第4章 GISと社会 4.GISと教育・人材育成 2011-04-05 第4章 GISと社会 4.GISと教育・人材育成 太田守重 morishige_ota@kkc.co.jp
ここで学ぶこと ここでは,GIS教育のうち,企業内教育と学協会について概説する.また,技術者の能力を裏書きする資格制度についても取り上げる. 企業内教育は,企業が従業員を対象として実施する教育で,業務に求められる知識や技能の取得を目的とし,自己啓発,OJT,OffJTに分類される.学協会による教育は,有識者を講師として,技術の背景にある知識,高度な知識及び新たな需要に応える技術の取得が目的となる.資格認定には,教育機関による教育や上記の教育を完了したことを示すものや,一定の経験を積んで技術水準を高めた技術者の技術水準を認定するものがある.
企業内教育 自己啓発: 自助努力として自らの能力向上を目指す行為.ただし,自己啓発に対して企業が従業員に補助をする場合がある. 自己啓発: 自助努力として自らの能力向上を目指す行為.ただし,自己啓発に対して企業が従業員に補助をする場合がある. OJT (On the Job Training):実務の中で,教育を担当する上司や先輩が指定され,その人たちの指導を受けながら,実務的な知識を習得する訓練. OffJT (Off the Job Training):社外で行われる教育一般を指す.学協会が提供する教育や,大学が提供している社会人向けの教育コースへの参加や海外留学制度なども,企業側から見ると,この範ちゅうに入る. GIS教育については,GISベンダーが提供するセミナー,学協会の教育プログラム,大学の社会人教育,海外留学などに従業員を参加させることが多い.
学協会による教育 学会や協会が主催又は共催する教育プログラムは多岐にわたるが,その例を以下に示す.これ以外にも様々な試みがあるので,インターネットなどで,探すとよい. 地理情報システム(GIS)学会 http://www.gisa-japan.org/ 地域毎に教育イベントやセミナーを開催. GIS資格認定協会 http://www.gisa-japan.org/gisca/contents/link.html#edulink GIS学会が認定したGIS教育の紹介(大学教育も含む) 日本情報地質学会 http://www.jsgi.org/ 講演会,講習会等の開催 日本写真測量学会 http://www.jsprs.jp/event.html 各地で講習会を開催 日本測量協会 http://www.jsurvey.jp/ 測量技術を中心とした技術教育を開催 地理情報システム学会 中国支部:GISセミナー・中国,GISを利用した平和教育,他 http://www.gisa-japan.org/regional_office/chugoku/index.html 関西支部:GIS上級技術者教育講座,空間情報話題交換会,他 http://www.gisa-japan.org/regional_office/kansai/gisaktop.html 中部支部:GISセミナー,シンポジウム,他 http://www.geogr.lit.nagoya-u.ac.jp/gisa_nagoya/gisanagoya.html 東北支部:GISA東北セミナー,他 http://www.gisa-japan.org/regional_office/tohoku/history.html
資格認定 今日,様々なGIS関連資格があるが,その例を以下に示す. GIS上級技術者 GIS学会GIS資格認定協会 地質情報管理士 全国地質調査業協会連合会 空間情報総括監理技術者,測量専門技術認定 日本測量協会 森林情報士 日本森林技術協会 農業農村地理情報システム技士 土地改良測量設計技術協会
GIS上級技術者 GIS技術は過去四半世紀の間に,社会に定着し, 地理空間情報活用の推進を図る政府の取り組みも本格化しているが, 関連する学会(人文地理学会,日本国際地図学会,日本地理学会,日本リモートセンシング学会)と連携して, 米国GISCI (GIS Certification Institute)が実施しているGIS Professional制度に整合するGIS技術者の認定を,2006年夏から開始した. 2011年3月現在の有資格者数は約200名
GIS上級技術者の認定方式 ポートフォリオ(書類審査)方式 最低限、 教育達成度 30p 経験達成度 60p 貢献達成度 8p 合計 150p以上 2012年末までは,経験達成度のみでも200pを超えれば認定する「既得権申請」も行われている.