WISHでの高赤方偏移z >6 QSO 探査

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Presentation transcript:

WISHでの高赤方偏移z >6 QSO 探査 2009/4/8 東京大学 天文センター D3 浅見奈緒子

z~6の時代からさらに遠方へ z~6 QSOs の発見数 宇宙再電離の進行状況に完全に因っている Fan & Caeilli & Keating (2006) Fan & Carilli & Keating 2006

宇宙の再電離はいつ、どのように進んだのか? 視線方向のばらつき z>5.7から急激に増加 今発見されているQSO   は吸収が強いものばかり? 予想される発見数は? Fan & Carilli & Keating 2006 Kashikawa

high-z >6 QSO でのサイエンス 宇宙最初の星形成は  いつ始まったのか(化学進化)? z > 6に達しても、 Feの存在量は減らない。 z>6 QSO 重元素汚染はどのようになっているのか??

QSOのnumber density さまざまなタイプのQSOの発見が必要! High-z で数密度は劇的に減少 QSOはいつなくなるのか? 明るいものしか見つかっていない→正確な評価はできない QSOはいつなくなるのか? z>6の時代にMBH~108-9Msun 1Gyr以内に形成出来るのか? z~10-20に明るいQSOは  存在するのか? モデルとの比較が必要 さまざまなタイプのQSOの発見が必要!

QSOの光度関数の進化 QSOのlifetime QSOからのUV background z~6 で電離するには…faint end slopeが重要!  Fan et al. 2001 Jiang et al. 2008

QSOが再電離に与えた影響は? 明るいQSO sampleでは足りない LFのfaint end (M*<-23)のslope次第 Bright end slope β Faint end slope α Yan & Windhorst 2004

z>6 targets 暗いQSOsから明るいQSOsまで HSC target WISH target ‐23 ‐24 Jiang et al. 2008 ‐23 ‐24

成長期のQSO? SDSS deep surveyで発見した暗いQSO z<21mag 今までは 19<z<20magの    明るいものばかり発見 どんなphaseにいるQSO? これから明るいQSOに成長? ただのスケールダウン?? Lyα FWHM~1500km/s ( BL -- NL) L/LEdd ~1 Jiang et al. 2008

暗いQSO探査:異なる進化段階 “特にBH成長段階”を調べることが可能! クェーサー光度の時間進化 “閾値” “proto-QSO” “QSO” “Post-QSO” Super-Eddington Sub-Eddington 星形成が止まる 母銀河からのガス供給 (Kawakatu & Wada 2009) 暗いQSO探査:異なる進化段階 “特にBH成長段階”を調べることが可能!

QSO clustering ? より深く、広い探査が必要! high-z QSOs are strongly clustered (Shen et al. 2007) ⇒ MDM ~1012-13Msun ? @z~6 Overdensity@z~6: あるものとないもの (e.g., Kim et al. 2008) QSO host : not massive ? QSOs suppress dwarf galaxy formation ? QSOによる違い? よりhigh-zになれば? ? より深く、広い探査が必要! Shen et al. 2007

QSO環境 QSOの存在する環境は? LBGのフィラメント構造 LAEのvoid Kashikawa et al. 2007 Zheng et al. 2006

現在の survey plan Ultra-Deep Survey (UDS) Multi-Band Survey (MBS) F1(20h-28.7),F2(20h-28.6),F3(10h-28.2) 340視野---102deg^2 Multi-Band Survey (MBS) F4(10h-28.0),F5(10h-27.7) 100視野---30deg^2 Ultra-Wide Survey (UWS) 3 band 30min-25AB 1000deg^2 F1 F2 F3 F4 F5

手法 3色のfilterで分離 ex. i-z vs z-f1 ex. z-f1 vs f1-f2 Compact galaxies (z=1-3) ---> 分解能 0.17”@1um 銀河と点源を分離可能!

発見数の見積もり QSO at z > 6 (UWS) z~6 QSO LF より Kashikawa   (M1450 < -26 mag での光度関数)   AB < 25 mag @ 1000 deg2 z ~ 6 → ~ 1000 - 10000 QSOs z ~ 7 → ~ 100 - 1000 QSOs z ~ 8 → ~ 100 QSOs   分光はWFMOS、TMT などで行う   → 統計的な議論へ z ~ 9   → 10 ~ z ~ 10   → 1 ~ z > 10  → … z > 20  → … Kashikawa

発見数の見積もり QSO at z > 6 (UDS)  対応する可視のimageが必要   AB < 27-28mag @ 100 deg2    z ~ 6 → ~ 10000 - QSOs z ~ 7 → ~ 100 - 1000 QSOs z ~ 8 → ~ 100 QSOs   分光はWFMOS、TMT などで行う z ~ 9   → 10 ~ z ~ 10   → 1 ~ z > 10  → …              対応する可視のimageが必要

WISHで狙えるredshift、しかし ~WISHへの提案~ z ~6-30 しかし… z>10 を超えると発見期待値が非常に小さい バンド幅が広すぎて、情報がなまされてしまう Survey領域の選択 Narrow band filter Slit-less 分光   輝線の情報!

Summary High-z QSO 探査の重要性 再電離に及ぼした影響は? QSOはどのような環境に形成、存在するのか? 母銀河 z~6,7 の faint QSO sampleを増やす z>8 QSOは一体どこでなくなるのか? z>8 QSO(SMBH)は最初の1Gyr以内に、どのように形成、成長しているのか? 再電離に及ぼした影響は? LF の faint end が重要な鍵を握る! QSOはどのような環境に形成、存在するのか? 母銀河 Filter set (NB)、 slit-less & より深く、より広く