7. E D M 時空の対称性の破れ
1. 時間反転対称性 時間反転: 電磁場中のNewton方程式
量子力学:
2. 時間反転対称性の破れ(T-violation) Pauli とLudersはCPT保存は成り立つとした: 同一の質量、寿命が同じ、符号が反対で大きさが同じ磁気モーメ ント(電子、陽電子)を持つ。同一の慣性質量を持つ(陽子、反陽子) 2.a. 空間反転対称性の破れ (Parity-violation) 1956年 K中間子の2π、3π崩壊のなぞ(τ- qパズル)を解くためLeeと Yangは弱い相互作用ではパリテイー保存が破れていると予言した。 1957年 C.S. Wu 60Coのベータ崩壊の電子の非対称分布 L. Lederman μ中間子の崩壊の非対称分布 2.b. 粒子・反粒子変換
2.c. Cの破れとCP保存 ニュートリノのヘリシテイ測定 破れ 保存
弱い相互作用のCPの破れとは何か? 2.d. CPの破れの発見 1964 Christenson, Cronin, Fitch, 及びTurlayは、KL 中間子 が主として 3pに崩壊し, 2pには余り崩壊しないことを発見した。 e ~ 0.23 %
直接的CP破れの検証:KEK,SLAC Υ (4S) → B0 + B0 B0 とB0の混ざりは時間と共に変化する。 8GeV 3.5GeV
CP-violationは6個のクオーク模型で説明がつけられる。 (小林・益川 モデル) クオークとヒッグス粒子の湯川結合に含まれる複合位相によって表される。
1973年 小林・益川モデルの論文
4. Electric Dipole Moment (EDM) 相互作用Hamiltonian: H = -m・B – d・E 時間反転: H = -(-m)・(-B) –(-d)・E = -m・B + d・E ここで、P は sに比例する。 それ故、もしHが時間反転で不変であれば P=0 になる。 d d
小林・益川模型によるEDMを中性子に適応する。 標準模型では P < 10-31 e.cm
中性子と電子の結果 Smith, Purcel 及びRamsey は1951年に最初の測定を行った。
如何にEDM は小さいか?
5.a. EDM (原子と分子) Schiffの定理: dA = Rde + SACS + TACT + KAQN Leptonic semi-leptonic hadronic dA: 原子のEDM de: 電子のEDM R: Z3a2に依存する量, R(Cs) = 114, R(Tl)=-585 CS: scalar-pseudoscalar CT: tensor-peeudotensor QN: Schiff モーメント、原子核の中のEDM分布に関係した量 KA: QNの係数。
測定 相互作用 Hamiltonian 故に E=E+ and E- に対するLarmor周波数はそれぞれ、 wL+ and wL-の違いから、d は以下の様に表現される;
実験結果 最近の結果 dA < 2.1x10-28 e.cm for 199Hg, then, de < 9x10-26 e.cm dA < 2.3x10-24 e.cm for 205Tl, then, de < 4x10-27 e.cm (205Tlのハドロン・パラメータは例外的に大きい) EDMの将来計画 3He, 129Xe Chupp (UMICH) Zeeman maserを用いる。 171Yb 高橋 (京大) レーザトラッピングを用いる。
5.b. UCN(Ultra Cold Neutron)によるEDM v = 1~5m/s E = 10~100 neV l = 10000~1000 A 2. 歴史 1932 Chadwick は中性子を発見。 1936 Fermi 中性子のコヒーレント散乱を発見 1940 Fermi は臨界速度以下では全反射が起こることを示唆。 1946 Fermi は実験的に全反射を観測。 1959 Zel’dovichはUCNが全反射のため密閉容器に閉じ込められ ることを発見。 1969 Shapiro はIBR (6kW, pulse reactor)からの中性子を用いて UCNを観測した。 1969 Steyerl 4MW原子炉からの中性を用いてUCNを観測した。
1974 Steyerl はタービン法で UCN 生成に成功 1979 Golubは超流動ヘリウムを用いたsuperthermal法を 提案 1985 吉城 (KEK) は実験的に superthermal 法に成功 2000 (NIST) 超流動ヘリウムの中にUCN閉じ込めることに成功
E=E* の電子は散乱すると殆ど静止する。 3. 超流動HeによるUCN 発生 交点 E*=11K (l=8.9A) E=E* の電子は散乱すると殆ど静止する。 反対過程は抑制される: Boltzmann factor, e-11K/T ここでF(E*) スペクトル密度, n はHe密度, S 液体の構造関数。
1998 Ramsey及びPendlebury (ILL, Grenoble) の観測 |P| < 6.3x10-26 e.cm ここでE=4.5 kV/cm, B=10 mG, T=120~150 s Hg は磁場測定用 (B は 10nG rmsまで押さえ込んだ。)
実験装置 計画の原理 最適化
実験の目的 a) EDM b) 標準理論とその先 c) 重力