ゴールドバッハ予想と その類似問題の考察 情報科学科 白柳研究室 5514028 小野澤純一
ゴールドバッハ予想とは すべての4よりも大きな偶数は、2つの素数の和であらわすことができるであろう。 2012年現在 ゴールドバッハ予想とは、次のような加法的整数論上の未解決問題である。 すべての4よりも大きな偶数は、2つの素数の和であらわすことができるであろう。 ex) 6 = 3 + 3 8 = 3 + 5 10 = 3 + 7 = 5 + 5 12 = 5 + 7 14 = 3 + 11 = 7 + 7 16 = 3 + 13 = 5 + 11 18 = 5 + 13 = 7 + 11 20 = 3 + 17 = 7 + 13 2012年現在 4× 10 18 までのすべての偶数について成り立つことが確認されている。
研究の背景 数学において様々な未解決問題が存在する。その多くの未解決問題に多くの数学者が膨大な時間を費やし、解決しようと試みた。 私はその中でも、2016年度卒業生である高嶋先輩のゴールドバッハ予想についての論文に興味を持ち、ゴールドバッハ予想やその類似問題を、コンピュータを用い、より大きな数について検証したいと考えた。
研究の目的 計算機ソフトMapleを用いて、ゴールドバッハ予想の数値を大きくした場合に、組み合わせ数に規則性が見られるのかを観測する。 ゴールドバッハ予想と類似の問題を提示し、その問題がゴールドバッハ予想と比較してどのような類似点があるのかを観測する。
6以上のすべての偶数を素数の 和で表したときの組み合わせ数を 出力するプログラム a := proc (n) local i, c; c := 0; for i from 3 to prevprime(n) do if isprime(i) = true then if n-i <> 2 then if isprime(n-i) = true then c := c+1 end if end do; if 0 < c then printf("%d %d\n", n, ceil((1/2)*c)) end proc
6から10000までの出力結果から得られたデータ 9240 データをグラフに表してみると、大きく3つほどの分布に分かれているように見える。
弱いゴールドバッハ予想とは 5より大きい奇数は、3個の素数の和であらわすことができるであろう。 類似の問題として「弱いゴールドバッハ予想」と言われるものもある。 5より大きい奇数は、3個の素数の和であらわすことができるであろう。 ex) 7 = 2 + 2+ 3 9 = 2 + 2 + 5 = 3 + 3 + 3 11 = 2 + 2 + 7 = 3 + 3 + 5 13 = 3 + 3 + 7 = 3 + 5 + 5 15 = 2 + 2 + 11 = 3 + 5 + 7 = 5 + 5 + 5 17 = 2 + 2 + 13 = 3 + 3 + 11 = 5 + 5 + 7 19 = 3 + 3 + 13 = 3 + 5 + 11 = 5 + 7 + 7 2013年、この予想はペルーの数学者ハラルド・ヘルフゴットによって証明された。
7から15001までの出力結果から得られたデータ データをグラフに表してみると、はっきりと2つの分布に分かれていることがわかる。
今後の展望・課題 ゴールドバッハ予想のデータとグラフから、大まかな分布が見えた。今後、その分布にはどのような傾向がみられるのかをデータから観察する。 ゴールドバッハ予想と弱いゴールドバッハ予想との相関関係を調べる。 自作の類似問題「12以上のすべての偶数は、4つの奇素数の和であらわせるであろう」についても考察したい。