学生と科学系教育施設の連携による 天文学普及活動の報告

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学生と科学系教育施設の連携による 天文学普及活動の報告 2005.05.17-18 PAONET総会@国立天文台 学生と科学系教育施設の連携による 天文学普及活動の報告 高梨 直紘、平松 正顕 (東京大学) and www.tenpla.net

- 概要 - 天文学を学ぶ学生と科学館関係者のネットワーク 「天文学とプラネタリウム(天プラ)」 を構築 した。 学生・科学館職員が協力して、これまでにない様々な天文学の普及活動を企画・実行している。 様々な活動の形を示し、天文学普及活動の輪を 広げていく。

- 天プラの目標 - 様々な専門性を持った人に交流の場を提供し、 どのような協力が可能かを探り、 具体的な活動へ昇華し、 天文学普及の新たなチャンネルを開拓する。       2003年の初夏頃から活動を開始。 構成コアメンバー 平松・高梨(東大D1) + 院生、学部生   (当初は学生とプラネタリウム施設の協力を想定)

天文学関連情報の流れ 希薄な横のつながりに着目し、 学生とプラネタリウム・科学館をつなぐのが 天プラの活動である。  学生とプラネタリウム・科学館をつなぐのが   天プラの活動である。 線の太さは情報量の多さ、影響力の大きさを示している。

- 学生は天文学普及活動に前向きか? - 2003年度 天文天体物理若手の会 夏の学校で調査。 全体的に前向きな回答。 しかし、実際に活動した 例は少ない。 ↓ そもそも科学系施設と触れ合う 機会が少ないからではないか?

- 天プラの活動 - 交流事業  天文学の普及に興味を持つ学生・科学館関係者などが  互いに交流を深めることで、活発な普及活動の土台を  形成する。 天文学の普及事業  学生と科学館などの協力により、講演会/天文教室や  展示・グッズ開発など様々な活動を展開する。 普及活動の普及事業  様々な普及活動を展開すると同時に、参加者の興味に  応じた普及活動の提案を行い、天プラの輪を広げる。

- 天プラの活動 1. 交流事業 - 天文学とプラネタリウム ML 天プラの活動の核となるメーリングリスト。 活動の紹介、意見交換など プラネタリウム見学会  実際のプラネタリウム番組・  科学館展示を見学。そもそも  プラネになじみのない学生に  現場を知ってもらい、意見交換  とアイディアの醸成を図る。 右:葛飾区郷土と天文の博物館での   見学を終えて。このような席から   驚異的なアイディアが生まれる!

- 天プラの活動 1. 交流事業 - 「天文学とプラネタリウム」ML  加入者:126名    内訳:大学生・大学院生:76名        科学館・プラネタリウム関係者:30名        その他(学校教師、大学関係者など):20名  メンバー分布:学生 メンバー分布:科学館関係者その他 他、イタリアに1名。

- 天プラの活動 2. 天文学普及事業- ◆ 各地の講演会・天文教室への協力  相模原市立博物館 こども天文教室 (JAXA/ISAS 博士課程学生)  明石市立天文科学館 友の会 座談会  (京都大学 修士課程学生)  明石市立天文科学館 天文進路相談会  (京都大学 修士)  葛飾区郷土と天文の博物館 プラネタリウムゲスト出演 (東大修士)  入間市児童センター 天文講演会 (東大 修士)  さいたま市宇宙劇場 講演会 (今年7月30日:準備中) テーマとしては、 最先端天文学の成果の紹介   天文学研究の実際(観測体験記) etc.  現場にいる学生こそがリアリティを  持って伝えられる内容

- 天プラの活動 2. 天文学普及事業- ◆ 各種グッズ・ソフトウェアの提案・作成 天文タイピングゲーム 「宇宙打(ソラウチ)」の開発・公開 ◆ 各種グッズ・ソフトウェアの提案・作成   天文タイピングゲーム 「宇宙打(ソラウチ)」の開発・公開   プロジェクトリーダー:清水 隆史(元日本大学) ・ 関連画像・イラストを表示し、遊びながら 天文用語に触れる。 ・ ランキング機能/単語ゲット機能を付加し、 遊び要素も重視。 ・ 単語に関する簡単な解説と関連ウェブページ へのリンクも用意し、自発的なさらなる探求も 促すことができる。 公開から4ヶ月で4万アクセス突破 天プラ ウェブページ内で公開中。

- 天プラの活動 2. 天文学普及事業- ◆ 各種グッズ・ソフトウェアの提案・作成 天文画像アーカイブの開発・運営 ◆ 各種グッズ・ソフトウェアの提案・作成   天文画像アーカイブの開発・運営   ・ 入手しにくい画像を収集し、広く一般 にアクセスできる場所で公開する。 ・ 世界各地に観測に出かける学生が 撮影した写真など。 ・ その他、天文学解説用概念図も収集。 ・ 天文写真集としてもお楽しみ頂けます。 左上:チリにある電波望遠鏡 ASTE、右上:すばる望遠鏡から見た KECK望遠鏡 左下:紙コップによるCCDの原理解説画像、右下:豪サイディングスプリング天文台

- 天プラの活動 2. 天文学普及事業- ◆ 各種グッズ・ソフトウェアの提案・作成 ◆ 各種グッズ・ソフトウェアの提案・作成   Astronomical Toilet Paper (ATP) の開発   ・ トイレットペーパーに天文情報を印刷。 ・ 科学館等のトイレに設置、お土産にも。 ・ 試作品第1刷 100ロール→配布&反響を回収 ・ 製品版 5000個 販売完了。追加発注。   → 科学館、オンラインショップで販売。 ・ 複数の新聞、WEBでも報道 ついに完成した ATP 第1号。 分子雲から星が誕生し、惑星を作り、ガスを放出して 死に至る過程をイラストと文章で解説し、輪廻する 星の一生をトイレットペーパー上に再現。 *ATP試作品は、日産科学振興財団 理科・環境教育助成 による助成事業です。

- 天プラの活動 3. 普及の普及事業- ◆ 各種研究会などで発表 天文天体物理若手の会 夏の学校 (2003 / 2004) ◆ 月刊天文誌『星ナビ』上でのコラム連載 天文天体物理若手の会 夏の学校    (2003 / 2004) 日本天文学会 年会         (2004 / 2005) プラネタリウム関連団体      (JPS / AJPA / プラ研)   総会・研究協議会           (2003 / 2004) 天文教育普及研究会          (2004)  なによりもまず、豊富な活動例を示すことが重要。 様々な天文学普及のカタチ / 多様な受け皿の存在を 示し、個人個人が活動しやすい事業を展開していく。

様々な企画を提案・実現、楽しい天文ライフを - 天プラの今後 - 実績を重ね、活動を広げる足がかりとする。 天文学を専攻する学生に限らず、天文学の普及に興味を持つ学生(教育・芸術・文科系)にも幅広く参加を呼びかける。 外部からの要請に答えるだけでなく、様々な企画がML参加者から活発に提案され、それに賛同する参加者が自主的に活動できるシステム(ワーキンググループ)を確立する。 様々な企画を提案・実現、楽しい天文ライフを

- tenpla へのアクセス - http://www.tenpla.net/ info@tenpla.net 月刊天文誌『星ナビ』 にコラム連載中。