分子動力学計算によりプリオンタンパク(野生型・変異型)が

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背 景 多数の「スピン」とそれらの「相互作用」という二種類の変数を有する系の解析においては,相互作用の方は固定されておりスピンだけが 変化するモデルを考える場合が多い.   (例:連想記憶モデル) 「スピン」よりもゆっくりと「相互作用」も変化するモデル(パーシャルアニーリング)の性質は興味深い.
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分子動力学計算によりプリオンタンパク(野生型・変異型)が EX17302 (東京大学情報基盤センター推薦課題) 大滝大樹 (長崎大学 医歯薬学総合研究科) 拡張アンサンブル法を用いた タンパク質の構造変化と変異が及ぼす影響の解析 研究背景:プリオン病 アミロイド (繊維構造) 分断 プリオン病 異常型プリオンタンパク質が脳に蓄積し 脳が海綿状に変化することによって起きる クロイツフェルト・ヤコブ病 牛海綿状脳症(狂牛病) 羊スクレイピー           など 正常型プリオン 異常型プリオン (構造は未解明) human PrP WT, 119-231 (PDB: 2LSB) H2 分子生物学実験では: アミノ酸配列に変異を導入すると 凝集様態が異なることが報告されている H1 H3 分子動力学計算によりプリオンタンパク(野生型・変異型)が 取り得る構造を探索する レプリカ交換分子動力学法による計算 計算条件 野生型プリオンタンパクを計算 MD program: Gromacs Force Field: AMBER ff99SB-ILDN & TIP3P 150 mM NaCl aq. Time step: 2 fs 300 - 450 K, 84 replicas 4 ps * 40,000 runs = 160 ns MD run / replica レプリカ交換分子動力学法 (REMD: Replica Exchange Molecular Dynamics) N個の系のコピー(レプリカ )を用意,異なる温度で同 時並行的に短いMD計算 一定の基準で隣り合う温度 のレプリカを交換する レプリカの交換状況 Conventional MD REMD trapped escape 交換確率 レプリカID@300K 温度変化 (a) (c) (b) 計算結果 各エネルギー極小点における二次構造 自由エネルギー面(300 K) Residue 120 140 130 160 150 170 180 230 190 200 220 210 PDB: 2LSB(★) A C B I H G J L K Q N M P O F E D β-sheet β-bridge Bend Turn α-Helix 310-Helix Coil(白) A C B ★ I H G J L K Q N M P O F E D [kJ/mol] 9 8 7 6 5 4 3 2 10 1 E G I J M O