構造情報に基づく特徴量を用いた グラフマッチングによる物体識別 情報工学科 藤吉研究室 EP02086 永橋知行
背景 屋外環境における移動体識別 不確定要素に不変な特徴量 → 検出領域全体から得られる大局的な特徴量 照明条件の変化 物体の見え方の変化 物体形状を用いた特徴量 テクスチャ情報を用いた特徴量 時間軸情報を用いた特徴量 → 検出領域全体から得られる大局的な特徴量
目的 物体構造に基づく特徴量の提案 物体を構成する各構造ごとの特徴量の抽出 グラフマッチングによる識別 構造間の情報を考慮したマッチング
手順 Step1. 物体領域への混合正規分布の当てはめ Step2. ピクセルのクラスタリング Step3. 物体構造モデルからの特徴量抽出
混合正規分布 混合正規分布モデル 複数の正規分布の重み付き線形結合で表した確率分布モデル
混合正規分布による物体構造の表現法 物体画像の座標 と輝度 の3次元に対し 混合正規分布を当てはめ 物体画像の座標 と輝度 の3次元に対し 混合正規分布を当てはめ 混合正規分布を画像平面 へ投影し, 物体構造モデルを作成 DAEMアルゴリズムにより混合正規分布パラメータを推定
混合正規分布のパラメータ推定
混合正規分布の当てはめ結果 人複数 二輪車 自動車 人
ピクセルのクラスタリング 物体領域のピクセル単位でのクラスタリング 混合正規分布パラメータを使用 → 各領域のエッジ強度を抽出可能
物体構造に基づく特徴量 物体構造モデルから得られる特徴量 正規分布の傾き 正規分布の縦横比 x方向エッジ y方向エッジ 左上がりエッジ 右上がりエッジ
グラフによる特徴量の表現 グラフ 頂点(ノード)と辺(アーク)により構成 物体構造モデルから得られる特徴量をグラフを用いて表現
グラフマッチングによる識別 グラフ と 間のマッチングコストを計算 グラフ と 間のマッチングコストを計算 各クラス毎のテンプレートグラフとのマッチングコストを 計算し,kNN法で識別
物体構造に基づく特徴量の評価実験 人,人複数,二輪車,自動車の4クラスへ識別 各クラス学習画像200枚,評価画像200枚 物体構造に基づいた特徴量と,領域全体から得られる 特徴量を比較
識別実験結果 領域全体から得られる特徴量での識別結果 物体構造に基づく特徴量での識別結果 → 識別率が3.4%向上
構造情報を用いることにより成功した例 全体から得られる特徴量を用いた場合 物体構造に基づく特徴量を用いた場合 → 人と誤識別 二輪車 人 → 二輪車と識別
特徴量を併用した識別実験結果 領域全体から得られる特徴量での識別結果 2つの特徴量を併用した識別結果 → 識別率が6.2%向上
まとめ 構造情報に基づく特徴量 物体構造に基づいたグラフマッチングによる物体識別 今後の予定 混合正規分布を用いた物体構造に基づく特徴量抽出 グラフを用いた特徴量の表現 物体構造に基づいたグラフマッチングによる物体識別 全体から得られる特徴量と組み合わせることにより 識別率が6.2%向上 今後の予定 識別能力の向上
背景除去 フレーム間差分結果はノイズを含む グラフカットによるセグメンテーション [Y. Boykov ICCV2001] 物体構造を正確に捉えることが困難 グラフカットによるセグメンテーション [Y. Boykov ICCV2001] 画像からグラフを作成し,最小カットを求めることにより 物体と背景を分割 物体,背景の seed (ヒント)が必要
グラフカットによる背景除去 移動体検出結果を矩形で切り出す 矩形の周囲をbackground seed, 座標と輝度値で階層的クラスタリングを行い各クラスの重心をobject seedとして与える グラフを作成し,最小カットを求める object seed background seed
EMアルゴリズム 初期値 を設定 (Eステップ) 期待値の計算 (Mステップ) 最大化 パラメータが収束しなければ として2. へ
DAEMアルゴリズム DAEMアルゴリズム [上田 信学論1997] 温度パラメータβを導入した を用いる 尤度空間を平滑化 温度パラメータβを導入した を用いる 尤度空間を平滑化 初期値の依存性が低い
EMでの初期値依存性 → 初期値依存性が高い
DAEMでの初期値依存性