MOAデータベースを用いた 超長周期変光星の解析 宇宙粒子研究室4年 学籍番号:10761081 氏名:藤本耕司
目次 1.本研究の目的と意義 2. MOA望遠鏡 3.大マゼラン星雲(LMC)の観測 4.解析方法 5.解析結果 6.考察 7.まとめ
1.本研究の目的と意義 目的 意義 本研究の目的は超長周期変光星(変光周期560日以上)と 目的 本研究の目的は超長周期変光星(変光周期560日以上)と 呼ばれる、周期の長い明るい星の発見と、その成因の解明 である。 意義 超長周期変光星は短周期 の星と比べ発見数が少ない。 よって、先の研究の基盤に 貢献することが意義となる。 セファイド ミラ Log10560≒2.7
2.MOA望遠鏡 MOA-Ⅰ望遠鏡では独自の フィルターが使われている。 一般的な波長フィルターと 違い、広いバンド幅(波長)で 赤色光と青色光が観測できる MOA-Ⅰ望遠鏡 観測期間:1999~2005年
3.大マゼラン星雲(LMC)の観測 図はMOA-Ⅰ望遠鏡に より観測されたLMCの 観測領域を示している。 今回はLMCフィールド3 についてデータ解析を 行った。
4.解析方法 LMCフィールド3の 変光星の赤、青光度 曲線を示し、周期解析 を行う。 周期解析を かけると・・・ 光度曲線 LMCフィールド3の 変光星の赤、青光度 曲線を示し、周期解析 を行う。 周期解析を かけると・・・ 1500 2000 2500 3000 3500 周期解析結果 星の周期が1432.6日と判明 変光周期が560日以上の星を 超長周期変光星とする。
5.解析結果 2. 赤色に対し、青色光度曲線の変動が小さいもの LMCフィールド3から超長周期変光星を135個発見。 そのうち周期1000日以上をもつ変光星30個について赤、 青色光度曲線を調べた結果、2つのグループに分かれた。 1. 赤、青色で光度曲線の形が似ているもの 2. 赤色に対し、青色光度曲線の変動が小さいもの
11例 1. 赤、青色で光度曲線の形が似ているもの RedとBlueで 光度曲線の形が 同じである 縦軸:光度 横軸:観測日数 Red 1500 2000 2500 3000 3500 Blue 縦軸:光度 横軸:観測日数 2000 2500 3000 3500
2. 赤色に対し、青色光度曲線の変動が小さいもの Red Redに比べて、Blueでは変動が 見られない 19例 1500 2000 2500 3000 3500 Blue 縦軸:光度 横軸:観測日数 2000 2500 3000 3500
6.考察 赤、青色で光度曲線の形に差異がないもの 2.赤に対し、青色光度曲線の変動幅が小さいもの 赤、青色とも光度曲線は似ているが、青は変動の幅が少し 小さい。理由は観測された星が固体粒子であり、そのダスト(塵) により影響を受けているからである。 2.赤に対し、青色光度曲線の変動幅が小さいもの 赤と青で形の異なる光度曲線を示すが、脈動型変光星であること は分かる。だが青はほとんど変動しないため、固体ではなくガス (気体)である。気体分子が青色光の透過を妨げるため、青が観測 されない。
7.まとめ 解析数4642個の中から、超長周期変光星を135個発見し、周期1000日以上の星30例に対して赤、青色光度曲線を示した。 周期1000日以上の星は19/30個がガス(気体)と思われるものだった。 今回解析した MOAの超長周期変光星とOGLEの光度曲線を繋ぐことができれば、MOAデータの正確性が示され、更なる解析の進展が期待できる。
補足 MOAが使用する波長フィルター 縦軸:透過率 横軸:波長 MOAでは標準の観測フィルターと違い、赤色青色の 縦軸:透過率 横軸:波長 MOAでは標準の観測フィルターと違い、赤色青色の 波長感度特性が広いフィルターを使用している。
系列2:RedとBlueの光度曲線が似ているグループ 系列3:Blueの光度曲線が変動をしないグループ
Red/Blueを拡大したもの
30例に対し、Red/Blueで光度比の平均を出すと、光度平均値 200を境に、絶対値の大きなグループと小さなグループに分かれた。 赤と青の比 30例に対し、Red/Blueで光度比の平均を出すと、光度平均値 200を境に、絶対値の大きなグループと小さなグループに分かれた。