東北大学電子光理学研究センター(ELPH) 菊永英寿 電子加速器を用いた放射化学研究 東北大学電子光理学研究センター(ELPH) 菊永英寿
発表内容 ・施設の紹介(70 MeV電子加速器と非密封RI施設) ・電子線形加速器によるRI製造
発表内容 ・施設の紹介(70 MeV電子加速器と非密封RI施設) ・電子線形加速器によるRI製造
施設概要 200 m 東北大学電子光理学研究センター 宮城県仙台市太白区三神峯1-2-1 画像©2013 ZENRIN, 地図データ©2013 ZENRIN 200 m 東北大学電子光理学研究センター 宮城県仙台市太白区三神峯1-2-1
施設概要 1.3GeV電子シンクロトロン 入射用電子ライナック (入射器,100 MeV) 大強度電子ライナック 画像©2013 ZENRIN, 地図データ©2013 ZENRIN 1.3GeV電子シンクロトロン 入射用電子ライナック (入射器,100 MeV) 大強度電子ライナック (RI製造用,70 MeV) 非密封RI取扱施設 光源用電子ライナック (THz光源用,50 MeV) 200 m 大学所有の施設としては国内最大規模の加速器共同利用施設
70 MeV電子線形加速器 ・1967年に完成 ・300 MeV電子線形加速器の低エネ ルギー部を震災後に再構成 ルギー部を震災後に再構成 ・1 m Sバンド加速管8本で電子を 10-60 MeVまで加速可能 ・50 MeVでの通常運転 繰り返し:300 Hz ピーク電流:130 mA パルス幅: 3 μA 70 MeV 電子線形加速器 (大強度電子LINAC) 平均電流:120 μA 出力: 6 kW
第一実験室(照射室) ・ビーム偏向部で90度ビームを 曲げて第一実験室に輸送 ・照射位置では強い放射線が 発生するため(中性子で1012n/s 程度)コンクリート遮蔽の中で照射 第一実験室 (コンクリート遮蔽の中で照射)
第一実験室(RI製造位置) 照射ターゲット (石英封入) 加速器: 東北大ELPH 電子線形加速器 エネルギー: 10-60 MeV ビーム量: ~120 μA,3-6 mmΦ 照射可能時間: 96 時間/週 照射ボート (SUS 1 mm) BeO 0.5 mm Ti 50 μm 照射ターゲット Φ10 mm (SiO2 1 mm封入) 加速器 Pt 2 mm 照射ボート
第三実験室(放射化学実験室) ・非密封同位元素等取扱施設(376核種) 1群(α核種): 31核種,500 kBq/日 2群(長寿命核種):66核種,20 MBq/日 3群(短寿命核種):202核種,50 MBq/日 4群(7Be,51Cr等): 73核種,100 MBq/日 5群(99Tcm, 64Cu等):4核種,2 GBq/日 ・国際規制物資使用施設 ウラン,トリウム ・遺伝子組換え実験施設 P1Pレベル ・化学実験室 ドラフト4基等(毒劇物使用可能) 放射化学実験室 (非密封RI実験施設) ・放射線測定室 高純度Ge検出器等
ELPHで行われている放射化学研究 ・共同利用・共同研究拠点 ・短寿命RI供給プラットフォーム事業 ・光量子放射化分析 ・光核反応断面積測定 ・RIトレーサー製造・利用 ・電子線照射試験 ・短寿命RI供給プラットフォーム事業 ・42,43K,64Cuの供給(数~数百MBq程度) ・産学共創プラットフォーム事業(OPERA) ・有用RI(PET,SPECT核種など)の化学精製法開発 ・共同研究(産学連携) ・有用RIの商業製造技術開発 加速器,非密封RI施設の両方が必要
発表内容 ・施設の紹介(70 MeV電子線形加速器と非密封RI施設) ・電子線形加速器によるRI製造
原子核と光の相互作用 ○原子核は光を吸収して反応を起こす(光核反応) この領域の光が欲しい 断面積 光子エネルギー 巨大共鳴 (7-30 MeV) この領域の光が欲しい 準重陽子効果 (30-200 MeV) Δ共鳴 (>140 MeV) 断面積 光子エネルギー Nucl Instr Meth B 155 (1999) 373
電子加速器の出力と利用法 ○ 一般に,加速した電子を物質に入射したときに発生する 制動放射線を利用 ・商業用RI製造 ・研究用RI製造 制動放射線を利用 W, Pt etc. Target g e- 光子(制動放射線) ・商業用RI製造 ・研究用RI製造 ・光量子 放射化分析 ・電子線照射試験 ・断面積測定 0.1 1 10 100 加速器の出力(kW)
巨大共鳴領域の光子数 6 kWのビームから生じる制動放射線(コンバータ:W 2mm) PHITS ver3.00 10-20MeV ~2×1013 photon/MeV/s (50-60 W/MeV)
ILCのビームダンプ(陽電子生成用光子) 1312 bunches×5 Hz×8.0×1012 photon/bunche = 5×1016 photon/s 4-8 MeV ~5×1015 photon/MeV/s (5-6 kW/MeV) 8-15 MeV ~1×1015 photon/MeV/s ( ~2 kW/MeV) ELPHの約40倍 横谷先生のpptより
光核反応断面積 7.5 MeV
まとめ ・数十 MeVの電子加速器は光核反応を利用したRI製造 に基づいて様々な研究に用いられている。 ・光量子放射化分析 ・光核反応断面積測定 ・RIトレーサー製造・利用 ・電子線照射試験 ・(使えるかどうかは別にして)ILCのビームダンプでは 商業レベルのRI製造ができる可能性がある。