静電気学会のプラズマ研究と 学会連携への期待

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静電気学会のプラズマ研究と 学会連携への期待 29pXB-6 2009.3.29 静電気学会のプラズマ研究と 学会連携への期待 独立行政法人 産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門 励起化学研究グループ  グループ長    尾形 敦

1.静電気学会の具体的な活動 主催行事:春期講演会(3月)、全国大会(9月)、障災害シンポジウム(年1回程度)、研究会、総会(3月)、賛助会員懇親会 学会誌「静電気学会誌」の発行(年6回、最新刊としてVol. 33、No. 1を2月末に発行) 会員サービス: J. Electrostat. 、J. Adv. Oxid. Technol. 、J. Plasma Environ. Sci. Tech.の個人購入サポート 国際静電気シンポジウム(09年6月)、アジアプラズマ会議(09年12月)の主催

2.環境分野におけるプラズマ関連技術の変遷 ●無声放電式オゾン発生管の開発 (1857) 1860 1880 1960 1980 2000 1900 1920 1940 気相放電化学基礎研究(無声放電) オゾンの発生 O3 O2 ● Oudshoorn浄水場で実用化(1893: オランダ) 浄水施設及び排水処理施設で活躍 (オゾンによる殺菌作用を利用) 「沿面放電」、「パルスコロナ」 NOx, VOC等対策の応用研究● 「プラズマ+触媒」技術等の利用 粒子を帯電させ、集じん極に捕捉 (-) 放電極 集じん極 処理ガス 未処理ガス DC (+) ●直流高圧電源の考案(1905) 気相放電化学基礎研究(直流放電) ●電気集じん機の実用化 代表的な粒子除去装置として活躍

3.プラズマ関連研究の変遷 会員数:約500、全国大会:発表件数70-100、参加者150 大気圧低温プラズマが基本

様々な放電方式、反応器等、低温プラズマ技術そのものの改良 4.大気圧低温プラズマの応用分野 電気集じん 煤じん、粉じん 自動車排ガス対策としてのNOxや粒子状物質(PM) 殺菌・滅菌等 臭気、揮発性有機化合物(VOCs) 有害大気汚染物質(HAPs) 大気圧低温プラズマ 表面処理 表面洗浄 化学物質変換反応 (改質反応など) 様々な放電方式、反応器等、低温プラズマ技術そのものの改良 他の技術との複合化 ガス状物質対策から水系へ 環境対策以外の応用

産業応用や環境対策を指向している研究者が多い。 5.静電気学会の参加研究者の特色 キーワード: 「電気集塵技術」 、 「大気圧低温プラズマ技術」 産業応用や環境対策を指向している研究者が多い。 専門分野: 応用物理、電気・電子工学         + 機械工学、化学工学、生物工学... 入江建久、環境技術、vol.28,pp.154-160,1999 特徴: 専門の異なる研究者が、それぞれの分野へ低温プラズマ技術をひとつのツールとしてフィードバックしていること。 応用範囲が幅広い領域に展開

6.学会連携への期待 他学会に比べ環境分野でのプラズマ応用が活発 “大気圧低温プラズマ” 触媒、吸着剤、化学プロセス、集塵技術などとの複合化 プラズマが常に主体となるとは限らない プラズマの果たす役割・系が複雑 入江建久、環境技術、vol.28,pp.154-160,1999 これまでの知見、解析技術ではその要因の解明が難しい局面も多い。 この様な情報が双方向で他学会と共有できるならば、学会連携のメリットは大きい。