Rolf Stahel教授からの書簡 会員各位 今回、このETOPスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセットは、2018年に 開催された主要な学会で発表された、胸部癌に関する重要な所見に焦点を合わせて概要を示すことを目 的としています。このスライドは特に第19回世界肺癌学会議(IASLC)に焦点を当てており、英語、フラン ス語、日本語、中国語の4カ国語でご利用いただけます。 腫瘍学における臨床研究の分野は、絶えず変化し続ける、厳しい環境下にあります。そうした環境下にお いて、我々は皆、科学者、臨床医および教育者としての役割において、知識の深化を促進し、さらなる進 歩の契機をもたらしてくれる、科学的なデータや研究所見の入手の機会を貴重なものであると考えています。 胸部癌の領域における最新情報に関する今回のレビューが、皆さまの臨床診療にとって有益なものとなるこ とを期待しています。本件につきましてご意見・ご感想などございましたら、是非お聞かせ下さい。ご意見ご 質問はetop@etop.eu-orgにお送りください。 ETOP会員のSolange PetersおよびMartin Reck両士には編集者として、抄録の優先順位決定、スラ イド内容のレビューに大変ご尽力いただいたことにお礼を申し上げます。このスライドセットは彼等の取り組み と努力なしには実現不可能でした。 最後に、このような活動の実現に際し、資金、運営管理および物流管理の面においてご支援いただいた Lilly Oncology社様に心より御礼申し上げます。 敬具 ETOP基金評議会会長 Rolf Stahel
ETOP腫瘍内科研究スライドデッキ編集者(2018年) 重点分野:進行NSCLC(根治治療不能の病期III & 病期IV) Solange Peters博士 スイス、ローザンヌ、ローザンヌがんセンター、集学的腫瘍学センター 重点分野:他の悪性腫瘍、SCLC、中皮腫、まれな腫瘍 Martin Reck博士 ドイツ、グロスハンスドルフ、グロスハンスドルフ病院、胸部腫瘍学部
目次 スクリーニングとバイオマーカー 早期および局所進行NSCLC - 病期I、II、III 進行NSCLC - 根治治療不能の病期III & 病期IV 第一選択治療 第二選択以降 他の悪性腫瘍 SCLC、悪性中皮腫および胸腺上皮性腫瘍
スクリーニングとバイオマーカー
PL02.05: ボリュームCT肺がんスクリーニングの効果:NELSON無作為化対照集団ベース試験の死亡に関する結果 – De Koning HJ ら 試験の目的 肺がんによる死亡率の低下においてスクリーニングプログラムの使用を評価する 方法 NELSON試験は、集団ベースレジストリRCTであり、オランダとベルギーからのレジストリを使用したもので ある 全般的な健康状態に関する質問票が、レジストリから特定された50~74歳の男性、女性606,409 人に送付された 患者選択基準には、「喫煙歴として>10本のタバコ/日を30年間、または>15本のタバコ/日を>25年 間かつ禁煙≤10年間」という条件が含まれた 30,959人が適格と見なされ、15,792人がCTスクリーニングと非スクリーニングに1:1で無作為化さ れた CTスクリーニングが1、2、4、6.5、10年目に行われた CT画像は中央で読影され、スクリーニングの結果について判断を下すのにあたり、結節の体積と体積 が倍増するまでの期間が用いられた 死亡原因に関する専門委員会が設けられ、国内のレジストリを用いて追跡調査が行われた De Koning HJ ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.05
PL02.05: ボリュームCT肺がんスクリーニングの効果:NELSON無作為化対照集団ベース試験の死亡に関する結果 – De Koning HJ ら 主な結果 スクリーニング実施、 n (%) 中間試験結果、 n (%) 陽性試験結果、 n (%) 肺がん検出、 n (%) 陽性適中率/陽性試験結果、 % ラウンド1 7,557 (95.6) 1,451 (19.2) 197 (2.6) 70 (0.9) 36 ラウンド2 7,295 (92.3) 480 (6.6) 131 (1.8) 55 (0.8) 42 ラウンド3 6,922 (87.6) 471 (6.8) 165 (2.4) 75 (1.1) 45 ラウンド4 5,279 (66.8) 101 (1.9) 105 (2.0) 43 (0.8) 41 合計 27,053 (85.6) 2,503 (9.3) 598 (2.2) 243 (0.9) De Koning HJ ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.05
PL02.05: ボリュームCT肺がんスクリーニングの効果:NELSON無作為化対照集団ベース試験の死亡に関する結果 – De Koning HJ ら 主要な結果(続き) 初回肺がんの累積絶対数 診断時の病期 オランダがんレジストリ 対照群 スクリーニング群 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 病期(ステージ) 初回肺がんの累積絶対数 無作為化からの経過期間 100 150 200 250 300 350 400 450 50 1 2 3 4 5 6 10 7 8 9 対照 スクリーニング De Koning HJ ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.05
PL02.05: ボリュームCT肺がんスクリーニングの効果:NELSON無作為化対照集団ベース試験の死亡に関する結果 – De Koning HJ ら 主要な結果(続き) 累積肺がん死亡数(男性のみ) 累積肺がん死亡数 無作為化からの経過期間(年) 50 100 150 200 250 1 2 3 4 5 6 10 7 8 9 対照群: 肺がん死亡数214 スクリーニング群: 肺がん死亡数157 De Koning HJ ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.05
PL02.05: ボリュームCT肺がんスクリーニングの効果:NELSON無作為化対照集団ベース試験の死亡に関する結果 – De Koning HJ ら 主要な結果(続き) 結論 CTスクリーニングの使用により、スクリーニング群における肺がんに関するリスクが高い男性は、対照群に 比べ肺がんで死亡するリスクが26%低下した スクリーニング群の女性においては、死亡率の低下が男性よりも一貫して良好であった 肺がん死亡率比(95%CI) 8年目 9年目 10年目 男性 0.75 (0.59, 0.95); p=0.015 0.76 (0.60, 0.95); p=0.012 0.74 (0.60, 0.91); p=0.003 女性 0.39 (0.18, 0.78); p=0.0037) 0.47 (0.25, 0.84); p=0.0069 0.61 (0.35, 1.04); p=0.0543 De Koning HJ ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.05
MA03.05: 肺がんスクリーニングにおける新たな部分充実性肺結節(Subsolid Pulmonary Nodules):NELSON試験 – Heuvelmans MA ら 試験の目的 スクリーニングプログラムとして新規部分充実性結節の出現率と肺がんの頻度を評価し、より積極的な 追跡調査の手法が必要かどうかを判定する 方法 NELSON肺がんスクリーニング試験に由来する患者において、1、3、5.5年目のスクリーニングラウンド時 点で特定された部分充実性結節を解析した 結節が肺がんと診断された時に、組織学的評価が含まれる診断のワークアップにより、(前)悪性と 分類された 主な結果 51人(0.7%; 51/7295)の参加者において、後ろ向きに、明らかでなかった60個の新規部分充実性結 節が特定された 43(72%)人が部分充実性、17人(28%)が非充実性であった 新規部分充実性結節を持つ6%(3/51)の参加者が(前)悪性であった 追跡調査スクリーニングにより、部分充実性結節の65%(33/49)が解消していた 結論 新規部分充実性結節に関しては、ベースライン時点での部分充実性結節よりも、より積極的な追跡 調査の手法を行う必要はない Heuvelmans MA ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr MA03.05
OA03.03: Blueprint PD-L1免疫組織化学検査類似性第IIB相試験 – Kerr KM ら 試験の目的 同じ腫瘍に由来する3種類のサンプルを用いた様々な検査においてPD-L1スコアの類似性を調査する: 大切除片、コア針/鉗子生検、穿刺吸引細胞診サンプル 方法 11人の病理学者の日常診療において、31個のサンプルが前向きに取得された:17個の腺癌、12個の 扁平上皮癌、2個の大型細胞 22C3 (Dako)、28-8 (Dako)、SP142 (Ventana)、SP263 (Ventana)、73-10 (Dako) 検査が HistoGeneXにより行われた 匿名化されたサンプルのスライドがスキャンされ、Pathomation Digital Pathology Systemにアップロー ド、スコアリングが行われた 24人の病理学者が画像のスコアリングを行い、読影者はどの検査について読影をしているかを知らされ ていなかった 免疫細胞のスコアリングは行われなかった Kerr KM ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA03.03
OA03.03: Blueprint PD-L1免疫組織化学検査類似性第IIB相試験 – Kerr KM ら 主な結果 TPSスコアについてのデータについて読影者間の一致は、全体的に「中ぐらい」~「ほぼ完全」で、これま での試験におけるものと類似していた 特定の切断部に関し、検査間の一致は良好であった 平均値と中央値は検査間で変化していたもののサンプルの種類間では変化がなかった 結論 PD-L1 IHC検査において、Blueprint 2Bは、検査の性能と観察者間の変化に関するデータについて再 確認を行うものである 同じ腫瘍からのマッチしたサンプル間(大切除片、コア針/鉗子生検、穿刺吸引細胞診サンプル)では、 TPS間において良好な類似性が見られた 検査 吸引 (平均、中央) 生検 切除 吸引 対 生検 (P値) 吸引 対 切除 生検 対 切除 22C3 19.0, 0.9 18.2, 0.7 22.2, 0.5 0.31 0.90 0.26 28-8 21.6, 1.7 21.6, 2.6 0.13 0.79 0.19 73-10 26.0, 2.4 26.3, 2.8 27.4, 3.3 0.86 0.18 0.41 SP142 5.2, 0 4.2, 0.04 6.8, 0.09 0.57 0.49 0.12 SP263 22.4, 1.5 23.7, 2.7 25.3, 4.2 0.031 0.25 Kerr KM ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA03.03
早期・局所進行NSCLC 病期I、II、III
OA01.06: DETERRED:局所進行性非小細胞肺癌におけるアテゾリズマブと化学放射線療法の併用療法に関する第II相試験 – Lin LH ら 試験の目的 局所進行NSCLC患者における、アテゾリズマブ+カルボプラチン、パクリタキセル、放射線の併用に関す る有効性と安全性を評価する パート1 化学放射線療法*併用 (n=10) 地固め化学療法** + アテゾリズマブ 1200 mg IV q3w x 2 サイクル 維持アテゾリズマブ 1年以下 主要な患者選択基準 部分進行NSCLC (n=40) パート2 化学放射線療法* + アテゾリズマブ併用 1200 mg q3w IV (n=30) 地固め化学療法** + アテゾリズマブ 1200 mg IV q3w x 2 サイクル 維持アテゾリズマブ 1年以下 主要エンドポイント 安全性 副次的エンドポイント 1年PFS、グレード3+放射線肺臓炎、アウトカムのバイオマーカー相関 *カルボプラチン AUC2 + パクリタキセル 50 mg/m2 + 放射線 (60–66 Gy) q1w; **カルボプラチン AUC6 + パクリタキセル 200 mg/m2 q3w Lin LH ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA01.06
OA01.06: DETERRED:局所進行性非小細胞肺癌におけるアテゾリズマブと化学放射線療法の併用療法に関する第II相試験 – Lin LH ら 主な結果 グレード 3+ 呼吸器合併症: パート1:1件 グレード3 呼吸困難、2件 グレード2 放射線肺臓炎 パート2:2件 グレード2 放射線肺臓炎、1件 グレード3+ 放射線肺臓炎、1件 グレード4 呼吸不全 NOS パート1 (n=10) パート2 (n=30) 全AE、n 697 574 グレード3+のAE、n 54 48 グレード3+の患者、n (%) 6 (60) 17 (57) 試験薬の投与中止につながったAE、n (%) 3 (30) 3 (10) アテゾリズマブでのグレード3+AE患者、n (%) 7 (23) Lin LH ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA01.06
パート1に関し追跡調査期間中央値1.3年、パート2に関し0.75年 OA01.06: DETERRED:局所進行性非小細胞肺癌におけるアテゾリズマブと化学放射線療法の併用療法に関する第II相試験 – Lin LH ら 主要な結果(続き) 結論 局所進行NSCLC患者において、アテゾリズマブと化学放射線療法の併用は、過剰な毒性がなく実施 可能である アテゾリズマブと化学放射線療法の併用群では、早期解析により有望な活性が示唆されている 早期の予備的な有効性に関する結果 パート1に関し追跡調査期間中央値1.3年、パート2に関し0.75年 生存率(%) 100 50 4 8 12 16 20 24 28 経過期間、カ月 パート1 パート2 PFS 生存率(%) 100 50 4 8 12 16 20 24 28 経過期間、カ月 パート1 パート2 OS PFS中央値、カ月 1年PFS OS中央値、カ月 1年OS パート1 20.1 60 パート2 NR 66 70 Lin LH ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA01.06
OA02.01: 部分進行/再発性ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺癌(NSCLC)におけるentrectinibの有効性と安全性 – Doebele RC ら 試験の目的 部分進行/転移性ROS1融合遺伝子陽性NSCLC患者において、CNS活性、選択的ROS1、TRK、 ALK阻害剤であるentrectinibの有効性と安全性を調査する 主要な患者選択基準 局所進行または転移性NSCLC ROS1融合遺伝子陽性 ROS1阻害剤未投与 第1相、第2相試験の総合解析(3試験) - STARTRK-2、STARTRK-1、ALKA-372-001 (n=53 ROS1+; N=355 (全)) entrectinib 600 mg/日 q4w PD 主要エンドポイント ORR、DoR(RECIST v1.1でのBICR) 副次的エンドポイント CBR、PFS、OS、安全性 CNS疾患患者における頭蓋内の反応 Doebele RC ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA02.01
ベースラインにおける非CNS疾患 (n=30) OA02.01: 部分進行/再発性ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺癌(NSCLC)におけるentrectinibの有効性と安全性 – Doebele RC ら 主な結果 >1%に発生する、最もよく見られるグレード≥3のAEは、体重増加(5.1%)、貧血(4.5%)、倦怠感 (2.8%)、下痢(1.4%)、AST上昇(1.1%)であった 結論 ROS1融合遺伝子陽性部分進行/再発性NSCLC患者(CNS転移の有無にかかわらない)において、 entrectinibにより臨床的に意義のある反応が得られた Entrectinibは管理可能な安全性プロファイルを示し、試験を中止する割合は低かった PFS 奏効、n (%) ベースラインにおけるCNS疾患 (n=23) ベースラインにおける非CNS疾患 (n=30) ORR、n (%) [95%CI] 17 (73.9) [51.6, 89.8] 24 (80.0) [61.4, 92.3] CR 3 (10.0) PR 17 (73.9) 21 (70.0) SD 1 (3.3) PD 4 (17.4) 非CR/PD 欠測/評価不能 2 (8.7) 2 (6.7) CBR、n (%) [95%CI] 41 (77.4) [63.8, 87.7] 12カ月イベント未発生確率:0.65 100 合計 打ち切り時点 中央値 (95% CI) 合計 [N=53]:19 [12.2, 36.6] 80 60 BICR別PFS、% 40 20 53 6 37 12 28 18 8 24 6 30 3 36 1 42 経過期間、カ月 リスクに晒 されていた 患者数 43 32 15 6 5 1 Doebele RC ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA02.01
MA04.09: 切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)におけるアテゾリズマブによるネオアジュバント療法:多施設試験による最新結果(LCMC3)– Rusch VW ら 試験の目的 アテゾリズマブによるネオアジュバント療法を受ける切除可能病期IB~IIIB相NSCLC患者において、病 理学的主要奏効率(MPR)およびバイオマーカーを調査する(試験パート1に由来する患者54人の中 間解析) パート1 (主要) パート2 (探索的) 臨床的 有用性 主要な患者選択基準 病期IB~IIIB相切除可能NSCLC (n=54/180(計画)) アテゾリズマブ 1200 mg D1、22 2サイクル アテゾリズマブ 1200 mg q3w、 12カ月間 外科的 切除 SoCアジュバント療法 主要エンドポイント MPR 副次的エンドポイント 安全性、PD-L1、OS、DFS別反応 Rusch ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr MA04.09
MA04.09: 切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)におけるアテゾリズマブによるネオアジュバント療法:多施設試験による最新結果(LCMC3)– Rusch VW ら 主な結果 病理学的退縮、% MPRは、≤10%目視確認可能な腫瘍細胞と定義 PD-L1 発現: TC1/2/3またはIC1/2/3 TC0およびIC0 不明 RECISTによる判定: 喫煙: 組織像: PR SD なし 現在 履歴あり 非扁平上皮 扁平上皮 RECISTによる判定 喫煙 組織像 病理学的退縮(%) 転帰 有効性集団(n=45) MPR、n (%) [95%CI] 10 (22) [11, 37] pCR、n (%) 3 (7) ORR、n (%) PR SD 42 (93) PD Rusch VW ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr MA04.09
MA04.09: 切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)におけるアテゾリズマブによるネオアジュバント療法:多施設試験による最新結果(LCMC3)– Rusch VW ら 主要な結果(続き) 結論 切除可能、早期NSCLC患者において、アテゾリズマブによるネオアジュバント療法は良好な忍容性を 示すとともに、外科的治療に対し大きな遅延や外科的切除への支障を来さず、有望な臨床活性を示 した 発生率、n(%) 安全性集団(n=54) ≥1 AE グレード3~4 グレード5 51 (94) 15 (28) 1* (2) 治療に関連したAE 32 (59) 3 (6) 重篤なAE 16 (30) 試験薬の投与中止につながったAE 2 (4) *試験治療に関連しない突然死(術後約2週間) Rusch VW ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr MA04.09
進行NSCLC 根治治療不能の病期IIIおよびIV 第一選択治療
PL02.03: ALK阻害剤による治療歴のないALK+ NSCLC患者におけるブリガチニブとクリゾチニブの比較:第III相試験(ANTA-1L)の第一次報告 – Camidge Rら 試験の目的 ALK阻害剤による治療歴のない進行性ALK+ NSCLCにおけるブリガチニブとクリゾチニブの比較 ブリガチニブ180 mg/日 (90 mgでの7日間の導入あり) (n=137) PD/毒性/ その他 主要な患者選択基準 病期IIIB/IVのALK陽性NSCLC ALK阻害剤による治療歴なし 1種類以下の全身療法の施行歴 (n=275) 層別化 脳転移 (あり vs. なし) 化学療法歴(あり vs なし) R 1:1 クリゾチニブ 250 mg bid* (n=138) PD/毒性/ その他 主要エンドポイント BIRCによる評価のPFS(RECIST v1.1) 副次的エンドポイント ORR、頭蓋内ORR、頭蓋内PFS、OS、安全性 *PDで許容されたブリガチニブへのクロスオーバー Camidge ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.03
疾患進行または死亡のHR 0.49 (95%CI 0.33, 0.74); ログランク検定によるp=0.0007 PL02.03: ALK阻害剤による治療歴のないALK+ NSCLC患者におけるブリガチニブとクリゾチニブの比較:第III相試験(ANTA-1L)の第一次報告 – Camidge Rら 主な結果 1年OS確率:ブリガチニブ 85%(95%CI 76, 91); クリゾチニブ 86% (95%CI 77, 91) BIRC-評価による PFS 治療 イベント発症患者、n(%) PFS中央値、カ月(95%CI) 1年PFS、% (95% CI) ブリガチニブ 36 (26) NR (NR, NR) 67 (56, 75) クリゾチニブ 63 (46) 9.8 (9.0, 12.9) 43 (32, 53) 100 疾患進行または死亡のHR 0.49 (95%CI 0.33, 0.74); ログランク検定によるp=0.0007 80 60 PFS、患者の割合(%) 40 ブリガチニブ(n=137) クリゾチニブ(n=138) 20 3 6 9 12 15 18 経過期間、カ月 From NEJM, Camidge R, et al., Brigatinib versus Crizotinib in ALK-positive non–small-cell lung cancer, DOI:10.1056/NEJMoa1810171. Copyright © (2018) Massachusetts Medical Society. Reprinted with permission from Massachusetts Medical Society. Camidge R ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.03
PL02.03: ALK阻害剤による治療歴のないALK+ NSCLC患者におけるブリガチニブとクリゾチニブの比較:第III相試験(ANTA-1L)の第一次報告 – Camidge Rら 主要な結果(続き) ベースラインにおいて何らかの脳転移があった患者における頭蓋内PFS 治療 頭蓋内PFS(中央値)、カ月(95%CI) 1年 PFS、% (95%CI) ブリガチニブ NR (11.0, NR) 67 (47, 80) クリゾチニブ 5.6 (4.1, 9.2) 21 (6, 42) 100 HR 0.27 (95%CI 0.13, 0.54); ログランク検定 p<0.0001 80 60 頭蓋内PFS、患者の割合(%) 40 ブリガチニブ(n=43) クリゾチニブ(n=47) 20 3 6 9 12 15 18 経過期間、カ月 From NEJM, Camidge R, et al., Brigatinib versus Crizotinib in ALK-positive non–small-cell lung cancer, DOI:10.1056/NEJMoa1810171. Copyright © (2018) Massachusetts Medical Society. Reprinted with permission from Massachusetts Medical Society. Camidge R ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.03
PL02.03: ALK阻害剤による治療歴のないALK+ NSCLC患者におけるブリガチニブとクリゾチニブの比較:第III相試験(ANTA-1L)の第一次報告 – Camidge Rら 主要な結果(続き) 間質性肺疾患/肺臓炎がいずれかの時点において、ブリガチニブでは4%(5/136)、クリゾチニブでは2% (3/137)発生 早期発症間質性肺疾患/肺臓炎(治療開始の14日以内)は、ブリガチニブでは3%(発症:D3~8)、 クリゾチニブでは報告がなかった AEによる用量減少(ブリガチニブ/クリゾチニブ):29%/21% AEによる中止(ブリガチニブ/クリゾチニブ):12%/9% 結論 第一次計画による中間解析によれば、ALK阻害剤治療歴のない進行性ALK+ NSCLC患者では、ク リゾチニブと比較した場合、ブリガチニブはBIRCによるPFSが優れていた これは、全サブグループで認められ、特にベースラインでCNS疾患を持つ患者においては短期の追跡 調査によるCNS進行への影響が顕著であった ブリガチニブは忍容性が良好で、早期発症肺臓炎(治療開始の14日以内)(ブリガチニブにのみあると 考えられる副作用)はほとんどなかった Camidge R ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.03
OA05.07: IMpower132: 第IV相非扁平上皮NSCLCにおける 1L アテゾリズマブ + カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセドによるPFSと安全性結果 – Papadimitrakopoulou VA ら 試験の目的 EGFRまたはALKドライバー変異のない病期IV非扁平上皮NSCLC患者において、1L ペメトレキセド + カルボプラチン/シスプラチン ± アテゾリズマブを評価する アテゾリズマブ* + カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセド** (4~6サイクル) (n=292) アテゾリズマブ + ペメトレキセドによる維持療法 PD/有用性が認められなくなった時点 主要な患者選択基準 病期IV相非扁平上皮NSCLC 化学療法未施行 非EGFR/ALK遺伝子変異 (n=578) 層別化 性別 喫煙の状態 ECOG PS 化学療法レジメン R 1:1 カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレ キセド**(4~6サイクル) (n=286) ペメトレキセドに よる維持療法 PD/有用性が認められなくなった時点 複数主要エンドポイント 治験責任医師の評価によるPFS、OS 副次的エンドポイント 治験医師による評価のORR、DoR、PRO、安全性 *アテゾリズマブ 1200 mg IV q3w; **カルボプラチン AUC6 mg/mL/min IV q3w または シスプラチン 75 mg/m2 IV q3w + ペメトレキセド 500 mg/m2 IV q3w Papadimitrakopoulou VAら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.07
OA05.07: IMpower132: 第IV相非扁平上皮NSCLCにおける 1L アテゾリズマブ + カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセドによるPFSと安全性結果 – Papadimitrakopoulou VA ら 主な結果 治験責任医師の評価によるPFS HR 0.60 (95%CI 0.49, 0.72); p<0.0001 追跡調査期間の最小値 = 11.7カ月 追跡調査期間の中央値 = 14.8カ月 100 80 アテゾリズマブ* + カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセド カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセド 60 無増悪生存率、% 40 20 5.2カ月 (95%CI 4.3, 5.6) 7.6 カ月 (95%CI 6.6, 8.5) 292 286 1 280 273 2 260 236 3 231 195 4 224 178 5 191 142 6 169 115 7 149 98 8 140 87 9 120 72 10 110 59 11 109 53 12 88 44 13 74 39 14 48 15 43 11 16 31 6 17 26 18 11 3 19 10 20 2 21 22 23 リスクに晒されていた 患者数 アテゾリズマブ + C + P C + P 経過期間、カ月 Papadimitrakopoulou VAら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.07
OA05.07: IMpower132: 第IV相非扁平上皮NSCLCにおける 1L アテゾリズマブ + カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセドによるPFSと安全性結果 – Papadimitrakopoulou VA ら 主要な結果(続き) OS(中間解析) HR 0.81 (95%CI 0.64, 1.03); p=0.0797 最低限の追跡調査:11.7カ月 追跡調査期間の中央値:14.8カ月 100 アテゾリズマブ* + カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセド カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセド 80 60 全生存率、% 40 20 13.6カ月 (95%CI 11.4, 15.5) 18.1カ月 (95%CI 13.0, NE) 292 286 1 284 278 2 273 265 3 258 246 4 252 233 5 239 219 6 228 210 7 212 193 8 202 179 9 194 166 10 187 163 11 179 151 12 168 147 13 140 126 14 107 92 15 79 58 16 62 43 17 48 30 18 32 22 19 23 15 20 10 8 21 7 4 22 1 2 23 経過期間、カ月 リスクに晒されていた患者数 アテゾリズマブ + C + P C + P データ収集終了:2018年5月22日 Papadimitrakopoulou VAら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.07
アテゾリズマブ + カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセド カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセド OA05.07: IMpower132: 第IV相非扁平上皮NSCLCにおける 1L アテゾリズマブ + カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセドによるPFSと安全性結果 – Papadimitrakopoulou VA ら 主要な結果(続き) 結論 病期IV相非扁平上皮NSCLC患者において、1L カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセドへのアテ ゾリズマブ併用によりITT集団において、かつ、主要な臨床サブグループにおいて、mPFSが改善; 中間 データではOSにおける有意な改善は見られなかった アテゾリズマブ + カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセドの併用では、安全性プロファイルが単独療 法のものと一致していた アテゾリズマブ + カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセド (n=291) カルボプラチン/シスプラチン + ペメトレキセド (n=274) あらゆる原因によるAE、n (%) グレード3~4 グレード5 286 (98) 181 (62) 21 (7) 266 (97) 147 (54) 14 (5) TRAE、n (%) 267 (92) 239 (87) SAE、n (%) 134 (46) 84 (31) 試験薬の投与中止につながったAE、n (%) いずれかの投与 アテゾリズマブ 69 (24) 44 (15) 48 (18) AESI、n (%) 141 (49) 104 (38) Papadimitrakopoulou VAら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.07
OA07.01: 局所切除治療(LAT)の完了後の少数転移非小細胞肺癌(NSCLC)のためのペムブロリズマブに関する第II相試験 – Bauml JMら 試験の目的 少数転移NSCLC患者における局所切除治療実施後のペムブロリズマブ施行に関する有効性と安全 性を調査する ペムブロリズマブ 200 mg q3w (6カ月間) 主要な患者選択基準 NSCLC ≦4 転移 (部位を問わない) 治療前歴に限定を設けない PD-(L)1治療歴なし PS 0~1 (n=45) 全ての既知病変部位に対する局所切除治療 SDまたは改善 ペムブロリズマブ 200 mg q3w (6カ月間) PDまたは患者による 選択 治験終了 主要エンドポイント PFS、安全性 副次的エンドポイント OS、QoL Baumi JM ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA07.01
OA07.01: 局所切除治療(LAT)の完了後の少数転移非小細胞肺癌(NSCLC)のためのペムブロリズマブに関する第II相試験 – Bauml JMら 主な結果 1~2人の患者で観察されたグレード3または4のTRAEには、疼痛、呼吸困難、悪心、肺臓炎、大腸 炎、副腎不全が含まれていた 結論 少数転移NSCLC患者において、局所切除治療後のペムブロリズマブは実施可能で、忍容性も良好 であり、この選択的患者サブグループにおいては興味深い生命予後の結果が示されている 無増悪生存率 生存率 根治療法の開始からの経過(カ月) 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 45 6 36 12 28 18 24 10 30 5 4 42 48 PFS中央値:19.1カ月 (95%CI 11.5, 26.7) 全生存率 生存率 根治療法の開始からの経過(カ月) 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 45 6 44 12 39 18 27 24 30 11 36 42 48 OS中央値:NR (95%CI 未規定) リスクに晒 されていた 患者数 リスクに晒 されていた 患者数 Baumi JM ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA07.01
進行NSCLC 根治治療不能の病期IIIおよびIV 第二選択以降
デュルバルマブ 10 mg/kg q2w を最長12カ月間 PL02.01: 病期III相NSCLCにおける化学放射線療法後のデュルバルマブ対プラセボにおける全生存率:PACIFICによる最新結果 – Antonia SJ ら 試験の目的 併用化学放射線療法実施後に進行が認められない病期III相切除不能NSCLC患者において、 デュルバルマブ対プラセボに関するPACIFIC試験に由来するOSに関する複数主要エンドポイントを評 価する デュルバルマブ 10 mg/kg q2w を最長12カ月間 (n=476) 主要な患者選択基準 病期III相切除不能NSCLC 1種類以上のプラチナベース併用化学療法で治療した後進行なし WHO PSスコア 0~1 (n=713) 層別化 性別 年齢 喫煙歴 R 2:1 プラセボ を最長12カ月間 (n=237) 複数主要エンドポイント PFS (RECIST v1.1; BICRによる)、OS 副次的エンドポイント ORR、DoR、TTDM、PFS2(治験責任医師による)、安全性、PRO Antonia SJ ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.01
PL02.01: 病期III相NSCLCにおける化学放射線療法後のデュルバルマブ対プラセボにおける全生存率:PACIFICによる最新結果 – Antonia SJ ら 主な結果 OS (ITT) イベント数/ 患者数(%) OS中央値、カ月(95%CI) デュルバルマブ 183/476 (38.4) NR (34.7, NR) プラセボ 116/237 (48.9) 28.7 (22.9, NR) OS率 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 476 237 3 464 220 6 431 198 9 415 178 12 385 170 15 364 155 18 343 141 21 319 130 24 274 117 27 210 78 30 115 42 33 57 36 23 39 2 1 45 リスクに晒されていた 患者数 デュルバルマブ プラセボ 83.1% 66.3% 55.6% 75.3% 無作為化からの経過期間、カ月 HR 0.68 (99.73%CI 0.469, 0.997); p=0.00251 From NEJM, Antonia SJ, et al., Overall survival with durvalumab after chemoradiotherapy in stage III NSCLC, DOI:10.1056/NEJMoa1809697. Copyright © (2018) Massachusetts Medical Society. Reprinted with permission from Massachusetts Medical Society. Antonia SJ ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.01
PL02.01: 病期III相NSCLCにおける化学放射線療法後のデュルバルマブ対プラセボにおける全生存率:PACIFICによる最新結果 – Antonia SJ ら 主要な結果(続き) BICRによるPFS最新情報(ITT) イベント数/ 患者数(%) PFS中央値、カ月(95%CI) デュルバルマブ 243/476 (51.1) 17.2 (13.1, 23.9) プラセボ 173/237 (73.0) 5.6 (4.6, 7.7) 1.0 HR 0.51 (95%CI 0.41, 0.63) 0.8 55.7% 0.6 49.5% PFS率 0.4 34.4% 0.2 26.7% 0.0 476 237 3 377 163 6 302 106 9 268 86 12 213 67 15 188 55 18 163 46 21 143 39 24 116 32 27 83 24 30 43 10 33 23 5 36 1 39 リスクに晒されていた 患者数 デュルバルマブ プラセボ 無作為化からの経過期間、カ月 From NEJM, Antonia SJ, et al., Overall survival with durvalumab after chemoradiotherapy in stage III NSCLC, DOI:10.1056/NEJMoa1809697. Copyright © (2018) Massachusetts Medical Society. Reprinted with permission from Massachusetts Medical Society. Antonia SJ ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.01
死亡またはBICRによる遠隔 転移に至る期間(TTDM)(ITT、最新情報) PL02.01: 病期III相NSCLCにおける化学放射線療法後のデュルバルマブ対プラセボにおける全生存率:PACIFICによる最新結果 – Antonia SJ ら 主要な結果(続き) 死亡またはBICRによる遠隔 転移に至る期間(TTDM)(ITT、最新情報) 新規部位の発生率 BICRによる(ITT) TTDM中央値、カ月(95%CI) デュルバルマブ 28.3 (24.0, 34.9) プラセボ 16.2 (12.5, 21.1) 部位、n (%) デュルバルマブ(n=476) プラセボ (n=237) いずれかの新規部位 107 (22.5) 80 (33.8) 肺 60 (12.6) 44 (18.6) リンパ節転移 31 (6.5) 27 (11.4) 脳 30 (6.3) 28 (11.8) 肝臓 9 (1.9) 8 (3.4) 骨 8 (1.7) 7 (3.0) 副腎 3 (0.6) 5 (2.1) その他 10 (2.1) 死亡または遠隔転移の確率 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 476 237 3 419 189 6 357 139 9 316 118 12 259 95 15 223 77 18 194 64 21 163 54 24 129 39 27 92 30 46 33 25 5 36 1 無作為化からの経過期間、カ月 TTDM HR 0.53 (95%CI 0.41, 0.68) リスクに晒されていた患者数 デュルバルマブ プラセボ From NEJM, Antonia SJ, et al., Overall survival with durvalumab after chemoradiotherapy in stage III NSCLC, DOI:10.1056/NEJMoa1809697. Copyright © (2018) Massachusetts Medical Society. Reprinted with permission from Massachusetts Medical Society. Antonia SJ ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.01
PL02.01: 病期III相NSCLCにおける化学放射線療法後のデュルバルマブ対プラセボにおける全生存率:PACIFICによる最新結果 – Antonia SJ ら 主要な結果(続き) 結論 病期III相NSCLC患者において、プラセボと比べデュルバルマブはOSにおいて有意で臨床的に意義のあ る改善を示した デュルバルマブによる治療の長期追跡調査後、新たな安全性シグナルは認められなかった デュルバルマブ (n=475) プラセボ (n=234) 治療との因果関係を問わない全てのグレードのAE、n (%) 460 (96.8) 222 (94.9) グレード 3/4 145 (30.5) 61 (26.1) 死亡の転帰 21 (4.4) 15 (6.4) 投与中止につながったAE 73 (15.4) 23 (9.8) 重篤なAE、n(%) 138 (29.1) 54 (23.1) あらゆるグレードの肺臓炎/放射線肺臓炎、n(%) 161 (33.9) 58 (24.8) 17 (3.6) 7 (3.0) 5 (1.1) 5 (2.1) 30 (6.3) 10 (4.3) Antonia SJ ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.01
Poziotinib 16 mg/日 PO (12 または 8 mg への用量漸減許容) OA02.06: EGFRおよびHER2エクソン20変異非小細胞肺がん(NSCLC)におけるPoziotinibの第II相試験 – Heymach JVら 試験の目的 転移性NSCLCおよびEGFRおよびHER2エクソン20に変異または挿入を有する(T790M以外)患者 において、Poziotinibの有効性と安全性を評価する 主要な患者選択基準 転移性NSCLC コホート1: EGFRエクソン20変異(獲得T790M以外) コホート2: HER2エクソン20変異/挿入 全身または標的治療の前歴に制限を設けない (n=50) Poziotinib 16 mg/日 PO (12 または 8 mg への用量漸減許容) PD/死亡/ 毒性 主要エンドポイント ORR(RECIST規準 v1.1に基づく) 副次的エンドポイント PFS、OS、DCR、DoR、安全性 Heymach JV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA02.06
OA02.06: EGFRおよびHER2エクソン20変異非小細胞肺がん(NSCLC)におけるPoziotinibの第II相試験 – Heymach JVら 主な結果 ORRはEGFRおよびHER2エクソン20変異NSCLCにおいてそれぞれ55%と50%であった ≥5%で最もよく見られたグレード3~4のAE発生は、皮膚の発疹(34.9%)、下痢(17.5%)、爪囲炎 (9.5%)、悪心(7.9%)であった 結論 転移性EGFRまたはHER2エクソン20変異NSCLCを持つ、何種類もの治療が施された患者において は、Poziotinibにより抗癌活性と管理可能なEGFR関連AEが示された PFS (ITT解析対象集団) HER2コホートにおけるPFS(n=13) 100 100 PFS中央値 5.5カ月 (95%CI 5.2, NA) PFS中央値 5.1カ月 75 生存率(%) 50 生存率(%) 50 25 5 10 15 2 4 6 8 10 カ月 カ月 Heymach JV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA02.06
MA04.02: Pegilodecakinおよび抗PD-1で治療されたNSCLCにおける奏効と持続期間 – Garon EB ら 試験の目的 治療歴のあるNSCLC患者において、Pegilodecakin(抗原活性化CD8+T細胞の生存と腫瘍内での 拡張を刺激する薬剤)+ ペムブロリズマブまたはニボルマブの有効性と安全性を評価する Pegilodecakin 10–20 mg/日 SC + ペムブロリズマブ 2 mg/kg IV q3w または ニボルマブ 3 mg/kg IV q2w 主要な患者選択基準 NSCLC 治療歴のある (n=34) 主要エンドポイント ORR(RECIST規準 v1.1に基づく) 副次的エンドポイント PFS、OS、DCR、安全性 Garon EBら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr MA04.02
MA04.02: Pegilodecakinおよび抗PD-1で治療されたNSCLCにおける奏効と持続期間 – Garon EB ら 主な結果 5%の患者で発生するグレード3~4のAEには、貧血(17%)、血小板減少症(17%)、倦怠感(17%)、 高トリグリセリド血症(10%)、発熱(6.9%)、斑点状丘疹(6.9%)が含まれていた 結論 治療歴のあるNSCLC患者において、Pegilodecakin + 抗PD-1療法は忍容性が良好で、臨床的に意義のある奏効と長い生存期間が示された 低PD-L1、低TMB、肝臓転移患者で、臨床的ベネフィットが観察された 集団(n=評価可能/登録) mPFS、カ月 mOS、カ月 ORR、% DCR、% Pegilodecakin (n=7/9) 1.8 15.4 - 57 Pegilodecakin + ニボルマブ (n=22/29) NR 41 82 Pegilodecakin + ペムブロリズマブ (n=5/5) 11 32.2 40 100 Pegilodecakin + 抗PD-1 (n=27/34 合計) 85 PD-L1 陰性 (<1%; n=12) 5.7 33 92 PD-L1 低 (1–49%; n=3) 8.9 67 PD-L1 高 (≥50%; n=5) 10.7 80 TMB 低 (≤243 変異/エクソーム; n=8) 10.3 63 TMB 高 (>243 変異/エクソーム; n=2) 7.2 14.1 50 肝転移(n=8) 9.8 12.3 75 Garon EBら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr MA04.02
OA05.01: 抗PD-(L)1療法による治療歴のあるNSCLC患者におけるEntinostat (ENT) とペムブロリズマブ (PEMBRO)の有効性/安全性 – Hellmann MD ら 試験の目的 抗PD-(L)1 療法による治療歴のある再発性/転移性NSCLC患者において、Entinostat(選択的ヒス トンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤)とペムブロリズマブの併用に関する有効性と安全性を評価する 主要な患者選択基準 再発または転移性NSCLC 進行性/転移性において化学療法治療歴あり 抗PD-(L)1療法において進行歴あり PD-L1発現では非選択 ECOG PSスコアが2未満 (n=76) Entinostat 5 mg PO q1w + ペムブロリズマブ 200 mg IV q3w PD/ 死亡/ 毒性 主要エンドポイント ORR (irRECIST) 副次的エンドポイント PFS、OS、安全性 Hellmann MD ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.01
OA05.01: 抗PD-(L)1療法による治療歴のあるNSCLC患者におけるEntinostat (ENT) とペムブロリズマブ (PEMBRO)の有効性/安全性 – Hellmann MD ら 主な結果 Entinostat+ペムブロリズマブによるORRは10%であった(7/72患者、95%CI 4, 19) DoR中央値は5.3月間であった 7 (9.2%) 人の患者がグレード3/4関連のirAEを経験:3人肺臓炎、3人大腸炎、 1人甲状腺機能亢進症 結論 PD-(L)1阻害剤で進行したNSCLC患者において、Entinostat +ペムブロリズマブは忍容性と抗癌活 性が優れ、前治療によるPD-L1発現および以前のPD-1阻害剤に対する奏効とは無関係であった 65 50 35 20 5 ベースラインからの変化率、% –10 –25 –40 –55 –70 PD SD PR 確定 –85 –100 Hellmann MD ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.01
OA05.03: NSCLCにおける腫瘍浸潤リンパ球(TIL)+ニボルマブを用いた養子免疫細胞移植に関する安全性と臨床活性 – Creelan BC ら 試験の目的 病期IV相NSCLC患者において、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた養子免疫細胞移植+ニボルマブの 活性と安全性を評価する PR/臨床的ベネフィット ニボルマブ q4w 1年間 主要な患者選択基準 病期IV NSCLC 安全に切除可能な確定転移 RECIST測定可能病変 ≥5種治療歴 コルチコステロイド剤未使用 (n=13) TIL生成部位切除; ニボルマブ 240 mg q2w, 4回投与 シクロホスファミド 60 mg/kg + メスナ D–7、–6 その後フルダラビン 25 mg/m2 D–5 ~ –1; D0 TIL 注入 (≥20·109–1010 CD3+ 細胞); IL-2 IV* D6まで; ニボルマブ 480 mg q4w D29から最大1年 PD/SD 主要エンドポイント 安全性/忍容性 副次的エンドポイント 有効性、PK、PD、腫瘍プロテオミクス、全エクソームシーケンシング、トランスクリプトミクス *IL-2 中用量:18 miU/m2 6、12、24時間 その後4.5 miU/m2 24時間 x 3) on D1–6 Creelan BC ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.03
シクロホスファミド、フルダラビン、TILおよび/またはIL-2と関連のあるAE OA05.03: NSCLCにおける腫瘍浸潤リンパ球(TIL)+ニボルマブを用いた養子免疫細胞移植に関する安全性と臨床活性 – Creelan BC ら 主な結果 TIL後の何らかの治療に起因するAE 100 シクロホスファミド、フルダラビン、TILおよび/またはIL-2と関連のあるAE (n=10) 80 最悪グレードイベント、% 60 40 20 白血球減少 貧血 発熱 悪心 低酸素症 下痢 低血圧 洞頻脈 食欲不振 脱水 嚥下障害 呼吸困難 悪寒 肺水腫 急性腎障害 四肢浮腫 胃炎 嘔吐 リンパ球数減少 低リン酸血症 好中球数減少 血小板数減少 高カリウム血症 浮動性めまい そう痒 低カリウム血症 ざ瘡様皮疹 脳卒中 高血糖症 肺感染 精神錯乱 高血圧 疼痛 低アルブミン血症 低ナトリウム血症 低カルシウム血症 INR上昇 高マグネシウム血症 クレアチニン上昇 甲状腺機能低下症 非心臓性胸痛 尿路感染症 体重減少 腹痛 結膜炎 便秘 抑うつ ドライアイ 口内乾燥 皮膚乾燥 味覚障害 頭痛 生殖器の浮腫 月経過多 口腔粘膜炎 振戦 尿失禁 尿意切迫感 蕁麻疹 喘鳴 アルカリホスファターゼ上昇 感染症および寄生虫症 呼吸器、胸部、縦隔疾患 血中ビリルビン増加 高ナトリウム血症 低マグネシウム血症 高ナトリウム血症 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ上昇 アラニンアミノトランスフェラーゼ上昇 ECG QT 補正間隔延長 グレード 1 2 3 4 5 Creelan BC ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.03
OA05.03: NSCLCにおける腫瘍浸潤リンパ球(TIL)+ニボルマブを用いた養子免疫細胞移植に関する安全性と臨床活性 – Creelan BC ら 主要な結果(続き) 結論 TIL+ニボルマブは忍容性に優れていた ニボルマブで急速な進行が認められたが、TILにより腫瘍サイズの減少が認められた。 奏効程度と奏効期間 事前TIL TIL後 ニボルマブ TIL、IL2 ニボルマブによる維持療法 PR –60 –40 –20 20 40 60 80 PR –80 –60 –40 –20 20 40 60 80 PD PD ニボルマブ ニボルマブ TIL、IL2 事前TILに対する腫瘍サイズの変化(%) 腫瘍サイズにおけるベースラインからの変化(%) 初回ニボルマブからの期間、日 TIL開始からの期間、日 30 60 90 120 150 180 30 60 90 120 150 180 210 Creelan BC ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.03
OA05.05: 治療歴のある進行性NSCLCに対するアベルマブとドセタキセルの比較:JAVELIN Lung 200第III相試験の主要解析 – Barlesi Fら 試験の目的 治療歴のある進行性NSCLC患者においてドセタキセルと比較しアベルマブの有効性および安全性を調 査する PD/ 毒性/ 中止 アベルマブ 10 mg/kg IV q2w (PD-L1+ n=264) (全患者 n=396) 主要な患者選択基準 病期IIIB/IVのNSCLC プラチナ製剤2剤併用療法後のPD (n=792) 層別化 PD-L1 ステータス (PD-L1+ vs. PD-L1-) 組織学的分類 (扁平上皮型 vs. 非扁平上皮型) R 1:1 PD/ 毒性/ 中止 ドセタキセル 75mg/m2 q3w (PD-L1+ n=265) (全患者 n=396) 主要エンドポイント PD-L1+ 集団でのOS* 副次的エンドポイント OS(全患者)、最良総合効果、PFS、QOL、安全性 *腫瘍細胞の≥1%での発現(PD-L1 IHC 73-10 pharmDx) Barlesi F ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.05
OA05.05: 治療歴のある進行性NSCLCに対するアベルマブとドセタキセルの比較:JAVELIN Lung 200第III相試験の主要解析 – Barlesi Fら 主な結果 PD-L1+ 集団でのOS アベルマブ (n=264) ドセタキセル (n=265) 中央値(95%CI)、カ月 11.4 (9.4, 13.9) 10.3 (8.5, 13.0) 層別化HR(96%CI) 0.90 (0.72, 1.12) 層別化p値(片側検定) 0.1627 追跡調査期間の中央値、カ月間(範囲) 18.9 (0.2–29.2) 17.8 (0.0–28.5) 100 80 60 OS、% 40 20 アベルマブ ドセタキセル 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 リスクに晒されていた 患者数 治療開始からの期間、カ月 アベルマブ 264 218 172 150 109 73 52 29 16 5 ドセタキセル 265 210 160 132 94 65 38 18 10 2 Barlesi F ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.05
中/高PD-L1+サブグループのOS(事前に計画された解析) OA05.05: 治療歴のある進行性NSCLCに対するアベルマブとドセタキセルの比較:JAVELIN Lung 200第III相試験の主要解析 – Barlesi Fら 主要な結果(続き) 結論 JAVELIN Lung 200試験において、カットオフが≥1%で、PD-L1発現が認められた腫瘍を持つ治療歴 のある進行性NSCLC患者においては、アベルマブによりドセタキセルに比べ主要エンドポイントは満たさ れず、OS改善に失敗 中/高PD-L1+サブグループのOS(事前に計画された解析) ≥50% PD-L1+ ≥80% PD-L1+ アベルマブ (n=168) ドセタキセル(n=147) 中央値(95%CI)、カ月 13.6 (10.1, 18.5) 9.2 (5.8, 12.4) 非層別化HR(95%CI) 0.67 (0.51, 0.89) 非層別化p値(両側検定) 0.0052 アベルマブ(n=120) ドセタキセル(n=106) 中央値(95%CI)、カ月 17.1 (10.6, 25.0) 9.3 (5.8, 13.1) 非層別化HR(95%CI) 0.59 (0.42, 0.83) 非層別化p値(両側検定) 0.0022 100 100 80 80 60 60 OS、% OS、% 40 40 20 アベルマブ ドセタキセル 20 アベルマブ ドセタキセル リスクに晒 されていた 患者数 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 治療開始からの期間、カ月 治療開始からの期間、カ月 アベルマブ 168 145 117 102 76 52 38 23 12 4 120 105 85 77 59 43 31 21 12 4 ドセタキセル 147 110 80 71 50 37 20 11 6 1 106 77 58 52 35 26 14 8 4 Barlesi F ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA05.05
OA12.01: 進行性NSCLCおよびMETエクソン14スキップ変異のある患者におけるMET阻害剤テポチニブの第II相データ – Felip E ら 試験の目的 進行性NSCLCおよびMETエクソン14スキップ変異のある患者において、経口選択的MET阻害剤であ るテポチニブの有効性と安全性を評価する 主要な患者選択基準 進行/転移性NSCLC NGSによるMETエクソン14スキップ変異陽性 EGFR活性変異またはALK再構成なし 1L、2L、3L治療 テポチニブ 500 mg/日 (n=46; 中間解析) 主要エンドポイント ORR (RECIST v1.1; 独立審査) 副次的エンドポイント 安全性、治験医師による評価のORR、DoR、PFS、OS Felip E ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA12.01
OA12.01: 進行性NSCLCおよびMETエクソン14スキップ変異のある患者におけるMET阻害剤テポチニブの第II相データ – Felip E ら 主な結果 結論 この中間解析では、進行性NSCLCおよびMETエクソン14スキップ変異のある患者において、テポチニブ により活性の兆候が示されている テポチニブは全般的に忍容性に優れていた。もっともよく見られた副作用は末梢性浮腫と下痢であった。 両者とも軽度~中等度であった L+ (n=24) T+ (n=32) 複合(n=40) 奏効、n (%) IRC 治験責任医師 CR PR SD PD 評価不能 0 (0) 11 (45.8) 4 (16.7) 6 (25.0) 3 (12.5) 2 (8.3) 14 (58.3) 12 (37.5) 9 (28.1) 6 (18.8) 5 (15.6) 2 (6.3) 15 (46.9) 4 (12.5) 14 (35.0) 11 (27.5) 8 (20.0) 7 (17.5) 2 (5.0) 21 (52.5) 6 (15.0) 5 (12.5) ORR, n (%) [95%CI] 11 (45.8) [25.6, 67.2] 16 (66.7) [44.7, 84.4] 12 (37.5) [21.1, 56.3] 17 (53.1) [34.7, 70.9] 14 (35.0) [20.6, 51.7] 23 (57.5) [40.9, 73.0] DCR, n (%) [95%CI] 15 (62.5) [40.6, 81.2] 18 (75.0) [53.3, 90.2] 21 (65.5) [46.8, 81.4] 23 (71.9) [53.3, 86.3] 25 (62.5) [45.8, 77.3] 29 (72.5) [56.1, 85.4] L+、ctDNAで陽性、T+、腫瘍で陽性、併合、 MET変異に関しctDNAと腫瘍で陽性 Felip E ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA12.01
SCLC、悪性中皮腫および胸腺上皮性腫瘍 他の悪性腫瘍 SCLC、悪性中皮腫および胸腺上皮性腫瘍
アテゾリズマブ 1200 mg IV q3w + カルボプラチン + エトポシド PL02.07: IMpower 133: 進展期SCLCでの1L アテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシドのPH1/3試験における主要PFS、OS、安全性 – Liu SV ら 試験の目的 進展期のSCLCにおける1L アテゾリズマブ/プラセボ+カルボプラチン+エトポシドの有効性と安全性を 評価する アテゾリズマブ 1200 mg IV q3w + カルボプラチン + エトポシド (n=201) アテゾリズマブによる維持療法 PD/有用性が認められなくなった時点 主要な患者選択基準 測定可能な進展期SCLC 全身療法の治療歴がないこと 治療された非症候性脳転移は適格とされた ECOGのPSスコアが0~1 (n=403) 層別化 性別(男性対女性) ECOGのPSスコア(0 vs. 1) 脳転移 (あり vs. なし) R 1:1 プラセボ + カルボプラチン + エトポシド (n=202) プラセボ PD/有用性が認められなくなった時点 複数主要エンドポイント OS、治験責任医師の評価によるPFS 副次的エンドポイント ORR、DoR、安全性 カルボプラチン AUC 5 mg/mL/min IV q3w; エトポシド 100 mg/m2 IV D1–3 q3w Liu SV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.07
PL02.07: IMpower 133: 進展期SCLCでの1L アテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシドのPH1/3試験における主要PFS、OS、安全性 – Liu SV ら 主な結果 OS アテゾリズマブ + CP/ET (n=201) プラセボ + CP/ET (n=202) OS イベント、n (%) 104 (51.7) 134 (66.3) OS中央値、カ月(95%CI) 12.3 (10.8, 15.9) 10.3 (9.3, 11.3) HR (95%CI) 0.70 (0.54, 0.91); p=0.0069 追跡調査期間の中央値、カ月間 13.9 100 80 60 40 20 12カ月OS 51.7% 全生存率、% アテゾリズマブ + CP/ET 38.2% プラセボ + CP/ET + 打ち切り時点 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 リスクに晒されていた患者数 アテゾリズマブ 201 191 187 182 180 174 159 142 130 121 108 92 74 58 46 33 21 11 5 3 2 1 プラセボ 202 194 189 186 183 171 160 146 131 114 96 81 59 36 27 13 8 カ月 From NEJM, Horn L, et al., First-line atezolizumab plus chemotherapy in extensive-stage small-cell lung cancer, DOI:10.1056/NEJMoa1809064. Copyright © (2018) Massachusetts Medical Society. Reprinted with permission from Massachusetts Medical Society. Liu SV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.07
PL02.07: IMpower 133: 進展期SCLCでの1L アテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシドのPH1/3試験における主要PFS、OS、安全性 – Liu SV ら 主要な結果(続き) 治験責任医師の評価によるPFS アテゾリズマブ + CP/ET (n=201) プラセボ + CP/ET (n=202) PFSイベント、n(%) 171 (85.1) 189 (93.6) PFS中央値、カ月(95%CI) 5.2 (4.4, 5.6) 4.3 (4.2, 4.5) HR (95%CI) 0.77 (0.62, 0.96); p=0.017 追跡調査期間の中央値、カ月間 13.9 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 100 80 60 40 6カ月PFS 無増悪生存率、% 30.9% 12カ月PFS アテゾリズマブ + CP/ET プラセボ + CP/ET 12.6% + 22.4% 打ち切り時点 5.4% カ月 リスクに晒されていた患者数 アテゾリズマブ 201 190 178 158 147 98 58 48 41 32 29 26 21 15 12 11 3 2 1 プラセボ 202 193 184 167 80 44 30 25 23 16 9 6 5 From NEJM, Horn L, et al., First-line atezolizumab plus chemotherapy in extensive-stage small-cell lung cancer, DOI:10.1056/NEJMoa1809064. Copyright © (2018) Massachusetts Medical Society. Reprinted with permission from Massachusetts Medical Society. Liu SV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.07
PL02.07: IMpower 133: 進展期SCLCでの1L アテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシドのPH1/3試験における主要PFS、OS、安全性 – Liu SV ら 主要な結果(続き) ORR DOR CR CR/PR SD PD 70 60 50 40 30 20 10 アテゾリズマブ + CP/ET プラセボ + CP/ET 奏効期間 アテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシド (n=121) プラセボ + カルボプラチン + エトポシド (n=130) 持続期間中央値、カ月(範囲) 4.2 (1.4–19.5) 3.9 (2.0–16.1) HR (95%CI) 0.70 (0.53, 0.92) 6カ月無イベント率、% 32.2 17.1 12カ月無イベント率、% 14.9 6.2 持続的奏効を示す患者、n(%) 18 (14.9) 7 (5.4) 奏効率、% Liu SV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.07
アテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシド (n=198) プラセボ + カルボプラチン + エトポシド (n=196) PL02.07: IMpower 133: 進展期SCLCでの1L アテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシドのPH1/3試験における主要PFS、OS、安全性 – Liu SV ら 主要な結果(続き) 結論 進展期SCLCを持つ患者において、1L療法のアテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシドはOSについ て臨床的に意義のある改善を示した アテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシドに関し新たな安全性の所見は認められず、免疫関連AEの 発生はアテゾリズマブ単剤療法でのものと同等であった 進展期SCLC患者において、アテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシドは潜在的な新規1L標準治 療となりうる 患者、n(%) アテゾリズマブ + カルボプラチン + エトポシド (n=198) プラセボ + カルボプラチン + エトポシド (n=196) 1つ以上のAEを示す合計患者数 198 (100) 189 (96.4) 1つ以上のグレード 3–4 AEを示す患者数 133 (67.2) 125 (63.8) 治療関連AE 188 (94.9) 181 (92.3) 重篤なAE 74 (37.4) 68 (34.7) 免疫関連AE 79 (39.9) 48 (24.5) 治療中止につながったAE 22 (11.1) 6 (3.1) 治療関連死 3(1.5) Liu SV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.07
PL02.09: 切除不能なMPM患者におけるニンテダニブ+ペメトレキセド/シスプラチン LUME-Meso第III相試験の結果 – Scagliotti GV ら 試験の目的 切除不能なMPM患者において、ペメトレキセド/シスプラチン併用ニンテダニブ、その後ニンテダニブによる 維持療法実施の有効性と安全性を評価する ニンテダニブ 200mg bid* + ペメトレキセド/シスプラチン** (n=229) ニンテダニブ維持療法 PD 主要な患者選択基準 組織学的検査により確定診断された切除不能な上皮型MPM 余命 ≥3カ月 全身化学療法の施行歴なし (n=458) R 1:1 プラセボ + ペメトレキセド/シスプラチン** (n=229) プラセボ PD 主要エンドポイント 治験責任医師の評価によるPFS 副次的エンドポイント OS、安全性 *D2–21に実施; **500 mg/m2 と 75 mg/m2 IV q3w. 最長治療期間:6サイクル Scagliotti GV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.09
PL02.09: 切除不能なMPM患者におけるニンテダニブ+ペメトレキセド/シスプラチン LUME-Meso第III相試験の結果 – Scagliotti GV ら 主な結果 治験医師の評価によるPFS 100 ニンテダニブ プラセボ PFSイベント、n(%) 126 (55) 124 (54) PFS中央値、カ月(95%CI) 6.8 (6.1, 7.0) 7.0 (6.7, 7.2) HR (95%CI);P値(両側) 1.01 (0.79, 1.30); p=0.914 80 60 生存率 および無増悪率の推定 独立中央審査による所見確定: HR 0.99 (95%CI 0.77, 1.28); p=0.963 40 20 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 リスクに晒されていた 患者数 無作為化からの経過期間、カ月 ニンテダニブ 229 213 190 162 158 129 86 57 44 28 15 13 9 5 2 1 プラセボ 216 163 152 126 62 49 26 14 6 4 3 Scagliotti GV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.09
試験後の治療は群間において比較的バランスがとれていた PL02.09: 切除不能なMPM患者におけるニンテダニブ+ペメトレキセド/シスプラチン LUME-Meso第III相試験の結果 – Scagliotti GV ら 主要な結果(続き) OS(中間解析) 100 試験後の治療は群間において比較的バランスがとれていた 80 60 生存率の推定 ニンテダニブ プラセボ OS イベント、n (%) 64 (28) 63 (28) OS中央値、カ月(95%CI) 14.4 (12.2, 17.9) 16.1 (13.7, 19.3) HR (95%CI);P値(両側) 1.12 (0.79, 1.58); p=0.538 40 20 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 リスクに晒されていた 患者数 無作為化からの経過期間、カ月 ニンテダニブ 229 222 208 195 179 160 146 128 113 90 71 57 44 33 24 18 12 8 5 3 1 プラセボ 226 215 196 185 165 143 127 110 99 77 65 53 32 25 19 15 10 4 Scagliotti GV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.09
PL02.09: 切除不能なMPM患者におけるニンテダニブ+ペメトレキセド/シスプラチン LUME-Meso第III相試験の結果 – Scagliotti GV ら 主要な結果(続き) 結論 切除不能MPM患者において、ニンテダニブとプラセボでは、治験医師により評価されたPFSには差がな く、これは独立中央審査により確認された ニンテダニブの安全性プロファイルはこれまでの知見と一致していた 総合的なAE発生率(グループ語) ニンテダニブにおいてより多く見られ、かつ、≥15%の患者で発生したAE(グレードを問わない) グレード: 1 2 ≥3 ニンテダニブ プラセボ 患者、% 悪心 下痢 好中球減少症 嘔吐 感染症 電解質不均衡 肝臓関連検査 発疹 ALT増加 腹痛 AST増加 Scagliotti GV ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr PL02.09
OA08.03: 治療歴のある悪性中皮腫(MM)におけるペムブロリズマブの第II相試験(NCT02399371):最終解析 – Desai A ら 試験の目的 非選択中皮腫患者集団におけるペムブロリズマブの有効性と安全性を調査し、腫瘍奏効と関係のある PD-L1発現に関する最適閾値を決定する 主要な患者選択基準 組織学的に確認された胸膜/腹膜中皮腫 ペメトレキセドおよびプラチナム治療中/治療後のPD ≤2細胞毒性レジメン実施歴 保存/新鮮組織を提供可能 ECOGのPSスコアが0~1 (n=64) ペムブロリズマブ 200 mg q3w 主要エンドポイント 非選択およびPD-L1集団のORR PD-L1発現の最適閾値(22C3 IHC腫瘍細胞/ 腫瘍比率スコア[TPS]) 副次的エンドポイント 非選択かつ PD-L1集団におけるDCR、PFS、OS、PD-L1発現患者の比率、毒性 Desai A ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA08.03
OA08.03: 治療歴のある悪性中皮腫(MM)におけるペムブロリズマブの第II相試験(NCT02399371):最終解析 – Desai A ら 主な結果 結論 中皮腫患者において、ペムブロリズマブに対する奏効はPD-L1発現に関わらず観察された 高い(≥50%)PD-L1発現を示す患者において、より高い奏効率と長いPFSが観察された 中皮腫患者において、PD-PD-L1発現はペムブロリズマブに対する奏効予測のバイオマーカーになりうる 非選択(n=64) PR、n (%) 14 (22) SD、n (%) 26 (41) DCR、n (%) 40 (63) DoR中央値、カ月 11.7 PFS中央値、カ月 4.1 OS中央値、カ月 11.5 PD-L1発現ごとの 転帰 (PD-L1 TPS) なし (0%) (n=28) 低 (1–49%) (n=20) 高 (≥50%) (n=14) P値 奏効率、% 7 25 43 0.021 PFS中央値、カ月 2.8 4.1 4.9 0.034 OS中央値、カ月 9.9 10 12.5 0.50 Desai A ら J Thorac Oncol 2018;13(suppl):Abstr OA08.03