5.2 半波長アンテナ 5.2.1半波長アンテナ 同一方向に置かれた長さλ/4の2つの導体で構成される。 導体の直径が十分小さい(d<<λ)とすればアンテナ上の電流分布は正弦波状とみなせる。 アンテナ軸をz方向に取ると I0は給電部(z=0)の電流 5.2.2半波長アンテナの放射特性 [1] 放射界 半波長アンテナは微小ダイポールの集合。 半波長アンテナの放射界は,長さがdzで電流がI(z)の微小ダイポールの放射界を全長(-λ/4≤z≤λ/4)にわたって合成する。
原点から観測点Pまでの距離rとし,原点からzの距離にある微小ダイポールdzを考え,観測点までの距離をrzとする。 半波長アンテナの放射界 r’の近似式を位相項のみ適用し、分母はrで近似して積分をする。
部分積分法を適用 のとき のとき [ ]の値は よって
[2] 放射電力 半波長アンテナの放射界のポインチング電力 半波長アンテナの放射電力
MATLABを使った数値積分 [3] 放射抵抗 [4] 指向性係数 式5.13より Q = quad(@myfun2,0,pi) function y = myfun2(x) y = cos(pi/2*cos(x)).^2./sin(x); Q =1.2188 Scilab integrate('cos(%pi/2*cos(x))^2/sin(x)','x',0,%pi) [3] 放射抵抗 [4] 指向性係数 式5.13より
例題5.3:半波長アンテナの最大放射方向で40kmはなれた地点での電界強度が1[mV/m]のとき放射電力Wrと給電点電流I0を求める。 [5] 最大放射方向の電界強度 半波長アンテナの最大放射方向は 式(5.13)に式(5.16)を代入 微小ダイポール 5.13 5.19 例題5.3:半波長アンテナの最大放射方向で40kmはなれた地点での電界強度が1[mV/m]のとき放射電力Wrと給電点電流I0を求める。 式(5.19)から 式(5.16)から
5.2.3 実効長 アンテナと電流分布が作る面積に等しい長方形を考える。 長方形の高さ(実効長)は 実効長は線状アンテナを微小ダイポールに置き換えたときの 微小ダイポールの長さ。実効長が与えられると線状アンテナの 最大放射方向の電界強度は式(5.3)から 半波長アンテナの実効長
5.2.4 入力インピーダンスと放射インピーダンス 入力インピーダンス:給電点からアンテナを見たインピーダンス 入力抵抗:放射抵抗Rr+損失抵抗Rl 入力リアクタンス:静電界や誘導電磁界により アンテナ周囲に無効電力として蓄えられたエネ ルギーに対応する放射リアクタンスXr+アンテナ 自身のリアクタンスXl 放射インピーダンス 半波長アンテナの入力インピーダンス アンテナ長をλ/2より少し短くすると放射リアクタンスが0になる