西スマトラ山岳域周辺の 気候学的な水蒸気輸送日変化

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西スマトラ山岳域周辺の 気候学的な水蒸気輸送日変化 佐々木 太一 伍 培明 森 修一 濱田 純一 Yudi I. Tauhid 山中 大学 (FORSGC) Tien Sribimawati (BPPT) 吉兼 隆生 木村富士男 (FRSGC) 2000m級 山脈 観測点 Kototabang 標高865m

Kototabang 鉛直プロファイル観測値 混合比 温位 混合比 温位 (a)典型日事例(2001年8月20日) (b)月平均(2001年8月:乾季) 午後に高度2000~3000mの大気層で水蒸気増加 混合層よりも上,水蒸気量が鉛直一様ではない

数値実験 数値モデル 領域気象モデルRAMS (modified at TERC) 計算期間 2001年8月 水平格子間隔 Domain A :10km Domain B :2km 上端15km,最下層30m full physics(雲解像度) 初期値・境界値 NCEP(6時間毎) 標高 >2000m

Kototabang 鉛直プロファイル計算値 混合比 温位 混合比 温位 RAMS計算結果(月平均) 月平均観測値 午後に高度3000m以下の大気層で水蒸気増加  ↑混合層高度よりも上

混合比偏差・風 15時 750hPa 約2500m 山脈に沿った バンド状の 湿潤域形成 西風 北 西 風 K : 観測点

混合比偏差・風 15時 北西~南東断面 山頂付近の一般風 による水蒸気移流 斜面上昇流による 水蒸気収束 混合層の上に 水蒸気流入 観測点

斜面上昇流及び一般風による 気候学的な水蒸気輸送日変化 スマトラ島西部山岳域,乾季(西~北西風)  (1)斜面上昇流による水蒸気の鉛直輸送 (2)一般風による水蒸気の水平輸送 (風下低地の混合層より上に移流) 月平均値からも確認できる気候学的日変化 山脈に沿ったバンド状の湿潤域 …日変化するレインバンドの形成(TRMM, GMS)に重要   スマトラ島周辺の広域水蒸気日変化