネルギーでの振舞いおよび ガモフテーラー和則における中間子生成強度

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反核子のオフシェルエネルギーでの振舞いおよび ガモフテーラー和則における中間子生成強度 丸山 智幸、 日本大学 ・ 生物資源科学部    相対論的平均場(RMF)模型 → 小さい有効質量 →  低いNN-bar対生成 スレシュホールド・エネルギー      低エネルギー現象を良く説明する             ⇔ N-bar 実験と矛盾 相対論的HF(RHF)の立場からの検証

§1 和則(Sum-Rule)と相対論的平均場(RMF)模型 応答関数  和則 電子準弾性散乱  クーロン和則            電磁カレント     GT巨大共鳴  IFF和則         実験値 < 理論値   ⇒  核子以外の自由度 RMF ⇒ 反陽子の強い引力平均場          ⇒ 核子反核子対生成エネルギーの大きな低下⇒ 和則の減少  H.Kurasawa and T.Suzuki, Nucl. Phys. A490, 571 (1988) Coulomb Sum-Rule H.Kurasawa, T.Suzuki and N.Giai, Phys. Rev. Lett. 91, 062501 (2003) GT Sum-Rule

§2 GT-Sum Rule in RMF 実験値 IFF和則の90% GT巨大共鳴 IFF和則 H.Kurasawa, T.Suzuki and N.Giai, Phys. Rev. Lett. 91, 062501 (2003) の主張  GT巨大共鳴  IFF和則         実験値 IFF和則の90%

RHFでは正エネルギー解と負エネルギー解は直交しない  Dirac方程式                                           p, p0 に依存する on-mass-shell energy    RHFでは正エネルギー解と負エネルギー解は直交しない  フェルミ面以下でのDirac平均場の運動量依存性は小さい     Λ+ による射影  RH、 RHFに大きな差はない     Λ- による射影  → RHFでは全てが N N-bar states に行かない                    どこへ?

深い反陽子ポテンシャルを直接示唆する実験結果は無い §3 反陽子に関する実験情報 1) Elastic Scattering in p-bar + A    Z.Yu-shun, et al., PRC54 (96)332  深い反陽子ポテンシャルを直接示唆する実験結果は無い       原子核内部の情報は分かりにくい

2) p-par Production エネルギー領域に関係なく通常の理論計算より多く出来る     subthreshold p-bar production    核内の性質を反映 S.Teis, W.Cassing, T.M., U.Mosel, PRC50 (94) 388    RMF + 運動量依存Dirac平均場 (大きな圧縮、より高密度) Si + Si Ni + Ni GSI A.Schroeter et al., N.P. A553 (‘93) 775c

RMFによる計算 (2) 続き p + A →p-bar production at KeK Free p-bar p + C U~‐100MeV p + Ca KEK J.Chiba et al., N.P. A553 (93) 771c 虚数部分から分散関係で実数部を予測

反陽子ポテンシャルはRHが予言するほど深くない スレシュホールド・エネルギーが非常に小さい ( RMF  2.5GeV ) → 反陽子は生成しやすい 反陽子ポテンシャルはRHが予言するほど深くない

反核子 : 低エネルギー現象 ⇔ 高エネルギー現象 相対論的平均場理論(RMF) 反核子 : 低エネルギー現象 ⇔ 高エネルギー現象        矛盾 反核子の平均場 : 相対論的ハートリー(RH)からの予想   実際の平均場 = Hartree + Fock + BHF + … Fock項     フェルミ速度    T.M and S.Chiba, PR C61, 037301 (00) PRC74 , 014315 (06) 中性子過剰核の構造 S.Typel et. al, nucl-th/0501056, PRC 反核子の平均場      K.Soutome, T.M., K.Saito, NP A507, 731 (90)

§4 GT-Response Function and the IFF sum-rule in the RHF approximation Nucleon Propagator in RHFA Dirac 平均場 虚数部分を持つ

Imaginary Part of Dirac Mean-Field Dirac 平均場のFock Part Off-shell-nucleon  → on-shell nucleon+meson Sm : meson-production cntribution 

Correlation Function one-loop GT-Response Function

RH approximation RHF approximation 平均場の虚数部分からの寄与  off-shell region 連続関数

平均場:被積分関数内の平均場の運動量依存性を無視 Meson Couplings & Masses : Bonn-A §5 計算結果 平均場:被積分関数内の平均場の運動量依存性を無視 Meson Couplings & Masses : Bonn-A Anti-nucleon energy GT-Correlation Function : 1 loop contribution Impulse Approximation  RPA計算はしない 核子自由度のみでは大きな差はない       H.Kurasawa, T.Suzuki and N.Giai, Phys. Rev. Lett. 91, 062501 (2003)

Momentum dependence of the Dirac Selfenergies on the on-mass-shell condition

off-shell behavior of the Dirac self-energies (MeV) Bonn-A

The Energy Denominator The NN-bar part of Correlation function The Energy Denominator Bonn-A

Meson Production Part of the Correlation Function σ p Meson Production Part of the Correlation Function

× GT-strength ph NN-bar meson RH 0.87 0.13 1-pion 0,877 0.250 -0.003 Bonn-A 0.877 0.249 -1.54 中間子生成の主要部分 現在は考慮されていない ×

下記のダイアグラムは低エネルギー現象に寄与するか Vertex correction + Exchange current with one-pion exchange largely reduces the spatial electromagnetic convection current in low density

Isovector Current in RHF RH + one-pion 10% reduction : Free Current T.M and S.Chiba, Phys. Rev C74,014315 (2006)

§6 まとめ 1) 低エネルギー現象の計算で現れる反核子 … off-shell 実際の反核子の性質を直接反映していない §6  まとめ Fock項の虚数部分  1) 低エネルギー現象の計算で現れる反核子 … off-shell 実際の反核子の性質を直接反映していない 低エネルギー~ ph励エネルギー (RH+RPA)では問題ない。          高エネルギーでは、RHとRHFは大きく違う 2) 核子自由度で記述できない → 反核子自由度    RH近似                    → 反核子、中間子 RHF RMF理論ではphの寄与にも、中間子生成の影響を直接うける    非相対論では分離して議論 3) 低エネルギー現象から高エネルギー現象を予測することは難しい 陽子反陽子対消滅 3~4π生成 反陽子平均場の虚数部分 核子反核子対生成も、中間子生成の延長で議論すべき

Δ空孔 → Fock項に寄与 Δ空孔の寄与を分離できない 5) 2ボソン、3ボソン、…  →  2p2h, 3p3h, … 6) 相対論平均場でもFock項(非局所項)は無視できない