田中貴浩(京大基研) 第6回DECIGOワークショップ DECIGOにおけるサイエンス 田中貴浩(京大基研) 第6回DECIGOワークショップ
DECIGOの意義 何故重力波なのか 強い重力場で一般相対論は本当に正しいのか? gravitonはちゃんと伝播してくるのか? 強い重力場で一般相対論は本当に正しいのか? gravitonはちゃんと伝播してくるのか? ブラックホール時空の時空構造をプローブする。 Minkowski + perturbation を越えた時空構造を初めて覗く 重力波の強い透過力 宇宙初期を見通す力がある。インフレーション、リヒーティング コンパクト天体の性質を調べるのに有効 バイナリーパラメータ、NSの半径、超高密度での状態方程式の決定 統計と宇宙論 基礎過程が理論的によく理解されている(これからさらに理解がすすむ) プロセス(コンパクト天体の連星)がある。ビーミングも余り重要でないの で観測によってイベントレートがばっちり決まる。
Deci Hz 帯の優位性 背景ノイズが低い 原理的には最高のS/Nが実現できるバンド 背景ノイズが低い 原理的には最高のS/Nが実現できるバンド free from WD-WD binary confusion noise ( >0.25Hz ) 相対論の検証、重力波の宇宙論への応用、いずれにおいても もっとも高精度な観測ができるポテンシャルがあるバンドである。 高い角度分解能 他の波長に比べて原理的に100倍高い 太陽質量程度の連星の合体予報、電磁波による観測とシンクロ Targetの存在という点においても自然 mass rangeとしては104 M◎程度までがターゲット、ringing tailはもう少し上まで、 巨大ブラックホール、銀河中心の成長プロセスを明らかにできる。 太陽質量程度の連星もtargetになる。 つまり、DECIGOが実現すれば、大きな成果を挙げることは間違いない。 それでも、現時点では野心的な計画
相対論 ☆☆☆ golden event S/Nが大きい 銀河中心核Kerr BHのgeometryを高い精度でprobe 例えば、Brans-Dicke parameterへの制限はすごい 宇宙論 ☆☆☆ 105envents/yrのNS-NS連星のカタログ 中質量ブラックホールのカタログ インフレーション起源の背景重力波 (複数台/クリーニング必須) Dark Energy (Bubble) (他の観測手段もある,ultimate DECIGOが必要) 天体物理 ☆☆☆ やはり、地上の100Hz-kHzの方が面白いのではないか。 しかし、他の観測手段と連携したときには 合体予報ができることは非常に魅力的である。 hrms~10-23で300Mpcまでarcmin以下の精度で位置が 0.1秒以下の精度で合体時刻が予言できる
DECIGO/BBOでは約1分の角度分解能が可能 合体時刻の予報も可能 重力波源の位置決定精度 基本的にはarrival timeの差で測る 波長 ‘effectiveな2台の距離’ DECIGOはLISA同様の太陽公転軌道だが、観測する波長が短い 地上の干渉計はbaselineが地球のサイズで制限されている DECIGO/BBOでは約1分の角度分解能が可能 (Takahashi & Nakamura Ap.J.596 L231(2003) ) 合体時刻の予報も可能 NS+NS連星@200Mpc 1週間 1週間 1ヶ月 3ヶ月 5
Effect of modified gravity theory Test of GR Effect of modified gravity theory Scalar-tensor type Graviton mass Dipole radiation = -1 PN Current constraint on dipole radiation: wBD>140, (600) 4U 1820-30(NS-WD in NGC6624) Constraint from future observation: LISA- 107M◎BH+107M◎BH: graviton compton wavelength lg > 1kpc (Will & Zaglauer, ApJ 346 366 (1989)) (Berti & Will, PRD71 084025(2005)) Constraint from future observation: LISA- 1.4M◎NS+400M◎BH: wBD > 2×104 Current bound: lg > 10-3pc (Berti & Will, PRD71 084025(2005)) Decigo-1.4M◎NS+10M◎BH: wBD >5×109 ? Neutron star binaryの重力波放出によるorbital decay 6
Inflation起源の背景重力波 tensorゆらぎのamplitude = inflation energy scaleの直接的な測定 GUT inflation の場合に WGW=10-15~16 CMBのB-modeでもわかるが r =(Tensor/Scalar)=10-2 with CMBpol or Inflation Probe consistency relationが非常に精度良くチェックされる r ~ nT インフレーション後の宇宙の進化の過程でより大きな背景重力波が 生成された可能性もある プレヒーティングでの重力波生成 2次のゆらぎから作られるので Gaussianではなく c 2-分布
クリーニングの問題 宇宙論的距離のBinary NS 等のシグナルが検出できるかどうか。 Critical なNoise levelが存在する 検出できないと数が多すぎてノイズになる。(~105events/yr) テンプレートがあるのだから、引き去ればよい。 原理的には可能だが現実的には可能であるのか? (Harms, Mahrdt, Ott, Prieb 0803.0226) 1) Best fitのsubtraction 2) tangent space 成分のproject out 1/1000スケールのシミュレーション (105sec)ではsubtractionはできる どのあたりにシグナルがあるかは カンニングするんだけど BBO sensitivityで Wmin~5・10-17 POP III SNの問題もあるが。。。
特にまとめはないです。 全てがまとめのようなものです。 以降の楽しい講演に移りましょう。
クリーニングの問題 遠方のBinary NS のシグナルが検出できるかどうか。 検出できないと数が多すぎてノイズになる。(~105events/yr) テンプレートがあるのだから、引き去ればよい。 原理的には可能だが現実的には可能であるのか?
このrateなら完全にクリーニングできなくても Cutler & Harmsを元に瀬戸さんがコンパイルした図 NS binary foreground for present day event rate 10-7 Mpc-3 yr-1 (この線は若干適当です) このrateなら完全にクリーニングできなくても それほど他の観測の邪魔にはならないか? rth=40と考えるとクリーニングには 3倍良い感度が必要 この図は10-7 Mpc-3 yr-1程度のrateの場合 にはFP-DECIGO baseでもかなりの割合の binaryが検出されていることも意味している
WGW=10-12 levelの背景 重力波が作るノイズ (この線は若干適当です) その他のforegroundのソースとしてPOP-III大質量星の超新星爆発 0.1~1HzあたりでFP-DECIGOを数倍超えるlevelにまで達する? →諏訪さん rateの評価に対して別の角度から、 →大向さん このソースは0.1~1Hzあたりではstep fn的に見える。 subtractionが可能か?rateに非常に依るのではないか?
R. Takahashi and T. Nakamura, Prog. Theor. Phys. 113, 63 (2005) X matter (ダークエネルギー) Ultimate Decigo この精度までいけば他の方法を上回る ただし、conservative Decigoではそれぞれ103ほど大きい
Brans-Dicke parameter DECIGO DECIGO with other noise sources NS-NS background 1% WD binary confusion NS-NS binary confusion log10 f 合体1年前から合体までを観測することを想定 合体直前でない方が強い制限を与えるかも知れないが、 1.4M◎NS+0.5M◎BHの場合: wBD > 5.6×1010 (3000Mpc/D) 1.4M◎NS+10M◎BHの場合: wBD > 2.3×109(3000Mpc/D) 検算はできてないが、非常に強い制限をつけることが 可能なことは確かなようだ。