原子核の質量 B (束縛エネルギー) 束縛エネルギー *束縛エネルギーが大きいほど安定(質量が軽い)

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荷電粒子の物質中でのエネルギー損失と飛程
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原子核の質量 B (束縛エネルギー) 束縛エネルギー *束縛エネルギーが大きいほど安定(質量が軽い)

B/A (核子あたりの束縛エネルギー)の実験データ

半経験的質量公式 (Bethe-Weizacker 質量公式: 液滴模型) 体積エネルギー: 表面エネルギー: クーロン・エネルギー: 対称エネルギー:

原子核が変形するとどうなるか? 原子核:密度を変化させるのに大きなエネルギーが必要 体積を変化させないように原子核を変形させる 回転楕円体 b a 体積項、対称項:変化せず 表面項:損をする(表面積が大きくなるため) クーロン項:得をする(平均的な陽子間距離が大きくなるため)

原子核の表面振動 *原子核が安定に存在するためには x < 1 が必要 (fissility パラメーター)

原子核の表面振動 *原子核が安定に存在するためには x < 1 が必要 (fissility パラメーター) 極小点まわり のゆらぎ

集団振動 b a 一般的に, (回転楕円体は l = 2, m = 0 に相当) 量子化: 調和振動子 (note) 慣性能率      非圧縮性渦なし流体

λ=2: 四重極型振動 λ=3: 八重極型振動

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Y33 型振動 Y30 型振動 Y31 型振動 Y32 型振動 λ=3, μ = +/- 3 λ=3, μ = 0 λ=3, μ = +/- 1 λ=3, μ = +/- 2 どのくらいのエネルギーを与えれば原子核は振動しはじめるのか? 振動の励起エネルギー ムービー:在田謙一郎氏(名古屋工大)

2重フォノン状態 1.282 MeV 4+ 1.208 MeV 2+ 1.133 MeV 0+ 0.558 MeV 2+ 0+ 114Cd