私の立場 OSカーネルを手がけるエンジニア 大阪市立大学 創造都市研究科の学生

Slides:



Advertisements
Similar presentations
TCP/IP によるチャットプログラ ム 薄井 秀晃. 基礎知識編 TCP/IP とは? IP とは・・・ Internet Protocol の略称であり通信方法の技術的なルールで あり、実際にデータを送受信する前にデータを小さなデータ に分割し、それに発信元と受信先の IP アドレスを付加させて.
Advertisements

NetAgent P2P検知技術 NetAgent.
情報基礎A 情報科学研究科 徳山 豪.
パーソナル・アーカイブのための 自律分散型データ共有システムの設計
最新ファイルの提供を保証する代理FTPサーバの開発
安全・安心なネット生活を送るためのネットワークセキュリティ
分散コンピューティング環境上の Webリンク収集システムの実装
ネットワークアーキテクチャ 第10回(2003/12/15) 「P2Pとオーバレイネットワーク」
複数のコンピュータ(ノード)を一群にまとめて、信頼性や処理性能の向上を実現するシステム
「コンピュータと情報システム」 07章 インターネットとセキュリティ
P,Q比が変更可能なScaLAPACKの コスト見積もり関数の開発
ネットワークの基礎技術.
情報処理1 1.インターネット利用の基礎.
WindowsNTによるLAN構築 ポリテクセンター秋田 情報・通信系.
モバイルエージェントの応用 概要 モーバイルエージェントの応用分野 AgentSpaceシステム エージェント移動 応用:ソフトウェアの配信
インターネット メールサーバ DNSサーバ WWWサーバ ファイアウォール/プロキシサーバ クライアント.
講義日程予定 第 1 回 「ガイダンス」 第 2 回 「ユビキタスシティ検討ワーキング中間とりまとめ」
ネットワークアーキテクチャ 第10回(2003/12/15) 「P2Pとオーバレイネットワーク」
IPマルチキャスト通信とXcast 早稲田大学後藤研究室 Xcast班.
トランスポート層.
PlanetLab における 効率的な近隣サーバ選択法
ネットワーク機器接続 2SK 情報機器工学.
ノードの情報を動的に反映したオーバレイネットワークの構築
ノードの情報を動的に反映したオーバレイネットワークの構築
ネットワークとノードの情報を利用したオーバレイネットワークの最適化
「コンピュータと情報システム」 06章 通信ネットワーク
第2章 第1節 情報通信の仕組み 1 ネットワークの仕組み 2 通信プロトコル 3 認証と情報の保護
モバイルP2Pを用いた携帯電話 動画配信手法の提案 第3回
IPv6アドレスによる RFIDシステム利用方式
平成21年度「新世代ネットワークサービス基盤構築技術に関する研究開発 〜ネットワーク『見える化』の実現にむけて〜」の開発成果について
MPIによる行列積計算 情報論理工学研究室 渡邉伊織 情報論理工学研究室 渡邉伊織です。
情報検索概説II(99秋) 第3回 1999/10/21 インターネットの仕組み(2).
コンピュータとネットワークの利用 国際経営学科 牧野ゼミ3年 足立龍哉.
SensorML Sensor Modeling Language
型付きアセンブリ言語を用いた安全なカーネル拡張
ECN sada 親 makoto, hitomi
IPv6 ネットワークにおける エニーキャスト通信実現のための プロトコル設計と実装
大阪大学 大学院情報科学研究科 博士前期課程2年 宮原研究室 土居 聡
SOAP/UDDI/WSDLによるB2Bシステム構築の一事例
グリッド M1 kawai.
2009年度卒業論文発表 CDNコンテンツサーバの動的負荷分散
IPアドレスについて      発表者  M3KI.
ネットワークの基礎知識 電子制御設計製図Ⅰ   2014年5月2日 Ⅲ限目.
12/14 全体ミーティング 米澤研究室卒論生 山崎孝裕
卒論進捗発表(1) 10/ 山崎孝裕.
インターネットにおける真に プライベートなネットワークの構築
学内環境におけるP2Pアプリケーションの構築
P2P概説 P2P概説 第2回 /
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
Internet広域分散協調サーチロボット の研究開発
自己組織化能力を持ったCPU群による群衛星システムのタスクマネジメントに関する研究
JXTA Shell (1) P2P特論 (ソフトウェア特論) 第4回 /
インターネットにおける パーソナルネットワークの構築
オブジェクトストレージ(SDS)と ネットワークの仮想化技術(SDN)の 活用方法について
モバイルP2Pを用いた携帯電話 動画配信手法の提案 第2回 FM10019 種田研究室 古江和栄
最低限インターネット ネットワークにつなぎましょ!
仮想環境を用いた 侵入検知システムの安全な構成法
Peer-to-Peerシステムにおける動的な木構造の生成による検索の高速化
福岡工業大学 情報工学部 情報工学科 種田研究室 于 聡
平成21年度「新世代ネットワークサービス基盤構築技術に関する研究開発 〜ネットワーク『見える化』の実現にむけて〜」の開発成果について
「マイグレーションを支援する分散集合オブジェクト」
Amicus: A Group Abstraction for Mobile Group Communications
担当:青木義満 情報工学科 3年生対象 専門科目 システムプログラミング 第11回 プロセス間通信4 仮想FTPの実現 担当:青木義満
異種セグメント端末による 分散型仮想LAN構築機構の設計と実装
MAUI Project 2009 インターネットにおける近接性
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 修士課程 2年 間 博人
JXTA総まとめ P2P特論 最終回 /
P2P & JXTA Memo For Beginners
情報ネットワーク 岡村耕二.
インセンティブにより自律ユーザに 高品質なオーバーレイマルチキャスト木を 構築させるプロトコルの提案
Presentation transcript:

私の立場 OSカーネルを手がけるエンジニア 大阪市立大学 創造都市研究科の学生 UNIXのポーティングやドライバ作成、 システム・プリミティブの追加などを仕事にしていました 分散システムの試作開発などの経験もあります 大阪市立大学 創造都市研究科の学生 博士課程に在籍中です 構造化オーバーレイの応用を研究しています IIJ Innovation Institute の研究員です 同社が行った技術開発公募の合格者です 2010年7月までの起業を目標にしています

私の主張 アプリケーションやサービスの並列化は不回避な技術的トレンド P2Pはスケール・アウトを統一的に扱えるアーキテクチュア プロセッサ・レベルではマルチ・コア指向 サーバーは負荷分散や信頼性向上のためにクラスタ化 大規模データを低コストで処理できるGoogleアプローチが注目を集める → クラウド・コンピューティングの出発点? P2Pはスケール・アウトを統一的に扱えるアーキテクチュア 1台であっても100万台であっても同じアプリケーションが動く → オーバーレイ・ネットワークの効用 センターレスでも強大なインフラストラクチュアが構築可能 → ノン・プロフィットなサービスにも活用できる パフォーマンスや信頼性・信用性の確保はP2Pの研究課題 P2Pが商用サービスに耐え得るアーキテクチュアを獲得するためには? きっと何かが必要なのだろう・・・ Webサービス連携の方法はヒントにならないだろうか?

Peer to Peer (P2P)とは 非常に簡単に説明すると・・・ これまでの事例 ネットワーク・アーキテクチュアの1つ 構成要素は対等の関係にあり中央集権的な存在がない 要素間のアドホックな接続によりアプリケーションやサービスを維持する これまでの事例 メッセージ共有ネットワークとしてのP2P Usenet(1979), WWIVnet(1987) データ共有アプリケーションとしてのP2P Napster (1999), Gnutella(2000), BitTorrent(2001), WinMX(2001) Winny(2002), Share(2004) 分散システムのビルディング・ブロックとしてのP2P(構造化オーバーレイ) Chord(2001), Pastrey(2001), Tapestry(2001)

オーバーレイ・ネットワーク 他のネットワークの上に構築される論理的なネットワーク 参加者(ノード)は他者とネットワークを形成していると見えるが 実際のノード間の通信には下位ネットワークの機能が使われる P2Pネットワークはインターネットを下位ネットワークとする オーバーレイ・ネットワークと理解することができる オーバーレイ・ネットワーク導入のメリット → IPアドレスを伴わないルーティング・メッセージを許容する IPアドレスがネットワーク・アクセスから隠蔽される ネットワーク・トポロジの動的変化への対応が容易になる IPルーターへの機能強化が必要ない エンドユーザーが欲しいのはリモート・データやリモート・ジョブの結果であって、 相手がどんなノードかは気にしない。

構造化オーバーレイ ネットワーク構造がアルゴリズムで決定されるオーバーレイ・ネットワーク ハッシュ関数によるリング構造のネットワークを形成する事例が多い → SHA-1を使用した場合は160ビットのハッシュ空間を形成する ネットワークに参加するノードも格納されるデータもハッシュ値で識別する データを格納するノードはハッシュ値計算により決定される データの参照に必要なのはデータ識別子のみ(ノード情報は要らない) ノードはサービスを維持するために自律的に挙動する ネットワーク構造を維持するため他ノードおよび接続の情報を収集する 自律的にデータのキャッシングを行って性能改善と信頼性向上を図る

通常のWebサーバーとの通信 クライアントはサーバーのIPアドレスやドメイン名を指定する http://160.193.95.36/xxx.html

仮想Webサーバーに対する通信 クライアントはドメイン名を指定して仮想サーバーに接続 サーバー・サイドはロードバランサー等で動的に実際のサーバーを割り当てる http://xxx.info.gscc.osaka-cu.ac.jp/xxx.html

オーバーレイ・ネットワークでの通信 サーバー・データは自律的にキャッシュされてネットワーク全体に展開される クライアントは任意の(例えば最も近い)ノードにアクセスする http://ハッシュ値 HTTP P2P Protocol

データ一貫性を保証する仕組み DBなどはネットワーク的に近いノード・グループで一貫性保証する その他のノードへは従来のP2Pプロトコルで展開 HTTP P2P Protocol Consistency Protocol

言語グリッドをP2P化したら・・・ 現在のピアがノード・グループに置き換わる? ノード・グループ間のやり取りは? HTTP?P2P? HTTP