社会と会社を育てる投資 ~あなたの1万円が社会を変える~ 社会と会社を育てる投資 ~あなたの1万円が社会を変える~ 05F1731 谷口 聡史
はじめに 近年の相次ぐ不祥事などで企業に対する信頼がうすれてきている。しかし、このような事態の中であるにもかかわらず、資産運用の重要性は日々高まるばかりである。こうした場合機関投資家であれ、個人投資家であれ、どのように投資対象を選出していけばよいのか・・・ 私は今回財務面だけでなく企業のありかたまでも考慮した投資法について調べてみた。
Ⅰ 株式投資 Ⅱ SRIについて Ⅲ 長期投資にSRIの概念を・・ 目次 Ⅰ 株式投資 Ⅱ SRIについて Ⅲ 長期投資にSRIの概念を・・
ⅰ 株式投資の目的とは? ⅱ 株価は何で決まる? ⅲ 投資先選定の基準 ⅳ 非財務的側面の重要性 ⅴ 会社は誰のもの? ⅵ CSR Ⅰ 株式投資 ⅰ 株式投資の目的とは? ⅱ 株価は何で決まる? ⅲ 投資先選定の基準 ⅳ 非財務的側面の重要性 ⅴ 会社は誰のもの? ⅵ CSR
ⅰ 株式投資の目的とは? 会社 投資家 儲けたい 会社を応援したい etc 資金を調達したい より発展したい etc
ⅱ 株価は何で決まる? 背景 行動 株価 買いが多ければ上昇し 売りが多ければ下落する 景気 海外 企業業績 為替 株式市場 金利 BUY ⅱ 株価は何で決まる? 背景 景気 企業業績 海外 株式市場 為替 金利 行動 BUY SELL 株価 買いが多ければ上昇し 売りが多ければ下落する
ⅲ 投資先選定の基準 株を買うとき、何を基準に選びますか? 株式投資の判断基準 ■ファンダメンタル投資 ⅲ 投資先選定の基準 株を買うとき、何を基準に選びますか? 株式投資の判断基準 ■ファンダメンタル投資 株式にはファンダメンタル(本質)価値があるとの見方から、現在の企業の財務状況分析を行うことで、ファンダメンタル価値と現在の株価との価格差を見出して投資を行い利益獲得を目指す手法 ■テクニカル投資 おもに短期型の投資手法をとり、チャートの過去から現在に及ぶまでの日々の動きなどのデータから株価の動きを予測して投資を行い、利益獲得を目指す手法
ⅳ 非財務的側面の重要性 環境問題の悪化 グローバリゼーション 長期的リスクマネージメント 大企業による不祥事の多発 ⅳ 非財務的側面の重要性 環境問題の悪化 グローバリゼーション 長期的リスクマネージメント 大企業による不祥事の多発 グッドウィル、ライブドア、ミートホープ、etc
ⅴ 会社は誰のもの? 株主 経営者 従業員 CORPORATION 取引先 地球環境 政府 消費者 NPO・NGO
CSR:企業の社会的責任 Corporate Social Responsibilityの略 CSRとは、社会面及び環境面の考慮を自主的に業務に統合すること 経済 トリプル ボトムライン 社会 環境
CSRのステップ 社会貢献・環境貢献 ビジネスチャンスの獲得 攻めのCSR 創造 社会配慮・環境配慮 ビジネス リスク管理 守りのCSR 企業価値向上としてのCSR 社会配慮・環境配慮 ビジネス リスク管理 守りのCSR 責任 リスク管理としてのCSR 法令順守・企業統治
ⅰ SRIとは? ⅱ SRIの種類 ⅲ スクリーニング ⅳ SRIの歴史(米) ⅴ SRIの歴史(EU) ⅵ 日本では? ⅶ SRIの規模 Ⅱ SRIについて ⅰ SRIとは? ⅱ SRIの種類 ⅲ スクリーニング ⅳ SRIの歴史(米) ⅴ SRIの歴史(EU) ⅵ 日本では? ⅶ SRIの規模
ⅰ SRI(社会責任投資)とは? Socially Responsible Investingの略 ⅰ SRI(社会責任投資)とは? Socially Responsible Investingの略 CSRを積極的に果たしている企業に投資をすること 投資/応援 CSR 企業 配当/売却益
ⅱ SRIの種類 ポジテイブ スクリーニング スクリーニング ネガティブ スクリーニング SRI 株主行動 コミュニティ投資
CSR活動の盛んな企業を積極的に評価し、 事業活動が社会に何らかの害悪を与えている ⅲ スクリーニング ポジティブ・スクリーニング CSR活動の盛んな企業を積極的に評価し、 優先的に投資対象とする 投資する! ネガティブ・スクリーニング 投資しない! 事業活動が社会に何らかの害悪を与えている 企業を投資対象から外す
ⅳ SRIの歴史(米) 1990年代 CSRを求める動きが活発化 →社会貢献度の 高い企業を投資対象に 1920年代~ キリスト教的価値観に ⅳ SRIの歴史(米) 1990年代 CSRを求める動きが活発化 →社会貢献度の 高い企業を投資対象に 1920年代~ キリスト教的価値観に 基づき投資対象を評価 →望ましくない企業を除外 1970~80年代 社会的関心の多様化 ・反戦 ・環境保護 ・人権 ・原発反対 →投資判断の多様化 90年、世界初のSRIインデック ス、Domini 400 Social Index(DSI)がスタート 90年代後半、401K導入と ともにSRI残高が急増 99年SRI残高2兆$突破 キリスト教教会資金の運用において酒・たばこ・ギャンブルなどの産業に関する企業を投資対象から除外 60年代ベトナム戦争を契機に軍需産業には投資しないという「反投資」が活発化 消費者運動、環境保護運動などの高まりを契機に、株主行動が活発化 80年代アパルトヘイト政策下の南アフリカを収益基盤とする企業を投資対象から除外
ⅴ SRIの歴史(EU) ヨーロッパでも同じように特定の領域の企業を排除して投資する方法があり、1980年代半ば以降、環境を重視するファンドの設立が相次いだ。 1998年にイギリスで、年金基金の運用に関してSRIの基準を導入する場合にその公表が義務付けられたことによってヨーロッパでの社会責任投資の普及が加速した。
ⅴ SRIの歴史(EU) 社会責任投資の影響がヨーロッパ各国に及び始める中、「経済・通貨統合」により各国の連帯感の重要性が増し、それを支える概念としてCSRが生まれた。
日本でも独自のSRIの概念や基準が求められる! ⅵ 日本では? キリスト教的倫理観をベースにしたアメリカのSRI 複数国の社会的結合を前提に構築されたヨーロッパのCSR 日本でも独自のSRIの概念や基準が求められる!
ⅶ SRIの規模 SRI投資信託残高 残高 (億円)
ⅰ SRIのしくみ ⅱ 社会のレベルによる評価の変化 ⅲ SRIファンドの行方・・ ⅳ SRIによる効果 Ⅲ 長期投資にSRIの概念を・・ ⅰ SRIのしくみ ⅱ 社会のレベルによる評価の変化 ⅲ SRIファンドの行方・・ ⅳ SRIによる効果
ⅰ SRIのしくみ ここまでSRIの説明をしてきたが、我々投資家がもっとも気になるところはリターンであろう。いくら社会のためになるといわれても「投資」をするうえで、みすみす損をするようなことはしない。加えてこの運用難の時代になぜSRIなのか。もう少し詳しくみていく。
ⅰ SRIのしくみ 企業 利益 環境問題 赤字 株価下落 社会に評価される 株価上昇
ⅱ 社会のレベルによる評価の変化 たとえば、戦後間もないころであれば、公害問題に気を配らずに利益を上げることだけを考える企業でも、貧しい社会では公害問題よりも、まず生産性を上げることのほうが重要だった。
ⅱ 社会のレベルによる評価の変化 ところが、社会が豊かになってくると、我々は消費者としても投資家としても、公害を出す企業を評価しなくなった。 ⅱ 社会のレベルによる評価の変化 ところが、社会が豊かになってくると、我々は消費者としても投資家としても、公害を出す企業を評価しなくなった。 つまり企業に対する評価は、社会の成熟度に応じて変わっていくということである。
ⅲ SRファンドの行方・・ 私たちが、消費者として、また投資家として、「環境に配慮しているかどうか」「社会責任を果たしているか」といった観点で企業を評価する「成熟した社会」になっていれば、長期的にはSRIファンドへの投資は利益が期待できるといえる。むしろ社会的責任を果たしていない企業の株価が上がりにくいという状況になっていくかもしれない。
ⅳ SRIによる効果 企業の財務内容がよければ、資金面はもちろん、企業の考え方(哲学)といた面からも余裕ができるため、不正や不祥事を起こさないシステム作りに資金を投じやすくなる。 社会責任をきちんと果たすことで、消費者や投資家の信用をより得ることができるため、競争力をさらに強め、持続的な成長が実現できる。
おわりに 今回社会責任投資について調べてみて、理想論に近いものがあるなと率直に感じた。しかし、この考え方が定着していけば、政治家に一票投じるように企業にも投資するようになっていくのではないかと感じた。 我々がこういった視点で企業を選別することでより高いレベルの「豊かな社会」が達成され、それにより大きなリターンが得られるのではないだろうか。
参考文献 「社会責任投資とは何か」生産性出版 秋山をね 著書 All About HP http://allabout.co.jp/