広いダイナミックレンジを持つ μPIC-2次元X線画像検出器の開発

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広いダイナミックレンジを持つ μPIC-2次元X線画像検出器の開発 京大理、理研播磨研A 、東工大理工B 、 Spring-8/JASRIC、東大新領域D 服部香里 谷森達、窪秀利、身内賢太朗、土屋賢一、井田知宏、高田昌樹A,C,D、伊藤和輝A 、 植草秀裕B 、藤井孝太郎B 、唐金祐次B 2008/9/2 日本応用物理学会 秋季学術講演会

新しい物質構造解析を目指して High speed 広いダイナミックレンジ 時分割測定 現在のCCD, IPでは困難 計数型+高分解能画像 巨大分子(たんぱく質)、創薬、材料 measurements in a couple of minutes 広いダイナミックレンジ 104-5(積分型検出器:CCD, Imaging Plate)から 107-8へ 高精度測定を実現(異常分散等) 軽い元素を含む物質の構造解析 時分割測定 反応のダイナミクス、光反応、酵素反応  連続変化を追う  (sec~ 10 msec スライスで、繰り返し測定で更に時間分解能向上) 現在のCCD, IPでは困難 計数型+高分解能画像 KEK大学等連携事業 17年度開始 理研播磨研高田研究室と共同研究 2008/9/2 日本応用物理学会 秋季学術講演会

回折・散乱実験のための 計数型X線2次元検出器に求められる条件 高い2次元位置検出能力 位置分解能が100μm以上 高計数率能 > 107mm-2 , > ×1000 MWPC   (局所的な照射で) 大面積 15cm×15cm 以上  不感部分が無い(つぎはぎ、接合部など) 感度の不均一性 < 1% 画像歪み < 1% 常温で動作、低電力 メインテナンスが簡単 製作コストが安い 半導体Pixelでは, 4,7, 8, 9の実現が大変である。         さらに、連続データ読み出し可能 →折りたたみ法 高いgain →低エネルギーX線(~1 keV)をとらえられる たんぱく質に自然にある硫黄の吸収端(2.3keV) ガス検出器μ-PICを用いた量子計測型X線画像装置 4, 6, 7, 8, 9を実現 1, 2, 5を実現すべく開発中 3. 現在:検出部面積10 cm×10 cm   30 cm×30 cmも安定動作確認→今後性能評価 2008/9/2 日本応用物理学会 秋季学術講演会

u-PIC (micro-Pixel Chamber) 2次元イメージング可能なX線検出器 ガス中での光電効果 GEM(gas electron multiplier) gain ~ 3 μ-PIC gain ~ 5,000   で増幅 Time Projection Chamber → 電子の飛跡   → X線を一つずつ計数 gas electron multiplier (GEM), F. Sauli (1997) 4mm 0.4kV/cm 1.9kV/cm 400μm 70um 140um 10cm pixel pitch 400 μm 位置分解能 120 μm ガス : Xe+C2H6(70:30) 日本応用物理学会 秋季学術講演会

m-PIC is kept in the sealed vessel Xe-C2H6(70:30) を封入 入射窓:0.1 mm ポリイミド 一か月以上封じ切りで安定動作 一か月でgainが1-2割低下  →thresholdはそれよりも下なので    問題なし 100 mm 読み出し基板 from μ-PIC to pre-amplifiers 256ch per board Sealed vessel Printed circuit board Outside μ-PIC pre -amplifier IUCr 2008 Osaka, Japan

DAQ Detector (m -PIC) Cathode 256 ch Anode 256 ch Amplifier Shaper Discriminator (ASD) ASD Digital out 256 ch (LVDS) Position Encoding Module 100 MHz position, clock (X, T) (Y, T) LVDS out 33 bit memory board PC VME bus Data acquisition (DAQ) The detector’s data-acquisition system consists of amplifier-shaper-discriminator (ASD) chips (Orito et al., 2004), a position encoding module (Kubo et al., 2005), and a memory module on the VME bus. A block diagram of the data acquisition system is shown in Fig. 3. The output charges of the 256+256 channels are parallel pre-amplified, shaped, and discriminated by the ASD chips whose integration time constant is 80 ns. The time constant of signals integrated by the ASD chips was determined by the integration time of charges generated in the m-PIC. A reference threshold voltage was commonly supplied to all the ASD chips. All discriminated digital signals are sent to the position encoding module consisting of Field Programmable Gate Arrays (FPGA) with an internal clock of 100 MHz, allowing the recording of the anode and cathode coincident position= (X, Y) and the timing (t) in the memory module. Thus, the position encoding is completely executed by digital processing. 2008/8/30 IUCr 2008 Osaka, Japan

Photonの再構成方法 Photonが入射し、ガス中で光電効果を起こすと 光電効果で蹴飛ばされた電子によって作られる電子雲 anode : 2-3 hits for ~100 ns     cathode : 2-3 hits for ~100 ns coincidence accidental coincidence を防ぐために anode 前後20 ns以内に別の イベントがある場合はカット cathode 20 ns 20 ns Further improvements are necessary 2008/8/30 IUCr 2008 Osaka, Japan

小角散乱 @SPring-8 BL45-XU SAXS station 実用化に向けた性能評価試験 target Camera length 0.6~3.5m beam μ-PIC 2008/9/2 日本応用物理学会 秋季学術講演会

得られたイメージ 一様、イメージの歪み無し 100 mm irradiating a grid mask with scattering from a piece of glassy carbon, 1.5 Å solution scattering from polystyrene latex (110 nm, 5 mg / ml), 1.5 Å 一様、イメージの歪み無し 2008/8/30 IUCr 2008 Osaka, Japan

溶液散乱:Dynamic Range dynamic range >106 を達成 赤:溶液 黒:溶媒(水) 青:赤-黒 q-4 Polystyrene latex 0.04 weight % solid spheres of 110-nm diameter 1.5 Å exposure time : 154 sec Incident photon flux 1.5 × 1011 photons / s dynamic range >106 を達成 CCD: 104 Imaging Plate: 105-6 赤:溶液 黒:溶媒(水) 青:赤-黒 q-4 106 小角散乱では特に広いダイナミックレンジが求められう 溶液散乱:溶液―溶媒を求める必要があるので、        検出器の振る舞いがcounting ratesに依存しないことが必要 検出器の端 efficiencyが低い 2008/8/30 IUCr 2008 Osaka, Japan

タンパク質の溶液散乱 Apo-Ferritin 1.5 Å exposure time : 436 sec Incident photon flux 1.5 × 1011 photons / s 小角側はよく一致している 高角側のずれ  →SN比のため? さらなるstudyが必要 Solution (m -PIC) Water (m -PIC) Solution – water (m-PIC) R-AXIS (Imaging Plate) 2008/8/30 IUCr 2008 Osaka, Japan

Detector characteristics current goal pitch 400 μm 200 μm Position resolution 120 μm < 100 μm ピクセル数 256 ×256 1500 ×1500 検出部面積 100 ×100 mm2 300×300 mm2 Gas gain 5×103 – 104 > 104 Dynamic Range > 106 107 Intensity Range(Global) < 5MHz 10MHz       Efficiency uniformity ~several % < 1% distortion No 2008/8/30 Achieved by Gamma-ray camera based on a μ-PIC

Dynamic range for incident X-ray intensity 試料:グラッシーカーボン X線:13.8 keV x1.038 Error:0.7% 20Hzから5MHzまで(5桁以上) 線形性を確認 5MHzでの安定動作 Saturationは見られなかった 低いcount rate領域でも 精度よく測定 2008/9/2 日本応用物理学会 秋季学術講演会

計数型検出器の時間分解能 μ-PICの場合、信号のタイミングは10nsで測定可能 小角散乱 →信号は検出器全面に分布 →現在のシステムでは10Mcpsまで処理できる →構造をみるには105events程度必要 →時間分解能は105/107=10msec程度 単結晶構造解析 →信号は局在 →小角散乱より少ないイベント数(何イベント必要かは今後評価する予定)で構造を解ける →時間分解能<10msec 2008/9/2 日本応用物理学会 秋季学術講演会

大型μ-PIC(30cm×30cm) 30cm角μ-PICとしては初のビーム試験 システムとして動作することを確認 μ-PIC単体で動作(GEMなし) ASD μ-PIC 24cm ビーム First image of 30cm μ-PIC 試料:ベヘン酸銀 X線:13.8 keV 30cm 2008/9/2 日本応用物理学会 秋季学術講演会