日本の通信産業の現状と展望 2002年11月13日 (株)情報通信総合研究所 小澤 隆弘.

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日本の通信産業の現状と展望 2002年11月13日 (株)情報通信総合研究所 小澤 隆弘

4.主要事業者のシェア(2001年度売上ベース) 固定 移動 8兆841億円 9兆1,612億円 TTNet 2.2% その他 その他 日本 6.7% ツーカー 8.3% テレコム 3.9% 5.7% KDDI Jフォン 8.1% 14.7% ドコモ NTT東西 8兆841億円 9兆1,612億円 NTTコム 61.6% 56.5% 15.8% (東 31.8%) (西 29.8%) au 16.6% 出所:総務省「第一種電気通信事業の動向(平成14年7月)」 (注) (%)は構成比

6.電話市場の動向 (市場規模とNTTシェアの推移) 市内 県内市外 県間 (%) (億円) 99.9 99.9 99.8 100 98.0 96.6 70,000 95.5 90.9 89.5 90 94.1 県内市外 82.7 57,546 61,308 60,000 56,657 60,099 80 54,476 53,581 52,422 74.1 54,923 50,000 70 46,971 68.6 69.3 66.2 60 63.0 40,000 57.6 54.6 53.5 50 県間 30,000 40 30 20,000 20 10,000 10 1993年度 1994年度 1995年度 1996年度 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度    出所:総務省「通信産業実態調査報告書」、電気通信事業者協会年報、事業者公表資料、NTT資料等をもとに情総研が作成    (注)1. 固定網の音声伝送にはISDN、データ伝送にはインターネット接続、その他には電報等を含む。       2. 移動の音声伝送は携帯電話、PHSによる。データ伝送にはインターネット接続、無線呼出しを含む。

7.電話市場の動向 (マイライン登録数 2002年7月末) (%) 1.4 フュージョン 1.8 100 2.7 4.9 4.7 (マイライン登録数 2002年7月末) (%) 1.4 フュージョン 1.8 100 2.7 4.9 4.7 TTNet 5.5 5.4 90 6.4 9.2 日本テレコム 13.0 80 13.3 11.8 (NTTコム) 16.3 KDDI 0.4 70 (NTTコム) 21.0 0.7 25.3 60 50 NTT東西 40 NTTコム 73.3 65.9 30 57.0 53.2 20 10 市内 県内市外 県間市外 国際    出所:マイライン事業者協議会

8.電話トラヒック(通信回数)の推移 固定→固定 移動→移動 移動→固定 固定→移動 (億回) 1,000 800 600 400 200 1996年度 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度 固定発固定着 882.3 943.1 866.5 858.0 861.1 固定発移動着 64.6 90.6 104.9 105.1 112.2 移動発固定着 88.5 119.0 128.6 135.6 149.0 移動発移動着 40.3 94.1 170.0 244.5 325.3 合計 1,075.6 1,246.8 1,270.0 1,343.9 1,447.5   出所:総務省「トラヒックからみた我が国の通信利用状況」

9.電話時代の終り 電話から携帯電話へ 携帯電話の台数が固定電話を超える 一家に一台の電話から一人一台の携帯電話へ 電話はパーソナルな通信手段 携帯電話も飽和期にさしかかる 若年層は90%以上の保有率 子供と高年齢層の開拓が普及の鍵

10.移動通信の競争 (加入数の推移) 携帯電話加入数 モバイル・インターネット 加入数 (万加入) 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 モバイル・インターネット 加入数 1,000 1992年度 1993年度 1994年度 1995年度 1996年度 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度 末 末 末 末 末 末 末 末 末 末 携帯電話加入数 171 213 433 1,020 2,088 3,153 4,153 5,114 6,094 6,912 モバイル・インターネット加入数 -      -      -     -      -      - 4.8 732 3,457 5,193   出所:総務省資料

11.移動通信の競争 (世代別携帯電話の普及率) 〈男性〉 〈女性〉 71.1 79.0 62.1 51.2 41.2 20 40 60   出所:野村総合研究所「情報通信利用者動向調査」   (注) 携帯電話又はPHSの利用率 11.移動通信の競争 (世代別携帯電話の普及率) 55.4 88.9 72.5 87.0 96.3 62.4 47.0 75.3 83.5 60.7 71.1 79.0 38.2 57.1 79.2 92.7 49.7 77.1 81.5 85.8 89.0 80.6 47.2 36.6 61.3 62.1 51.2 41.2 20 40 60 80 100 男性 15~19歳 男性 20代 男性 30代 男性 40代 男性 50代 全体 〈男性〉 〈女性〉 (%) 女性 15~19歳 女性 20代 女性 30代 (%) 女性 40代 女性 50代 全体 100 95.7 87.3 82.2 80 81.4 79.0 73.7 77.5 72.9 71.1 65.3 66.3 66.1 62.1 60 58.9 56.0 51.2 52.6 49.6 45.5 41.2 42.7 40 39.8 40.4 35.1 32.4 33.0 31.2 22.4 20 19.8 8.9 1998年3月  1999年3月  2000年5月  2001年3月  2002年3月 1998年3月  1999年3月  2000年5月  2001年3月  2002年3月

12.第三世代携帯電話の競争

14.主なIP電話サービスの料金 (円) 通話料金(3分通話時) 事業者名 月額基本料金 市内 県内市外 県間市外 国際 加入者間 携帯着 フュージョン - 20 45 - - ぷらら - 20 20 - - NTT-ME - 40 54 - - BIGLOBE 200 10 - ニフティ 150 15 84 イー・アクセス 400 10 21 - NTT Com 300 25 - - 有線ブロード 500 6 12-18 12-36 41 80 ヤフー!BB 390 7.5 75 ケイ・オプティコム 300 10 78 (注)1.国際料金は対米昼間 3分間料金    2.有線ブロードネットワークスの市外料金は距離段階で異なる。携帯電話着はドコモ等に設定権あり。    3.ヤフー!BBの月額基本料金は BBphone単独利用の場合。

15.IP電話の現状と課題 現在はブロードバンド・インターネットサービスのおまけ 同じネットワークの加入者相互間は無料通話 緊急通話(110,119番)、番号案内、フリーダイヤル、キャッチホン、ナンバーディスプレイなどは利用不可 IP電話には着信不可(着信番号の付与の問題) 通信品質、通信混雑、セキュリティの問題 将来は電話だけでない複合通信をめざす

16.e-Japan 重点計画の概要 1.世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成 2.教育および学習の振興ならびに人材の育成 2005 年までに超高速アクセスネットを整備 2.教育および学習の振興ならびに人材の育成 2005 年に国民すべてがインターネットを使いこなせるようになる 3.電子商取引等の促進 2003 年に便利で使い勝手のよい電子商取引市場が形成される 4.行政の情報化および公共分野における情報通信技術の    活用の推進 2003 年度に電子政府が実現される 5.高度情報通信ネットワークの安全性および信頼性の確保 2005 年までにネットワーク・セキュリティが確立される

17.インターネットの普及 (世代別普及率) 2001 2002 24.9 全体 45.1 36.8 10代 73.1 46.8 20代 78.0 40.6 30代 67.1 27.6 40代 52.4 11.5 50代 30.5 2001 2002 4.9 60代以上 13.1 10 20 30 40 50 60 70 80 (%) 出所:情総研の各種調査 (注) 「インターネット利用者」とは、利用回線の種類、場所は問わず、最近1ヶ月以内に少なくとも一度は利用している個人。

18.インターネットの普及 (普及率の国際比較) (%) 64.7 スウェーデン 60.8 アイスランド 60.4 デンマーク 米国 59.8 香港 59.0 オランダ 58.1 英国 55.3 ノルウェー 54.4 オーストラリア 54.4 カナダ 53.3 台湾 51.9 シンガポール 50.8 ニュージーランド 49.9 スイス 46.8 韓国 46.4 日本 44.0 フィンランド 43.9 オーストリア 43.5 バミューダ 39.7 ドイツ 36.4 アンドラ 36.3 出所:総務省「通信利用動向調査」、NUA社調べ(平成14年3月)より作成

19.インターネットの普及(世帯普及率の推移) <インターネット利用世帯と世帯普及率の予測> 利用世帯数(万世帯) 普及率 実績推計値 予測値 ※各データは年度末時点のもの  ※「その他ブロードバンド」は無線LAN、FWA等の通信速度500kbps以上のものをいう 出所:株式会社情報通信総合研究所(ブロードバンド実績値のみ総務省)

20.モバイル・インターネットの普及 (万台) 5,500 5,000 J-フォン 4,500 4,000 au 3,500 3,000 2,500 2,000 ドコモ 1,500 1,000 500 2000年3月末 2000年9月末 2001年3月末 2001年9月末 2002年3月末 合計 750.4 1,967.9 3,456.7 4,493.7 5,192.5 J-フォン 54.1 313.8 615.6 857.4 1,013.0 au 136.0 389.3 671.6 859.4 963.9 ドコモ 560.3 1,264.8 2,169.5 2,776.9 3,215.6 出所:(社)電気通信事業者協会資料

21.ブロードバンド・インターネットの普及 (契約数の推移) ADSL CATV FTTH 400 361.0 300 237.9 200 (万加入) 400 361.0 300 ADSL 237.9 200 171.0 145.6 CATV 115.1 100 78.4 65.1 46.3 FTTH 21.6 2.6 7.1 8.5 0.0 0.3 2000.3       2000.9       2001.3       2001.9       2002.3       2002.7   出所:総務省総合通信基盤局「インターネット接続サービスの利用者等の推移」

22.ブロードバンド普及率の国際比較 (日米韓) (千) 6,000 100 5,000 80 4,000 60 3,000 40 (%) 6,000 100 5,000 80 4,000 60 3,000 40 2,000 20 1,000 米国 韓国 日本 光ファイバ 26 ADSL 2,694 5,394 2,379 ケーブルインターネット 5,184 3,222 1,456 その他 1,283 173 8 世帯普及率(%) 8.6 56.7 8.2     出所:「情報通信白書 平成14年版」

23.インターネットの料金 ADSL FTTH ▲39% ▲65% NTT東日本 NTT東日本 (参考) (参考) (円) (円) 20,000 6,000 ぷらら 20,000 1,000 ▲39% ぷらら 5,450 15,000 15,000 4,500 1,000 ▲65% 1,000 1,000 850 10,000 (参考) 10,000 3,000 ヤフー 5,100 (参考) 13,000 4,050 3,800 5,000 1,500 ユーズ 3,100 5,000 1,500 2,900 2,453 5,000 5,200 1999年 2000年 2000年 2001年 2001年 2002年 2001年 2002年 2002年 12月 2月 7月 10月 12月 4月 12月 4月 3月 NTT東日本 NTT東日本 ファミリータイプ

24.ブロードバンド料金の国際比較 ($56.62) (3,900ウォン) (2,900ウォン) 家庭向けには未提供 1.5M 8M 日本は、米国の半額以下。 韓国とはほぼ同等ながら、8Mサービスでは安価。 <ADSLインターネット主要事業者の月額料金平均価格の比較> 料金(円) ($56.62) 日本 米国 韓国 (3,900ウォン) (2,900ウォン) 家庭向けには未提供 下り最大速度(bps) 1.5M 8M (日本)1.5M:@nifty、OCN、ぷらら  8M:左記+Yahoo!BB  (米国)1.5M:Verizon、SBC、 Covad  (韓国)1.5M:KT、ハナロ 8M:左記と同じ   ※1 料金対象 :ADSL利用料金、ISP料金、NTT回線接続料(日本のみ)   出所: 各社公表資料より情報通信総合研究所作成 ※2 算出時期 :日本と米国→2002年4月1日 韓国→2002年1月現在 ※3 為替レート:米ドル131.20円(2002年3月平均iMFレート) 韓国ウォン0.1045円(2002年1月31日対顧客電子売相場)

25.インターネットの展望 ナローバンドからブロードバンドへ 電子メール、WEBサーフィンは定着 ナローバンドでもアプリケーションやコンテンツの魅力が不足 伸びているのはオークション、旅行予約などのみ 消費者ニーズをつかめない 企業の業務慣行をこわせない ブロードバンドは何に使われるのか不明

26.海外の通信産業 アメリカの通信産業 ヨーロッパの通信産業 アジアの通信産業 ブロードバンドの読み違いから経営不振続出 料金は定額制、バンドル料金へ 規制緩和でブロードバンド化促進へ ヨーロッパの通信産業 3G携帯電話の入札とM&Aの失敗で経営者更迭続出 ブロードバンド化は徐々に進行 全体としては旧独占事業者が強い アジアの通信産業 韓国、台湾、中国などが躍進

27.規制環境の動向 【2001年事業法改正の内容】 ① 非対称規制の整備 ② ユニバーサル・サービス基金制度の整備 ① 非対称規制の整備 ② ユニバーサル・サービス基金制度の整備 ③ 電気通信紛争処理委員会の設置 ④ 卸電気通信設備制度の整備、線路敷設の円滑化等

28.2003年の事業法改正のポイント 1.競争政策の積極的な展開 2.消費者行政の充実 3.新たな競争の枠組み導入    多様な競争軸を創出するため、設備競争、サービス競争の双方を引き続き促進 2.消費者行政の充実    消費者保護に資する人材の育成、消費者向けの情報提供の推進、消費者対応体制の    充実、消費者対応ルールの確立 3.新たな競争の枠組み導入    ・ 一種/二種の事業区分を廃止し、参入・退出規制を全般的に緩和    ・ 基本的に料金・契約約款の作成・公表義務を廃止し、相対取引も容認    ・ 適切なサブマーケットごとに市場支配力を評価する「有効競争レビュー」を実施    ・ 市場支配的な事業者に対する必要最小限の規制