Wan Kyu Park et al. cond-mat/ (2005)

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Wan Kyu Park et al. cond-mat/0507353 (2005) Suppressed Andreev Reflection  at the Normal-Metal / Heavy-Fermion  Superconductor CeCoIn5 Interface Wan Kyu Park et al. cond-mat/0507353 (2005)

研究内容 ・ポイントコンタクトによる測定により、 CeCoIn5の秩序変数の対称性を探る。

CeCoIn5 ・TC = 2.3K (重い電子系では最大) ・正方晶 HoCoGa5 型 ・CeIn3 と CoIn2 とが交互に積層 ・高い2次元性 ・d波である可能性が高い ・ノードの方向について dx2-y2 と dxy の2説 K.Izawa et al. PRL (2001) H.Aoki et al. Cond Mat (2004) 2次元的 d 波超伝導体

Point Contact 75 mm 接触面積を小さく ( a / l ≪ 1 ) して、弾道的な状態 (ballistic) で Andreev 反射を測定 Nb wire a = contact radius l = mean free path G.E.Blonder et al. PRB (1983) ・この実験では Au Tip を塩酸で etching して使用

Andreev Reflection ・一般的には N-S 境界にはバリアポテンシャル ( Hd(x) ) が存在する。 BTK model E < D の電子の反射 A : ホールの存在確立 C : 透過電子の存在確立 ・一般的には N-S 境界にはバリアポテンシャル ( Hd(x) ) が存在する。          BTK model

Andreev Reflection Z = kFH / 2EF とおくと、粒子の存在確立は Z の関数になる ホールの存在確立 反射電子の存在確立 INS = 2N(0)evFS∫[f0(E-eV) - f0(E)][1+A(E) - B(E)]dE T = 0 におけるコンダクタンス特性    Z =5.0 Z = 0 Z = 0.5 Z = 1.5

EXPERIMENTS ・(001),(110),(100)の3方向を測定 ・測定範囲 ~ 300 mK ~ 12 T 結果のみ

Ballistic or diffusive? よいデータを得るためには K ≡ l / a ≫ 1 が必要 a を直接測るのは無理なので、抵抗から評価する R0 ~ 4rl / 3pa2 + r / 2a G.Wexler Proc. Phys. Soc (1966) ballistic limit (K ≫ 1) , R0 = 4rl / 3pa2 diffusive limit (K → 0) , R0 = r / 2a RN = R0(1 + Zeff) ~ 1.1 W , Zeff ~ 0.365  2a ≦ 460 Å l ~ 810 Å Movshovich et al. PRL (2001) l ∝ k / T2 N.E.Hussey Adv. Phys. (2002) → l ~ 5 mm (400 mK) l ~ 6500 Å R.J.Ormeno et al. PRL (2002) ballistic!

RESULTS 1 ・60 K ~ 400 mK ・-2 mV で規格化 conductance of (001) Point-Contact Junction ・60 K ~ 400 mK ・-2 mV で規格化 ・45 K 付近から非対称になり、2.6 Kまで傾き続け、それ以降は一定の傾き ~TC H.Shishido JPSJ (2002)

RESULTS 1 ・ピークが 13.3% というのは、従来の超伝導体のデータと比べると小さいが、他の HFS とはよく合う UPt3 conductance of (001) Point-Contact Junction ・ピークが 13.3% というのは、従来の超伝導体のデータと比べると小さいが、他の HFS とはよく合う UPt3 ~3% H.v.Lohneysen Physica B (1996)

s wave? s 波のモデルは不適当 ・Zeff = 0.346 ・D(0) = 404 meV fitting conductance spectra using s-wave BTK model ・Zeff = 0.346 ・D(0) = 404 meV → 2 D(0) /kBTC = 4.08 強結合 ・G = h / 2pt T = TC で t → ∞ 物理的におかしい s 波のモデルは不適当

EXTENDED VERSION OF THE BTK MODEL (EBTK model) BTK model に d 波対称性  D(T,f) = D(T) cos 2f を導入する a = 0 or (001) a : ギャップ方向からの角度 a = p / 4

パラメータはよい値ではあるが、形は s 波と大差ない d wave? best fit curve at 400 mK using d-wave BTK model ・Zeff = 0.365 ・D(0) = 460 meV → 2 D(0) /kBTC = 4.64 強結合 ・G = h / 2pt = 218 meV パラメータはよい値ではあるが、形は s 波と大差ない モデルに問題?

RESULTS 2 conductance of (110) Point-Contact Junction ・ピークの高さ (13.3 % vs 11.8 %) やエネルギーのスケール ( ~ 1 meV) は (001) とほぼ同じ ・ピークの形はノード方向のシュミレーションとよく似ている

dx2-y2 dx2-y2 ? dxy ? シュミレーションとの比較から ノードは (110) 方向 (001) and (110) at 400 mK and 410 mK シュミレーションとの比較から ノードは (110) 方向 dx2-y2 (110) のポイントコンタクトに関しては、きちんとした理論が ないので、これ以上の議論は現時点では不可能

CONCLUSIONS ・Au/CeCoIn5 のポイントコンタクトによる測定から、これまでの N/HFS ポイントコンタクトの中で最も鮮明なデータを得た ・これまでの他の研究とおなじく、強結合性、d 波対称性を示した ・コンダクタンスの解析よりCeCoIn5 は dx2-y2 の対称性を持つ ・既存のモデルではこの系の Andreev 反射を正確に表せない 特に (110) 方向