SMILE35:陽子線を用いた 電子飛跡検出型コンプトンカメラによる 核ガンマ線イメージング実験 岸本哲朗, 窪秀利, 古村翔太郎, 園田真也, 高田淳史, 竹村泰斗, 谷口幹幸, 谷森達, 中増勇真, 中村優太, 水村好貴, 水本哲矢, 吉川慶, 黒澤俊介A, 身内賢太朗B, 澤野達哉C, 黒澤真城D, 高橋成人D, 友野大D 京大理, 東北大NICHeA, 神戸大理B, 金沢大数物C, 阪大RCNPD
核ガンマ線を見る目的 エネルギーは大体 MeV、元素合成や爆発機構の手掛かりに 1038 SN2014JのINTEGEALによる観測 847 1038 1238 56Ni, 56Coの核ガンマ線を検出 もっと感度を上げて多数観測 したい R. Diehl, et al., Science 345, 1162 (2014) E. Churazov, et al., Nature 406, 512 (2014) MeV帯域での問題 雑音が除去できてない 到来方向決定精度が低い これらを克服できる検出器としてETCCを開発 核ガンマ線の観測能力を調査
2013実験 鉄ターゲットでの試験 高雑音下でのガンマ線イメージング実験 雑音下でのCs線源のスペクトル 陽子ビームを利用し気球高度を模した 高雑音環境を作る No Cut 宇宙の五倍うるさい 102 [10-3counts/s/keV] with Cs 10 excess w/o Cs 1 662 keV [kev] 600 1000 高雑音下でCs137の662 keVを検出 鉄ターゲットでの試験 鉄ターゲットのスペクトル [counts/keV] 102 103 10 1 1000 2000 もっと天体に似たターゲットで測りたい 陽子が鉄を励起 847 keVや1238 keVが検出できないか? 56Fe*→ 56Fe + γ 140 cm 30 cm ピークはありそうだがわからない 検出器の改良やセットアップの改善が必要
ETCCの改良2013からの変化 Drift cageの改良で有効面積が増大 飛跡解析の改良で角度分解能向上 TPCのヒットマップ Cs137をとったイメージ 補正前 450 Drift cage内の 絶縁体の柱で 電場にゆがむ counts SPD~200 deg. 補正後 900 柱を外側に 使える領域が 増えた counts SPD~130 deg. 有効面積が1.5倍に 感度が1.5倍、SPD ~130 deg.に向上
今回のセットアップ p(80 MeV) 30 cm 15cm 雑音環境下で鉄からの励起ガンマ線を観測 阪大RCNPのFコースにて 2016/10/29-11/1まで試験 80 MeV陽子を鉄に照射 ビーム強度 < 1 nA 前回からの変更点 ・距離: 1 m → 15 cm ・ビームエネルギー:140 MeVから 80 MeV ・vetoは置かない ・ETCCの性能改善
実際の環境 @6 pA TPCで測った電離損失 10 1 102 103 [counts] 真上から見たときのTPCの飛跡 Fe 陽子ビーム MIPs 40 ~15cm 30 drift領域 飛跡の長さ[cm] 20 escaped e e 10 クロック 50 100 200 150 250 ビームからの 陽子 粒子のエネルギー[keV] カット後 ストリップ [ストリップ] クロック 電子以外に多数の荷電粒子 ストリップ
Geant4によるシミュレーション セットアップ *バージョン:10.01.p01 *物理リスト:Shielding ターゲット表面から出てくるガンマ線のスペクトル 103 ビームパイプ [counts] 102 He 200 800 1400 2000 [keV] 鉄ターゲット ETCCで検出されたときのスペクトル 103 ETCC 102 [counts] ターゲットからの γのエネルギーと 方向の分布を作る 10 511 847 1 200 800 1400 2000 [keV] 同じ分布でETCCに ガンマ線を降らせる 847 keVが見える
結果 6 pAで~5 hours 再構成画像 [counts] カット前の図 50 雑音除去前 700 2000 keVまで 600 500 再構成可能 y [cm] 400 300 有感領域 200 電離損失 100 -50 50 -50 60 イメージカット 除去後 カット領域 511 50 847 1238? 40 y [cm] 30 20 847 keVぽいものが見えてる ターゲット位置 10 ビーム方向にずれてはいる 解析はまだまだこれから x [cm]
まとめ 核ガンマ線は元素合成の過程や星の爆発機構を知る手掛かりになる 雑音除去、イメージングの必要性 雑音除去、イメージングの必要性 2013年に陽子ビームを用いて核ガンマ線の観測実験 高雑音下でCs線源からの662keVの検出に成功している より天体に似せたソースとしてFeターゲットに陽子ビームを当て 励起核からの847 keV、1238 keVの観測を目指したが検出には至らず 2013から2016での性能の改善 有効面積が1.5倍 角度分解能がSPDで 200 deg. → 130 deg.に 性能が改善を受けて2016に再度試験 Feターゲットからの847 keVを検出 解析はまだまだこれから キャルの補正、ランダムコインシデンスの除去など