建築環境工学・建築設備工学入門 <基礎編> 熱の移動の原理<ヒートポンプの基本>

Slides:



Advertisements
Similar presentations
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> 建築環境工学・建築設備工学入門 換気設備の基礎 換気設備の基礎 [ Last Update 2015/04/30 ]
Advertisements

建築環境工学・建築設備工学入門<空気調和設備編>建築環境工学・建築設備工学入門<空気調和設備編> 非住宅の換気設備(機械換気) 非住宅の換気設備(機械換気) [ Last Update 2015/04/30 ]
2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 早稲田大学理工学部 電気・情報生命工学科4年 神保直史 熱音響管の解析とシミュレーション.
建築環境工学・建築設備工学入門<給排水・衛生設備編>建築環境工学・建築設備工学入門<給排水・衛生設備編> 排水通気管の管径決定法 排水通気管の管径決定法 [ Last Update 2015/04/30 ]
電動式冷凍機の構造 電動式冷凍機の構造 建築環境工学・建築設備工学入門<空気調和設備編>建築環境工学・建築設備工学入門<空気調和設備編> 1 [ Last Update 2015/04/30 ]
電気は、光・熱・音・運動に 変えることができたね!
ヒートポンプによる冷暖房の原理 物理化学III
冷媒回路のしくみ<ヒートポンプを分解すると>
慣 性 力 と 浮 力.
今後の予定 7日目 11月 4日 口頭報告レポート押印 前回押印したレポートの回収 口頭報告の進め方についての説明 講義(4章),班で討論
熱と仕事.
冷媒回路のしくみ<ヒートポンプを分解すると>
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <ヒートポンプの原理> 熱の移動の原理<ヒートポンプの基本>
液体チッソ パートⅡ ‘07/01/31 kana.
FUT 原 道寛 名列___ 氏名_______
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <換気設備> 換気設備 演習問題
空気の熱の利用<ヒートポンプは省エネルギー>
熱力学Ⅰ 第1回「熱力学とは」 機械工学科 佐藤智明.
The authors have no actual or potential declaration to make.
国際物理オリンピック実験試験のシラバス 1.標準的な実験器具・装置が使える(マニュアル無しで使える):
図解「建築の構造と構法」 156~161ページ 必携「建築資料」 56~65ページ
図解「建築の構造と構法」 156~161ページ 必携「建築資料」 56~65ページ
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <空気調和設備> 送風機 [Last Update 2015/04/30]
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <空気調和設備> 空調機とは
建築環境工学・建築設備工学入門 <給排水・衛生設備編> <給水設備> 給水設備の基礎知識
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <空気調和設備> 冷却・減湿
気温測定用日射遮蔽シェルターの性能検証 保坂 智樹 指導教員 成田 健一
家ですぐできる! エコライフのコツ.
室内と室外との熱の移動<ヒートポンプは熱を運ぶ>
[Last Update 2015/04/30] 建築環境工学・建築設備工学入門 <基礎編> 熱移動の基礎.
人間温度計になって 暑さ・涼しさをはかってみよう!
凍害 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <空気調和設備> 加 湿 [Last Update 2015/04/30]
建築環境工学・建築設備工学入門 <給排水・衛生設備編> <排水通気設備> トラップの種類と破封
国際物理オリンピック実験試験のシラバス 1.標準的な実験器具・装置が使える(マニュアル無しで使える):
三重大学・大学院生物資源学研究科 共生環境学専攻 地球環境気候学研究室 教授 立花義裕
早稲田大学理工学部 コンピュータネットワーク工学科 山崎研B4 大野遙平
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <空気調和設備> 空調(空気調和)とは
建築環境工学・建築設備工学入門 <給排水・衛生設備編> <排水通気設備> 通気方法の種類と特徴
蒸気圧と沸点 『水の沸点は変化する』.
第1部 第1篇 第1章 第3節 価値形態または交換価値(A2b)
1DS05175M 安東遼一 1DS05213M 渡邉光寿 指導教員: 高木先生
31 ループ管熱音響システムにおける管内圧力の可視化 長岡技術科学大学 機械創造工学課程 梅本康平 担当教員 小林泰秀 准教授
東京都立大学 理学部 物理学科 宇宙物理実験研究室 横田 渉
エアコンで使われるヒートポンプ <ヒートポンプのなぞ>
雲の発生 < occurrence  of  clouds >  吉田 真帆 .
建築研究所 坊垣 和明 ㈱三機工業 福森 幹太 奥村組㈱ 茂木 正史
建築環境工学・建築設備工学入門 <給排水・衛生設備編> <給水設備> 給水設備の給水方式
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <空気調和設備> 空調機内の空気状態変化
小田原高校物理部 1年 田島 弘暉 高橋 青樹 遠藤 航平 種生 あま音 飯塚 大智
北海道大学 理学院 惑星宇宙グループ 成田 一輝 / 村橋 究理基
さぬき市立大川第一中学校 パソコン部 1年 坂東
課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
今後の予定(日程変更あり!) 5日目 10月20日(木) 小テスト 1~2章の内容 講義(3章)
2009年4月23日 熱流体力学 第3回 担当教員: 北川輝彦.
2009年7月2日 熱流体力学 第12回 担当教員: 北川輝彦.
低温物体が得た熱 高温物体が失った熱 = 得熱量=失熱量 これもエネルギー保存の法則.
課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 八尾 誠 (教授) 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <換気設備> 自然換気の仕組みと基礎
今後の予定 (日程変更あり!) 5日目 10月21日(木) 小テスト 4日目までの内容 小テスト答え合わせ 質問への回答・前回の復習
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
超流動デモ実験 低温物質科学研究センター 松原 明 超流動4Heが見せる不思議な世界 ・超流動4He ・スーパーリーク ・噴水効果
エアコンで使われるヒートポンプ <ヒートポンプのなぞ>
コージェネレーション(ヒートポンプ編) 基礎知識.
課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
空気の熱の利用<ヒートポンプは省エネルギー>
センサの基礎知識 メカトロニクス機械を作り上げるには,センサについての幅広い知識と経験が必要!.
31 ループ管熱音響システムにおける管内圧力計測系の製作 機械創造工学課程 梅本康平 担当教員 小林泰秀 准教授
風況を効果的に利用して長時間飛行する 無動力飛行機の開発
熱伝導方程式の導出 熱伝導:物質の移動を伴わずに高温側から低温側へ熱が伝わる現象 対流、輻射 フーリエの法則Fourier’s law:
Presentation transcript:

建築環境工学・建築設備工学入門 <基礎編> 1-4-3 熱の移動の原理<ヒートポンプの基本> [Last Update 2012/02/29] 建築環境工学・建築設備工学入門 <基礎編> 1-4-3 熱の移動の原理<ヒートポンプの基本> 1-4-3 熱の移動の原理<ヒートポンプの基本>

2つの、非常に基本的な物理現象を利用しているだけ ヒートポンプが熱を移動させる原理は? 暖房時 ヒートポンプは、熱をくみ上げ、移動させる装置。 その原理は、非常に基本的な物理現象を利用しているにすぎない。 2つの、非常に基本的な物理現象を利用しているだけ

気体を圧縮させると、温度はどうなる? 浮き輪にポンプで空気を入れていく 基本原理 その1 基本原理 「1:圧力変化による温度の変化」  気体を圧縮させると、温度はどうなる? 浮き輪にポンプで空気を入れていく 基本原理 「1:圧力変化による温度の変化」 気体を圧縮させると温度はどうなるか? 浮き輪にポンプで空気を入れて温度を測る実験。

浮き輪の中の圧力が上がり、気体が圧縮されていく 基本原理 その1  気体を圧縮させると、温度はどうなる? 浮き輪にポンプで空気を入れていく 基本原理 「1:圧力変化による温度の変化」 実画像 浮き輪がふくらんでいく。=気体が圧縮されている。 浮き輪の中の圧力が上がり、気体が圧縮されていく

気体を圧縮させると、温度はどうなる? 気体を圧縮させると、温度が上がっていく サーモカメラ画像 基本原理 その1  気体を圧縮させると、温度はどうなる? 気体を圧縮させると、温度が上がっていく サーモカメラ画像 基本原理 「1:圧力変化による温度の変化」 サーモカメラ画像 浮き輪がふくらんでいく=気体が圧縮されていく、と同時に、温度が上がっていく。

浮き輪が破裂! 空気が漏れて圧力が下がると・・ 基本原理 その1  気体が膨張すると、温度はどうなる? 浮き輪が破裂! 空気が漏れて圧力が下がると・・ パンッ! 基本原理 「1:圧力変化による温度の変化」 気体の膨張の例、浮き輪が破裂して、中の空気が漏れていく(圧力が下がる)とどうなるか?

浮き輪が破裂! 空気が漏れて圧力が下がると・・ 気体が膨張するのと同じ状態。温度が下がっていく。 基本原理 その1  気体が膨張すると、温度はどうなる? 浮き輪が破裂! 空気が漏れて圧力が下がると・・ サーモカメラ画像 基本原理 「1:圧力変化による温度の変化」 サーモ画像。浮き輪が破裂し、中の空気が漏れていく(圧力が下がる)にしたがい、温度が下がっていくのがわかる。 気体が膨張するのと同じ状態。温度が下がっていく。

気体の圧縮・膨張と、温度の関係 これが、まず第1の基本原理 その1  気体の圧縮・膨張と、温度の関係 気体は 圧縮すると温度が上がる 膨張すると温度が下がる 基本原理 「1:圧力変化による温度の変化」 気体の圧縮・膨張と、温度の関係。 気体は、圧縮すると温度が上がる。気体は、膨張すると温度が下がる。 これが、まず第1の基本原理

熱は、どんなときに移動する? 冷たい 冷たい 氷と氷を、銅板を介して接触させる 基本原理 その2 基本原理 「2:温度差による熱移動」 基本原理 「2:温度差による熱移動」 氷と氷を接触させる。熱伝導率の高い銅板を使用。

熱は、どんなときに移動する? 0℃ 0℃ 冷たい 冷たい 氷と氷を、銅板を介して接触させる は移動しない サーモカメラ画像 基本原理 その2 基本原理 「2:温度差による熱移動」 サーモカメラ画像。動きがない。=熱が移動していない。 0℃ 0℃  は移動しない

熱は、どんなときに移動する? 冷たい 熱い 氷と熱いお茶を、銅板を介して接触させる 基本原理 その2 基本原理 「2:温度差による熱移動」   氷と熱いお茶を、銅板を介して接触させる 冷たい 熱い 基本原理 「2:温度差による熱移動」 氷と熱いお茶を、銅板を介して接触させる。

熱は、どんなときに移動する? 0℃ 50℃ 冷たい 熱い 氷と熱いお茶を、銅板を介して接触させる が移動する サーモカメラ画像 基本原理 その2 熱は、どんなときに移動する?   氷と熱いお茶を、銅板を介して接触させる サーモカメラ画像 冷たい 熱い 基本原理 「2:温度差による熱移動」 サーモカメラ画像。温度の高い方から低い方へ、熱が移動している。 0℃ 50℃  が移動する

氷と、アイスクリームを接触させた場合は? 基本原理 その2 熱は、どんなときに移動する?   氷と、アイスクリームを接触させた場合は? 冷たい 冷たい 基本原理 「2:温度差による熱移動」 氷と、アイスクリームを接触させた場合は? どちらも冷たいもの同士。

氷と、アイスクリームを接触させた場合は? 基本原理 その2 熱は、どんなときに移動する?   氷と、アイスクリームを接触させた場合は? サーモカメラ画像 冷たい 冷たい 基本原理 「2:温度差による熱移動」 氷と、アイスクリームを接触、どちらも冷たいもの同士。より温度の低い方へ熱が移動する。 0℃ -20℃  が移動する

温度差のあるものが接触すれば熱は移動 これが、第2の基本原理 0℃ 0℃ 0℃ 50℃ 0℃ -20℃ 基本原理 その2 基本原理 「2:温度差による熱移動」 熱の移動に必要なのは「温度差」。 温度差のあるものが接触すれば熱は移動する。 0℃ 50℃ 0℃ -20℃ これが、第2の基本原理

ヒートポンプの、2つの基本原理 気体を圧縮すると、温度が上がる。 膨張させると、温度が下がる。 温度差のあるものが接触すれば 熱は移動する。 その1 温度差のあるものが接触すれば 熱は移動する。 基本原理 その2 ヒートポンプの、2つの基本原理。 1:気体を圧縮すると、温度が上がる。膨張させると、温度が下がる。 2:温度差のあるものが接触すれば熱は移動する。 ヒートポンプはこの2つの基本原理を組み合わせて熱をくみ上げ、移動させている。 この2つの基本原理を組み合わせて 熱をくみ上げ、移動させている。

2つの基本原理の組み合わせ 同じ温度の気体が接触している場合 ヒートポンプの、2つの基本原理の組み合わせ。 氷―氷 と同じ  は移動しない

2つの基本原理の組み合わせ 片方の気体を圧縮すると・・ が移動する 温度が上がる 氷←茶 と同じ 1:圧力変化による温度の変化 ヒートポンプの、2つの基本原理の組み合わせ。 実際にも、冷媒を圧縮させて温度を上げている。 温度が上がる 1:圧力変化による温度の変化 氷←茶 と同じ  が移動する 2:温度差による熱移動

2つの基本原理の組み合わせ 片方の気体を膨張させると・・ が移動する 温度が下がる 氷→アイス と同じ 1:圧力変化による温度の変化 ヒートポンプの、2つの基本原理の組み合わせ。 実際にも、冷媒を膨張させてさせて温度を下げている。 温度が下がる 1:圧力変化による温度の変化 氷→アイス と同じ  が移動する 2:温度差による熱移動

2つの基本原理の組み合わせ ヒートポンプはこの原理を使って 熱をくみ上げ、移動させている。 1:圧力変化による温度の変化 2:温度差による熱移動 以上がヒートポンプが熱を運ぶ基本的な原理。 ヒートポンプはこの原理を使って 熱をくみ上げ、移動させている。

発 行 社団法人 空気調和・衛生工学会 (SHASE: The Society of Heating, Air Conditioning and Sanitary Engineers of Japan)