GPSと相対論 金野 幸吉
GPS (Global Positioning System) 使用例:カーナビ
GPS 衛星 (1) 軌道: 高度 約2万km 赤道面から 55度の角度 周期12時間 1つの軌道に 4個の衛星が 上がっている。
GPS 衛星 (2) 同様な軌道が 6つあり、 計24個の衛星が 上がっている。 地球上のどこに いても、最低で 4個以上の衛星から、信号が受け取れる。
GPS 衛星 (3) 各衛星には正確な 原子時計が搭載 されている。 常に自分の位置と 時刻の情報を 四方八方に 放射している。 NASAのWebページから引用
衛星からの位置決定 (1) ( ti , xi ) ( t0 , x0 ) 各衛星が信号を発した 時刻と位置をそれぞれ する。また、受信側の 時刻と位置を ( t0 , x0 ) とする。
衛星からの位置決定 (2) 解くべき方程式: t0 を消去 3つの式から、x0 の3成分が最終的に求まる。
原子時計の精度 1日=86400秒 放置したセシウム原子時計に対して、 誤差は、約4ナノ秒しかない。 N. Ashby, Living Review in Relativity, Vol. 6, 2003-1 1日=86400秒 放置したセシウム原子時計に対して、 誤差は、約4ナノ秒しかない。
光速: c = 3×108 m/s 例えば、DL = 10 m の精度を出すためには、 の精度が必要! 原子時計は、これに十分な精度を持っている。
相対論的補正 補正項の大きさ ~ 10-10 点A、点Bでの時刻の関係 1日=86400秒もすると、8.64マイクロ秒もずれる。 補正項の大きさ ~ 10-10 1日=86400秒もすると、8.64マイクロ秒もずれる。 長さに換算すると、DL = c Dt ~ 2.6 km もずれてしまう。
我々は、相対論、つまり、アインシュタインの お陰で安心して目的地に着くことはできる。 要するに、 我々は、相対論、つまり、アインシュタインの お陰で安心して目的地に着くことはできる。 工学部に居る限り、 「相対論は関係ない」 とは言えない。