地球内部物理学 Physics of the Earth’s Interior

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地球内部物理学 Physics of the Earth’s Interior 北海道大学理学院 Hokkaido Univ. 地球惑星ダイナミクス講座 Earth and Planetary Dynamics 日置 幸介 Kosuke Heki へ き こうすけ heki@sci.hokudai.ac.jp

正式な教科書 著者のサイン付き 「動く地球の測りかた」 直接買うと1600円 ((理8-317号室まで 先着30名) (今年度より) 宇宙測地技術が 明らかにした動的地球像 (税抜1800円) 河野宣之・日置幸介 東海大学出版部 直接買うと1600円 ((理8-317号室まで 先着30名) 著者のサイン付き

地球内部物理学 (宇宙測地学研究室 日置) 1. 質点としての地球の力学 Earth as a point mass 地球内部物理学          (宇宙測地学研究室 日置) 1. 質点としての地球の力学 Earth as a point mass   公転・ケプラー運動 Orbital motion 2. 剛体としての地球の力学 Earth as a rigid body   地球の慣性モーメントと自転 MOI and rotation 3. 極運動と自転速度変動 Polar motion and DLOD   チャンドラー運動、地球ー月の力学進化 Chandler Wobble, Earth-Moon system

4. 流体としての地球 Earth as a fluid 地球の形、地球楕円体、ジオイド   地球の形、地球楕円体、ジオイド Shape, ellipsoid, Geoid 5. 弾性体としての地球 Earth as an elastic body   地球潮汐、分潮、ラブ数 Earth tide, tidal components, Love number 6. 地球の重力とその変動 Earth’s gravity   重力異常、アイソスタシー Gravity anomaly, isostasy   

7. 現実的な地球・地球熱学 Realistic earth 粘弾性、マントル対流、プレート運動   粘弾性、マントル対流、プレート運動 viscoelasticity, mantle convection, plate motion 8. 固体地球の中の波動と振動 Wave & oscillation   地震、地球自由振動 Earthquake, Free oscillation 9. 固体地球の電磁気学 Electromagnetics   地球磁場 Geomagnetism

今日理解すべき事柄 Today’s lesson 地球の大きさの求め方(覚え方) 地球の質量の求め方 Earth’s weight   地球の質量の求め方 Earth’s weight   地球の大きさの求め方(覚え方) Earth’s dimension   地球の平均密度 Earth’s density

測地学の父 エラトステネス (地球の大きさを初めて測った) 日本では誰が最初に測ったか? 夏至 7.2o 測地学の父 エラトステネス Eratosthenes : Father of geodesy (地球の大きさを初めて測った) First measurement of the Earth’s dimension 夏至  summer solstice 7.2o Alexandria 5000 stades 北回帰線 Tropic of Cancer Syene 日本では誰が最初に測ったか?

Meridian arc length: 110.74898 km 緯度一度分の距離は二十八里二分 Astronomical latitude measurement Measurement in 1802: Meridian arc length: 110.74898 km (110.952 km)

The Earth is fairly dense 地球は重い物質でできてる The Earth is fairly dense

剛体としての地球の力学 自転・公転の変化と気候変動 慣性モーメントと層構造 地球の回転変動 Dynamics of the Earth as a rigid body   慣性モーメントと層構造 Moment of inertia and the core   地球の回転変動 Rotational dynamics of the Earth   自転・公転の変化と気候変動 Milankovich cycles

今日のポイント 地球の慣性モーメント 地球型惑星の慣性モーメント 岩石(マントル)と金属(核) MOI of the Earth Points in the today’s lecture   地球の慣性モーメント MOI of the Earth   地球型惑星の慣性モーメント MOI of terrestrial planets   岩石(マントル)と金属(核) Silicate mantle and metallic core

Stratification of the Earth 地球の層構造 Stratification of the Earth 外核 Outer core 内核 Inner core 地殻 Crust マントル Mantle

微惑星が集積して出来た地球 Formation of the Earth by accretion of planetesimal 分化して層構造が出来る (重い金属が沈み、軽い岩石が浮かぶ) Differentiation (heavy metal sinks and light silicates floats) 熔けた状態で生まれた Born molten

ざくろ石 Garnet ペリドット (かんらん石 Olivine) 地殻 Crust 核 Core マントル Mantle スピネル Spinel 地殻 Crust 玄武岩 Basalt 花崗岩 Granit  他 etc 核 Core マントル Mantle 鉄 (Fe) ニッケル (Ni) コバルト (Co) 59% かんらん石 (olivine) 29% 輝石 (pyroxene) 12% ざくろ石 (garnet) (上部マントル Upper mantle)

割らずに中身を知る 慣性モーメント=回すときの重さ Knowing the interior without breaking them Existence of metallic core is inferred from moment of inertia, which indicates the degree of mass concentration to the centre of the body. 慣性モーメント=回すときの重さ Moment of inertia = resistance for spinning

MOI tells about the central metallic core 慣性モーメントでわかる中心核 MOI tells about the central metallic core 薄い球殻 Thin shell 2/3 I = MR2 均一な内部 Uniform sphere I=0.4Ma2 2/5 金属質の中心核 Metallic core < 2/5

Structure of the Earth and the Moon 地球と月の層構造 Structure of the Earth and the Moon 外核 Outer core 内核 Inner core 核? Core? 地殻 Crust マントル Mantle 地殻 Crust マントル Mantle 慣性モーメント MOI 地球 : 0.334 月 : 0.393 (Lunar Prospector)

Density and MOI of the terrestrial planets 地球型惑星の平均密度と慣性モーメント Density and MOI of the terrestrial planets 水星 Mercury 金星 Venus 地球 Earth 火星 Mars 月 Moon = 5.515 r = 5.427 = 5.204 = 3.933 = 3.345 核 = 0.3307 = 0.393 = 0.366 C/MR2= 0.338 = 0.336 核大きい Large core 核小さい Small core

ガリレオ衛星 Galilean moons イオ Io エウロパ Europa ガニメデ カリスト (木星の4大衛星 4 major moons of Jupiter) イオ Io エウロパ Europa ガニメデ Ganymede カリスト Callisto

慣性モーメントで探る衛星の内部構造 ガリレオ衛星(木星の4大衛星) カリスト ガニメデ イオ エウロパ 内側 外側 MOI and the interiors of the Galilean moons カリスト Callisto イオ Io エウロパ Europa ガニメデ Ganymede C/MR2=0.378 C/MR2=0.330 C/MR2=0.3105 C/MR2=0.406 Fe Fe-FeS 氷 Mixture 水 Silicate MOI revealed inner structure of satellites of the Jupiter. The outermost satellite is not differentiated while inner ones have cores.. ガリレオ衛星(木星の4大衛星) The Galilean moons of Jupiter 内側 inner 外側 outer

地球の回転変動  3. 自転速度変動 Change in earth rotation Spin rate change

k 風 wind 「不思議の星地球」より

今回のポイント:地球の自転 自転の速度(一日の長さ) 自転軸の向き(極の位置) 地球回転変動 Today’s points : Earth rotation   自転軸の向き(極の位置) Spin axis direction (pole position)   自転の速度(一日の長さ) Spin rate (length-of-day)   地球回転変動 Changes in the Earth’s rotation

From a point mass to a rigid body 質点から剛体へ From a point mass to a rigid body 角速度 w: 2p/(24x60x60) radian/sec ~23o 黄道面 Ecliptic plane 赤道面 Equator plane 地球の回転 Earth rotation

惑星の自転 Spin of the planets 自転周期 Length-of-day 軸の傾き Tilt of the axis

速い自転 Rapid spin (地球や火星 Earth and Mars)

同期自転 Synchronized spin (月、木星のガリレオ衛星たち) The Moon, Galilean moons

自転していない No rotation

3:2 自転ー公転共鳴 Spin-orbit resonance (水星 Mercury) 近日点 Perihelion 公転周期 orbital period : 87.969 d 自転周期 spin period : 58.646 d 太陽日 solar day : 175.938 d

逆行自転 Retrograde spin (金星 Venus) 公転周期: 225 d 自転周期: 245 d

誰が地球を回したのか? 偶然の結果?

Mechanics of earth rotation: 3d dynamics 地球回転の力学:三次元で考える Mechanics of earth rotation: 3d dynamics   角速度 ω(ベクトル) Angular velocity (vector)   慣性モーメント I (テンソル) Tensor of Inertia (tensor)   角運動量 H(ベクトル) H=Iω Angular momentum (vector) 三次元回転の運動方程式 Equation of motion  L=H or L=Iw .

角速度ベクトル w ねじの進む向き w = (wx,wy,wz) 角運動量HやトルクL も同様に定義 |w| w Angular velocity vector direction a screw proceed |w| w = (wx,wy,wz) z y x w wz wy wx 角運動量HやトルクL も同様に定義  

Three kinds of earth rotation variation 三種類の地球回転変動 Three kinds of earth rotation variation 1.歳差・章動 precession nutation wx wyの変動 地球の扁平 率が原因 Caused by the Earth’s oblateness 天の極の動き Motion of celestial pole 2.極運動 Polar motion wx’ wy’の変動 地球の極の動き Motion of terrestrial pole 3.自転速度変動 Spin rate change wzの変動 一日の長さの変化 Change in LOD

Earth, an oblate spheroid 扁平な地球 Earth, an oblate spheroid a a - b ~ 20 km b

L=Iw . 地球の回転変動 1. 歳差・章動 運動方程式 地球の回転変動  1. 歳差・章動 Earth rotation variation Precession and nutation 運動方程式 Equation of motion L=Iw .

similarity to spinning top 北極星 (polar star) ベガ (Vega) 歳差 Precession 14850 2004 周期 period: 25,800 年 独楽(こま)の力学との類似 similarity to spinning top

起潮力の周期的変動と章動 回転軸が傾く向きとの幾何学的関係で半年周章動 太陽と地球の距離変化によって年周変動 annual Periodic fluctuation of tidal torque causes nutation 回転軸が傾く向きとの幾何学的関係で半年周章動 Semi-annual nutation 太陽と地球の距離変化によって年周変動 annual 同じ理屈で半月周期と一ヶ月周期 half-monthly + monthly

Earth, a wonder planet 2003年制作 2004年5月TV放映 科学技術映像祭 文部科学大臣賞 TEPIAハイテクビデオコンクール 最優秀作品賞・日本経済団体連合会会長賞 日本産業映画ビデオコンクール 文部科学大臣賞