超高速ネットワークの弱点 光は速い 光は遅い 300km / 1msec (真空中) 180km / 1msec (光ファイバ中)
2種類のデータ通信 (1) コネクション型(エラー訂正) TCP (再送) 電子メール、WWW、ファイル転送 (1) コネクション型(エラー訂正) TCP (再送) 電子メール、WWW、ファイル転送 (2) データグラム(コネクションレス) UDP、IP 画像、音声の放送型の送信
このようなことは起り得るか? 花子の主張: 伝送中に To: hanako@waseda.jp 1文字脱落? cc: taro Subject: I owe you 戸山花子様 先日のパーティの折、確かに1000円を 借用しました。近々にお返しいたします。 大久保太郎
TCPは受信確認をとる データ ACK 規定時間内にACKが戻らないと再送する
コネクションの開始と終了 (a) 開始時の3-wayハンドシェイク (b) 終了時のFINとACK SYN FIN SYN, ACK ACK 時間の経過 SYN, ACK FIN 時間の経過 ACK (a) 開始時の3-wayハンドシェイク (b) 終了時のFINとACK コネクションの開始と終了
データ 通信回線 受信側 送信側 ACK 再送 受信側 送信側 ACK ACKによる受信確認と再送 再送に備えてデータのコピーが必要
受信側 送信側 データ 片道 2.5ms (ミリ秒) ACK 経過時間 往復 5ms (ミリ秒) 送信側と受信側が450km離れている場合
受信側 送信側 最初のデータのACKを 待たずに次々にデータを 送信する ウィンドウ制御
送信するべきデータの並び 左から順番に送信する ACK ACK データ 送信済 送信済・ACK受信済 図 7.6 ウィンドウという意味
データを「かたまり」で通信する かたまり = パケット Packet データ ヘッダ(宛名、差出人、種類) パケット通信
東京~関西:450km データ ACK (450/180)×2=5ms
TCPのパケットとIPのパケットの包含関係
一度に送るデータの量 無限にはできない。 64bit÷5ms= 12.8Kbps 512bit÷5ms=102.4Kbps 64bit÷5ms= 12.8Kbps 512bit÷5ms=102.4Kbps 64Kbit÷5ms= 12.8Mbps 512Kbit÷5ms=102.4Mbps 無限にはできない。
無闇に大きくできない理由 データ ACK 再送に備えてコピーが必要
光ファイバの速度に関係なく… 64KBytes ACK 64K × 8 bits / 5msec = 102.4 Mbps
東京~シンガポール 5940km 33ms (one way) 64KBytes 7.76Mbps コンピュータ通信は遅い 光ファイバは速い (2.4Gbps, 10Gbps, 100, 200...)
これを解決するには window size を大きくすれば良い 一度に送るデータの量 参考書 pp.209~216 Window size を大きくするということは 強気で先送りをするということ もし他の通信と衝突してパケットが失 われると大きなデータを再送する必要 がある=データ通信の不良債権問題
インターネットは「乗合」型 ルータ 輻輳 (congestion)
10Gbps 155Mbps W RTT スループット 13Mbps ウィンドウのサイズ(W) スループットの限界 RTT, Round Trip Time, 往復遅延時間 W 通信回線の速度 RTT 直線の傾き スループット 155Mbps 通信回線の速度 13Mbps 通信回線の速度 ウィンドウのサイズ(W) スループットの限界
VSAT (Very Small Aperture Terminal)
覚えておくべきこと 光の速度は速いようで、実は遅い 遅延時間が無視できない (例:東京=関西、東京=シンガポール) 人工衛星の回線は遅延時間が長い 地域の情報化は出来ても、国際的な 通信には課題が多い。
超高速が万能薬ではない 人間社会は情報の交換によって成立 物質・エネルギー・情報の交換 個別の人間と、人間社会との差は情報交換 超高速ネットワークの性質 低速→高速 の変化は線形ではない。