情報化社会を支える量子ビームと化学 大阪大学産業科学研究所 古澤孝弘 ナノサイエンス・ナノテクノロジー高度学際教育研究訓練プログラム

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情報化社会を支える量子ビームと化学 大阪大学産業科学研究所 古澤孝弘 ナノサイエンス・ナノテクノロジー高度学際教育研究訓練プログラム 大学院高度副プログラム・副専攻プログラム(博士前期課程(修士)) 応用化学専攻物質機能化学コース 大阪大学産業科学研究所 古澤孝弘

波長とエネルギー 色 λ/nm ν/(1014Hz) E/eV E/(kJmol-1) 赤外 1000 3.00 1.24 120 赤 700 4.28 1.77 171 橙 620 4.84 2.00 193 黄 580 5.17 2.14 206 緑 530 5.66 2.34 226 青 470 6.38 2.64 254 紫 420 7.14 2.95 285 近紫外 300 10.00 4.15 400 遠紫外 200 15.00 6.20 598

100eVの電子の波長は約1Å 1 ナノメーター=10オングストローム

細線描画 10nm Lines

電子線による細孔配列の作製 f 50 nm Pitch 100 nm f 15 nm Pitch 50 nm These are examples of dot arrays. In this example, diameter is 15 nm and pitch is 50 nm. f 15 nm Pitch 50 nm

The exponential growth of computing, 1900-2100 1920 1940 1960 1980 2000 2020 2040 2060 2080 2100 10 -10 -5 5 15 20 25 30 35 40 Calculations per second Year All human brain One human brain One mouse brain One insect brain Data from “Fundamental of microfabrication”, M. J. Madou, CRC Press, 2002

リソグラフィ工程 表面処理 スピンコート プリベーク 露光 PEB(露光後加熱) 現像 リンス エッチング レジスト剥離 被加工膜・基板 レジスト溶液 スピンコート 溶媒を蒸発 プリベーク ホットプレート マスク 露光 光もしくは放射線化学反応で潜像を形成 PEB(露光後加熱) 加熱により化学反応を進行させる 現像 溶媒で照射部を溶かす    (ポジ型レジスト) リンス 貧溶媒で溶媒を洗い流す プラズマ エッチング レジストをマスクにして基盤を加工 レジスト剥離

化学増幅型レジスト(極性変化型) レジスト 酸触媒反応 露光による酸の生成 脱保護反応による極性変化を利用したパターンの形成 hν、radiation レジスト 脱保護反応による極性変化を利用したパターンの形成 酸触媒反応 H+ ノボラックをやめたのは光吸収が強すぎるため。

半導体製造におけるナノ化学への挑戦 可溶 制御可 現像後 不溶 Pattern 化学反応 光学 イメージ 断面図 可溶分子と不溶分子の混合物 EUV 化学反応 Pattern 光学 イメージ Acid Image Latent image 断面図 可溶分子と不溶分子の混合物 分布を制御できない + 部分的に溶解 ラフネス Top-down 分子サイズと同レベルまで低減することが求められる。

量子ビーム科学研究施設 フェムト秒パルスラジオリシスシステム 量子ビームによる過渡吸収分光 Time (ps) 量子ビーム実験施設では、アト秒に向けたパルスラジオリシスの高時間分解能化が進められていますが、モデル化のための定性的反応機構解明、シミュレーションのためのキネティックデータの取得、特に、熱化過程の解明にこれらの装置を積極的に活用して行きたいと考えています。 量子ビームによる過渡吸収分光 Time (ps)