SciBooNE実験 1 実験の現状とニュートリノ反応の物理

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K2K-SciBar 検出器を用いた 低エネルギーニュートリノの エネルギー・スペクトルの測 定 大阪大理 田窪洋介 他 K2K-SciBar グループ K2K 実験 SciBar 検出器 低エネルギー イベント選択 まとめ 内容.
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SciBooNE実験 1 実験の現状とニュートリノ反応の物理 2008年3月26日@近畿大学 日本物理学会第63回年次大会 SciBooNE実験  1 実験の現状とニュートリノ反応の物理 中家剛(京大理) 横山将志,平出克樹,中島康博,栗本佳典, 武居秀行,松岡広大,川向裕之,久保一, 五味慎一,大谷将士,柴田利明,宮地義之, 早戸良成,三塚岳,村上武,田中真伸、 他SciBooNE実験グループ 京大理,東工大理,東大宇宙線研,KEK 

sn in this E range of interest: Unexplored Areas of Neutrino Physics --ニュートリノ・原子核反応-- sn in this E range of interest: 精度が悪い。 古いデータ(1970~1980) 少ない統計 系統誤差が不十分 原子核効果の考慮 (p/p/n absorption/scattering, shadowing, low Q2 region) モデル依存。 しかし、ニュートリノ振動実験のためには理解を深める必要がある。 QE DIS 1p MINOS, NuMI K2K, NOvA MiniBooNE, T2K, SciBooNE Super-K atmospheric n 反ニュートリノはより実験データが少ない。

SciBooNEの物理解析テーマ【日本の博士院生】 CDHS MiniBooNE only MB+SciBooNE (+5% sys. err) 京大 平出 克樹: CC-1p 反応 栗本 佳典: NC-1p0反応 中島 康博: Short-baseline n oscillation with MiniBooNE. 東工大 武居 秀行: NC 弾性散乱 東大宇宙線研 三塚 岳:ニュートリノ反応シミュレーター開発 

FNAL E954 T2K実験のためにより精密にニュートリノ反応断面積を測定する。 反ニュートリノ 実験データが根本的に少ない。 Decay region 50 m MiniBooNE Detector SciBar MiniBooNE beamline 100 m 440 m T2K実験のためにより精密にニュートリノ反応断面積を測定する。 反ニュートリノ 実験データが根本的に少ない。 将来のν-CPの研究(T2K-II)に必要。 MiniBooNEの前置測定器 Search for neutrino oscillation with a short-baseline. K2K-SciBar + FNAL-BNB 高解像度ニュートリノ測定器 高強度ニュートリノビーム   1 2 En (GeV) T2K K2K SciBooNE Flux (normalized by area)

SciBooNE 測定器 SciBar SciBar 測定器 電磁カロリメータ(EC) ミューオン飛程測定器(MRD) 全感知型シンチレータ飛跡検出器 K2K実験のため製作。 日本から輸送 電磁カロリメータ(EC) 鉛・シンチファイバー スパゲティカロリメータ CHORUS実験のため製作。 ミューオン飛程測定器(MRD) ミューオンの運動量測定 n beam 電磁カロリメータ(EC)

2008 APS Calendar

2007年6月からデータ収集開始。継続中。 目標陽子数: 2E20 POT (Protons-On-Target) : 9.2E19 (goal: 1E20) : 5.4E19 (goal: 1E20)  モード  モード データ収集中 Summer shutdown 2008年3月 2007年6月

n モードのデータ収集状況。 総陽子数 ニュートリノ反応率 週間陽子数 安定したデータ収集 ~22ν事象/4E16POT(~1時間) (注)アクセプタンス補正無し。

ニュートリノ事象選択 n events ビームタイミング: 2m秒 (ビームスピル:1.6m秒) SciBar-MRD マッチング, 宇宙線BG <0.5% n events Preliminary ビームタイミング(2秒) 宇宙線BG EC SciBar MRD vertex ビームからの時間(ms) 荷電カレント反応イベント割合: 96%

ニュートリノ反応点分布 -- data -- MC -- Cosmic BG X Y Z Data/MC(X) Data/MC(Y) MRD Matched sample X Y Z -150 150 -150 150 160 Data/MC(X) Data/MC(Y) Data/MC(Z) -150 150 -150 150 160 (cm) (cm) (cm) MC: normalized by # of MRD matched sample

Pμとθμ分布 Pμ qμ Data/MC(Pμ) Data/MC(qμ) MC予想との不一致 0 1 2 0 30 60 90 0 30 MRD Stopped sample Pμ qμ 0 1 2 0 30 60 90 Data/MC(Pμ) Data/MC(qμ) MC予想との不一致 0 30 60 90 0 1 2 (degree) (GeV/c) MC: normalized by # of MRD matched sample

Eνrecと Q2rec 分布 Enrec Q2rec Data/MC(Enrec) Data/MC(Q2rec) MC予想との不一致 0 MRD Stopped sample Enrec Q2rec 0 1 2 3 0 0.5 1 Data/MC(Enrec) Data/MC(Q2rec) MC予想との不一致 0 1 2 3 0 0.5 1 (GeV) (GeV/c)2 MC: normalized by # of MRD matched sample

DataとMC不一致 pm qm qm vs pm Enの違いでは説明できない。 MC for true En (Data - MC) / sigma pm Eν < 0.5 0.5 < Eν < 0.75 2 qm vs pm 0.75 < Eν < 1.0 1.0 < Eν < 1.25 1 1.25 < Eν < 1.5 1.5 < Eν < 1.75 1.75 < Eν < 2.0 2.0 < Eν < 2.25 30 60 90 qm Enの違いでは説明できない。

Discrepancy in the K2K result 0.2 RnQE (snon-QE/sQE) 1KT measurement  ~0.6 Low energy neutrinos Extracted from the muon angular distributions. SciBar measurement  ~1.2 Medium-high energy neutrinos. Extracted from both the number of tracks and the muon angle.

Summary and Prospect のデータを収集。(残り~5E19 POT) : 9.2E19 POT (goal: 1E20) SciBooNE実験は順調にデータを収集中 2007年6月実験開始。これまでに : 9.2E19 POT (goal: 1E20) : 5.4E19 POT (goal: 1E20) のデータを収集。(残り~5E19 POT) データ解析の真最中。 すでに興味深い現象が見えている? T2Kに向けてニュートリノ反応の理解を進める必要あり。 ???K2K実験の時に残した謎も解決できるか???

BackUp

中家 SciBooNE実験全貌、データ収集、中島解析 横山 平出、栗本、武居の解析

SciBooNE実験 1:実験の現状とニュートリノ反応の物理 京大理,東工大理A,東大宇宙線研B,KEKC 中家剛,横山将志,平出克樹,中島康博,栗本佳典,武居秀行A,松岡広大,川向裕之,久保一,五味慎一,大谷将士,柴田利明A,宮地義之A,早戸良成B,三塚岳B,村上武C,田中真伸C 2 SciBooNE実験2:ニュートリノ反応解析の現状 京大理,東工大理A,東大宇宙線研B,KEKC 横山将志,平出克樹,中島康博,栗本佳典,武居秀行A,中家剛,松岡広大,川向裕之,久保一,五味慎一,大谷将士,柴田利明A,宮地義之A,早戸良成B,三塚岳B,村上武C,田中真伸C