銀河物理学特論 I: 講義1-4:銀河の力学構造 銀河の速度構造、サイズ、明るさの間の関係。 Spiral – Tully-Fisher 関係 Elliptical – Fundamental Plane 2009/06/08
円盤銀河の力学構造 Tully-Fisher Relation: 円盤銀河の光度と回転速度(電波 HI 21cm 線で測定される)の間の関係。より長い波長で光度を測った方が回転速度との相関が良い。星質量との相関が示唆される。 Pierce & Tully 1992, ApJ, 387, 47
円盤銀河の力学構造 Tully-Fisher Relation: より大きなサンプルを用いて形態など別に Velocity – Luminosity – Size の間の関係を調べる。Velocity – Luminosity の間の関係は良い=Tully-Fisher relation。 Courteau et al. 2007, ApJ, 671, 203
円盤銀河の力学構造 Tully-Fisher Relation: 遠方の円盤銀河の Tully-Fisher relation を調べて近傍の円盤銀河からの進化を調べたものが Vogt et al. 1996, ApJ, 465, L15。
楕円銀河の力学構造 : Faber-Jackson 関係、Fundamental Plane Kormendy & Djorgovski 1989, ARAA, 27, 235
楕円銀河の力学構造 : 回転と速度分散 明るい楕円銀河では回転の寄与は成分は速度分散に比べて小さいが、暗い楕円銀河では回転の成分の寄与が大きい。回転により扁平な形状をしている場合に必要な回転速度を持つものもある。 Davies et al. 1983, ApJ, 266, 41
楕円銀河の力学構造:速度分散と回転 速度分散の寄与と他のパラメータ(楕円形からのずれの大きさなど)との関係。 Kormendy & Djorgovski 1989, ARAA, 27, 235
より詳細な力学構造を調べる 例えば SAURON survey: 面分光(3次元分光)により銀河中心部の力学構造をマッピングする。ロングスリットではスリット方向の情報しか得られないが、面分光により銀河全体からの情報が得られる。たとえばSAURON survey では William Herschel Tel. 4.2m 望遠鏡に下のような面分光器を取り付けて 50 近い近傍の E-S0 銀河の面分光サーベイを行った。 Bacon et al. 2001, MNRAS, 326, 23
楕円銀河の力学構造 : 回転と速度分散 見かけの傾きの効果も考慮したモデルにより V/sigma と楕円率の間の関係を再検討。 楕円銀河の力学構造 : 回転と速度分散 見かけの傾きの効果も考慮したモデルにより V/sigma と楕円率の間の関係を再検討。 速度分散が等方(緑)、非等方(実線)の場合のモデル。 Cappellari et al. 2007, MNRAS, 379, 418
活動銀河中心核の普遍性: 近傍銀河の中心核付近のスペクトルの詳細を調べることで銀河の中の低光度の活動性を見つけることも出来る。低光度の活動銀河核はかなりの割合の銀河が持つ。 Ho et al. 1997, ApJ, 487, 568