産学連携BICSシンポジウム シリーズ3回 (日本化学会春期年会 平成18年3月28日)

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薬理学研究科 のための 遺伝的多様性 11/02/2013 医学研究科 統計遺伝学分野 山田
北海道大学病院 がん遺伝子診断部 ☎ (FAX; 7099)
Acknowledgement This research (in part) used the portal website for Structural Life Science Research, developed by the Information Core of the Platform.
細胞膜受容体-天然物リガンド間架橋に最適化した架橋法の開発
遺伝統計学 集中講義 (6) 終わりに.
⑥ ⑤ ① ③ ② ④ 小胞の出芽と融合 11/20 ATPの使い途2 出芽 核 細胞質 供与膜 融合 標的膜 リソソーム
メディカル/ヘルスケア知財戦略室 ( =M/H知財かけこみ寺)
集中講義(東京大学)「化学システム工学特論第3」 バイオインフォマティクス的手法による化合物の性質予測(1) バイオインフォマティクス概観
2018年度 植物バイオサイエンス情報処理演習 第9回 公共データバンクの代謝パスウェイ情報
分子生物情報学(0) バイオインフォマティクス
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産学連携BICSシンポジウム シリーズ3回 (日本化学会春期年会 平成18年3月28日) 生命化学と次世代技術は 創薬、医療を変えられるか 基調講演 化学と生物学の接点から生まれる創薬戦略 菅 裕明 東京大学・先端科学技術研究センター

ヒトゲノム計画の終焉とゲノム創薬 ゲノム創薬 2000年、ヒトゲノムのほぼ全配列が解読される Celera社やIncyteなど、解読情報をもつベンチャー企業が、データベースを商品化 Affymetrix社などが、DNAチップ・機器を開発 ゲノム創薬

ゲノム創薬:ゲノム情報から創薬へ 創薬 ゲノム情報 構造生物学 システム生物学 (化学) ・・・・・・・・・・・・・GATACACGTAGATGA AGCTTGATGCTCGATTTTAAAGCTAGCTAGGGGCTAGCACACAGTCGATCGATCGATCTAGATAGATCAGAAAAGATCGATTCCCCGATCGATATATATGGGGATATAGATCCCCCTAGCTAGGGATGAAAGCTAGAGGGGGACCACGATACGATCGATGGGGATGGATAGATCGATGATCATGAACACATAGATCGATCGGGCTAGCTATTATATAGCTAGGATATATATCGATGCTCCTCTCTCGATCGCTCTAGCTGCGCGCGCTCCTATCGCTAGGCTGATCTCTCGATCGATCGATCG・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ TCTGGCTCTCTCGAGCGCGTATATATATTATATCGCGCGCTAGCTAGATTATAGCTAGTCGATCGATGCGCCACACATGCTAGCTCGATAGATCGATAGCTGATCGATCGATGCTCCTCCAGTCGACTCTCCCCGACGGGGGCTCGATCGATCGTTTGAGGCTAGCTGATTCGATGCTGATCTGAGTCGGATGGATGATGTAAAACCGACTAGCTAGTAGCCCGATATAGA・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・GACAGTTT システム生物学

NIH Molecular Libraries Roadmap NIH roadmap for medical research Molecular Libraries Screening Centers Network The MLSCN has established a collection of 100,000 chemically diverse small molecules some of which have known biological activities and others of which have the potential to modulate novel biological functions. Technology Development Chemical diversity Assay diversity Instrumentation Predictive toxicology

ケミカル・ジネティックス Schreiberらが提唱 小分子を用いたジネティックス(遺伝学) 小分子ライブラリー 細胞 ?

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Small Molecular Repository 創薬シーズ:小分子化合物ライブラリー 天然物ライブラリー コンビナトリアル・ライブラリー Diversity-oriented synthesis(多様性指向合成) vs. Target-oriented synthesis(標的指向合成) Small Molecular Repository (USA: 〜10万)

抗体の高多様性 抗体医薬としての近年の実績と期待 抗原に対する高い親和性 高い多様性 ゲノムにコードされた多様性:108 突然変異による多様性   :103 Total:1011

抗体の高多様性 108 107 10万(105) 106

抗体の高多様性 抗体医薬としての近年の実績と期待 抗原に対する高い親和性 抗体の多様性 免疫系による優れたクローナル・セレクション ゲノムにコードされた多様性:108 突然変異による多様性   :103 Total:1011 免疫系による優れたクローナル・セレクション  増幅・機能化(進化)

DNA-templated organic synthesis by D. Liu NH2 H R1 NH2 NH NH2 R1 NH2 R3 NH2 R2 NH2

DNA-templated organic synthesis by D. Liu NH2 NH NH2 NH R1 R1 NH2 H R3 NH2 R2 NH2

DNA-templated organic synthesis by D. Liu 標的タンパク質 R3 NH2 NH NH R1 NH2 NH R1 R3 NH2 H R1 NH2 R2 R3 NH2

化学と生物学の接点から生まれる創薬戦略 何が必要か? 化学分野 高多様性ライブラリー 新合成手法 高機能化法(focus libraries & fishhook) 生物学分野 HiTS法 バイオインフォマティクス 高速ome解析 (トランスクリプトーム、プロテオーム、グライコーム)