電子回路Ⅰ 第13回(2009/01/28) 演算増幅器
今日の内容 理想増幅器の定義 演算増幅器(オペアンプ)とその応用回路 反転増幅器(インバータ) 非反転増幅器 加算回路 積分回路 理想ダイオード
理想増幅器の定義 Av 1.電圧利得Avが無限大 2.入力インピーダンスZiが無限大 3.出力インピーダンスZoがゼロ - 4.帯域幅Bが無限大 5.オフセットおよびドリフトがゼロ - + Av 実際に理想増幅器はありえないが、近い特性をもつものに演算増幅器(Operational Amplifier、オペアンプ)がある
演算増幅器の例 NECのホームページより
演算増幅器の等価回路 NECのホームページより 差動入力
演算増幅器の端子とパッケージ(DIPタイプ) 写真はアナログデバイセスOP07
演算増幅器の端子とパッケージ(CANタイプ) 写真と左の端子は別のオペアンプ
V+、V-とは? バイアス電源(VCC,VEE)が必要 (通常はプラス、マイナス両方) - + V+ V-
増幅率が大きい H - + - Av Av v1 v1 + vo + vo 一般的には負帰還をかけて使用
基本的な回路 (反転増幅器、インバータ) Z2 Z1 - Av vi v1 + vo 増幅器の利得Avに無関係 帰還回路だけで利得を決めることができる
別の考え方 (仮想接地、イマジナリーショート) i2 入力インピーダンスが無限大なので i1 Z2 - Z1 Av vi v1 + vo
普通のショート(短絡)と イマジナリーショートの違い オープン(開放) ショート(短絡) イマジナリーショート 電圧的には短絡 電流的には開放 一般の回路
非反転増幅器 + Av v1 vi - vo R2 R1
回路間で前後の影響を排除する(バッファ) ボルテージフォロワ + + Av Av v1 v1 vi - - vo vo R2 R1 回路間で前後の影響を排除する(バッファ)
バッファの例 (サンプルホールド回路) viの波形 vi vsの波形 vs vo G S D - - C + + - - C ボルテージフォロワ間にFETとコンデンサを入れる FET・・・サンプリングのタイミング コンデンサ・・・電圧保持 ●でDS導通(FET on) ○でDS開放(FET off) AD変換に使用される
加算回路 i1 R1 Rf v1 i2 R2 v2 - i3 Av vo R3 v3 +
積分回路 C i1 - Av v1 R vo +
理想ダイオード(1) 立ち上がりはゼロボルトではない
理想ダイオード(2) vo R2 D2 v1>0のとき、D1が導通、D2がオフ D1 v1<0のとき、D1がオフ、D2が導通 i1 - Av v1 R1 vi vo + vi