【第七講義】 大域分岐
〔7.0〕質問 【質問】以下の分岐図において,(a)(b)(c)の余次元1分岐現象の名称を答えよ. (b) (a) (c)
〔7.0〕質問 A B 【質問】2次元写像の周期点の名称を答えよ (1)特性乗数が複素固有値である場合,3種類. (1)特性乗数が複素固有値である場合,3種類. (2)特性乗数が実固有値である場合,3種類. 【質問】以下の写像の局所分岐の退化・非退化条件を述べよ (1)写像のサドルノード分岐 (2)写像の周期倍分岐 (3)写像のHopf分岐 (4)ベクトル場のHopf分岐 【質問】2次元微分可能写像Fの相空間において安定ノードが1対存在する. このとき,ベーシン境界はいかなる構造になっているか考察せよ. A B 【質問】上記の2次元微分可能写像Fが1係数族Fpであり,Fpの構造が より単純になるならば,いかなる分岐現象が発生するか考察せよ.
〔7.1〕バウンダリクライシス 【定義:大域分岐】多様体間の絡み(コネクション)の組替えによって生じる分岐 を大域分岐という. 【定義:大域分岐】多様体間の絡み(コネクション)の組替えによって生じる分岐 を大域分岐という. 【定義:クライシス】ベーシン境界を形成するサドル型周期軌道の安定多様体と カオス的アトラクタ(不安定多様体)の接触による分岐現象をクライシスという. 【定義:バウンダリクライシス】クライシスによりカオス的アトラクタが消滅する 分岐現象をバウンダリクライシスという.
〔7.2〕インテリアクライシス 【定義:インテリアクライシス】クライシスによりカオス的アトラクタが拡大する 分岐現象をインテリアクライシスという.
〔7.3〕クライシスの例 ・インテリアクライシス ・バウンダリクライシス
〔7.4〕カオスへのルート ※カオスのルートの歴史的な推移 Landau-Hopfのルート:無限自由度の力学系が,無限回のHopf分岐を 発生して,無限のモード(連続スペクトル)を持つ乱流へ推移する. Ruelle-Takens-Newhouseのルート:4自由度以上の微分力学系が, 2回のHopf分岐を発生することで,カオスへ推移する. 準周期崩壊ルート,間欠ルート,周期倍分岐ルートのいずれかでカオスへ推移する.
〔7.5〕周期倍分岐・間欠ルートの例
qn+1 = Ksin(qn /2p) + W + qn mod 2p 〔7.6〕準周期崩壊ルート qn+1 = Ksin(qn /2p) + W + qn mod 2p K 1 1 1/2 W ●Arnoldの舌:W軸上の全ての有理数を頂点とする. ●臨界線:K=1上の準周期領域はCantor集合となる.