日本VR学会/VRコンソーシアム 最先端表現技術利用推進協会 中村 真之助 4K/HDR,VR配信動向について 日本VR学会/VRコンソーシアム 最先端表現技術利用推進協会 中村 真之助
4K/HDRやVRは今年が元年と言われたが・・ 対応テレビはかなり売れているが、コンテンツに関 してはまだこれから internet配信では、NetflixとYouTubeが対応してお り、放送系ではひかりTV、スカパー、4K/8K試験放 送が対応している。 VR さまざまなメーカーから発売されている。価格は 1,000円前後のカードボードから10万円ほどする VIVEまでラインナップは豊富であるが、コンテンツ はあまり多くはない。
HDRとは HDR(High Dynamic Range)とは、従来では表現 できなかった明暗を表示する技術 静止画については、ハイライトとアンダー画像を合 成する手法でかなり昔から使われていた。スマホで は、iPhone4から搭載されている。 映像では、静止画のように合成するのではなく、カ メラ側とモニター側の技術進化に伴い表現出来る範 囲が拡大し、今年の7月に国際標準化が行われた。 4Kである必要性はなく、HD解像度でもOK。
HDR対応って何が変わるの? 対応デバイスでしか視聴出来ない。 解像度は変わりません。 解像度は変わらないけど、データ量は増える! 非対応デバイスと互換性がある方式と互換性がない 方式が存在し、サービス側はUA判定によって出し訳 を行っている。 解像度は変わりません。 標準規格では、HDから8Kまで定義されている。 解像度は変わらないけど、データ量は増える! 明暗のレンジは従来と比較すると、最大100倍へ 来年には(今度こそ)、モバイル対応機器が登場?!
幻に終わったモバイルHDR対応 日本でも秋に発売される予定だったGalaxy Note7 北米ではAmazonビデオが2K/HDRにて対応コンテ ンツを配信する予定だった。 日本でも複数のサービスが対応を検討していた。 次期対応機器はMWC2017にて 発表される見込みで、一部は4K/HDR になるとも言われている。
どれくらいデータ量は増えるのか? 画質・解像度を維持した上で、HDR対応するには最 低でも約20%ほどデータ量が増加する。そのため、 サービスによって対応方針が異なる。 Netflixでは18Mbps程度に抑えており、4K/SDRコン テンツより圧縮率を高めてレートを維持している。 YouTubeは、推奨レートを4K/SDRより上げており、 4K/HDR(60fps)では最大85Mbpsとしている。 https://support.google.com/youtube/answer/1722171?hl=ja
4K対応テレビの出荷台数とテレビ市場比率 2015年は63万台、直近1年で100万台以上売れている。
トラフィックインパクト HDRの場合、SDRと比較して20%ほどデータ量は多 くなるが、HDR起因ではそれほどトラフィック増は ないと想定される。 一方、4Kテレビの低価格による台数増やYouTubeの 4K/SDRコンテンツ増によるトラフィック増加が想 定される。 来年に登場すると言われているモバイル対応によ り、モバイル向けの配信レートが上がることによっ てモバイル向けも大幅なトラフィック増が予想され る。
今のVRとは 今のVR(Virtual Reality)は、HMDを用いた2D/3D 360°動画が最も一般的な存在である。 2D/3D 360°動画は、モバイル端末を利用した HMDを使って視聴することが多く、最近は個人で も動画撮影が可能である。 ほぼすべてのコンテンツが DL方式であり、Streaming による配信はまだ出てない。
没入感を感じつつVR酔いしない壁・・・ 11msec
スペック/価格によって反応速度が異なる。 さまざまなHMDが発売されている。 10msec以下 100msec以下 遅延 スペック/価格によって反応速度が異なる。
VRコンテンツ配信の現状 ライセンスが絡むコンテンツは、本来DLさせたく ないのがホンネであるが、VR酔いしないレベル (11msec)に対応させることが難しい。 そのため、DL後に視聴期間を限定している場合が ほとんどである。今はコンテンツ数・ユーザーが少 ないのでDLさせても問題がないが、今後の大きな 課題となっている。 また、360°動画は視聴しない部分も含めて配信し ているため、オリジナルが4K解像度があっても視 聴する部分の解像度は低いため高解像度化が必要。
まとめ 4K対応テレビ比率の増加・モバイルへのHDR対応 により、Streamingトラフィックは今後は、加速的 に増加していくと想定される。 また、VRコンテンツの登場により、帯域だけでな く、超低遅延を要求されるコンテンツの増加が予想 される。