On the High-Tc Scenarios 高温超伝導はどのように生まれるか?

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物性 ~ 電子の集団が描く多彩な風景 物性研究所 瀧川 仁 物性物理(Condensed Matter Physics)とは
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On the High-Tc Scenarios 高温超伝導はどのように生まれるか?

(1) ボトム・アップ:量子相転移(量子臨界点 QCP) ? 400 Strange Metal (奇妙な金属) 奇妙な金属 300 量子臨界ゆらぎ TN T* ? 温度 T (K) 200 PG (擬ギャップ) 加熱 AF Tc 100 正常金属 (フェルミ液体) クーパー対の形成 超伝導 d-SC FL 量子臨界ゆらぎ d波超伝導 QCP 0.1 0.2 0.3 量子臨界点 正孔ドーピング量 p

量子相転移(量子臨界点 QCP) F = E - TS T= 0 量子臨界領域 熱力学ゆらぎ 量子力学ゆらぎにより駆動される相転移 対称性の破れ(秩序) Control parameter

量子相転移(量子臨界点 QCP) T= 0 x ~ |g - gc| -n → ∞ x > LT = ħ c/kBT 量子臨界領域 相関距離 x x ~ |g - gc| -n → ∞ x > LT = ħ c/kBT 扇状の領域 T= 0 量子相転移 量子臨界点(QCP) 対称性の破れ(秩序) Control parameter QCP近傍では量子ゆらぎが増大し、秩序を持つ状態と秩序を持たない状態の極めて複雑な重ね合わせ(絡み合い)になる。

量子臨界状態 (T=0, g=gc) © 古川‐宮川‐鹿野田 Dp → 0 Dx → 0 Dp Dx ≥ ħ 多くの場合、 ● フェルミ面のトポロジー変化 ● 準粒子質量の発散

量子臨界領域 (T>0, g ~ gc) の共通の特徴 ● 量子臨界領域とよばれる領域では、フェルミ液体論から外れた輸送現象などの異常現象が観測される(非フェルミ液体)。 ● しばしばQCP近傍で非従来型超伝導が発現する。 T. Shibauchi, A. Carrington, and Y. Matsuda, Annu. Rev. Condens. Matter Phys. 5, 113 (2014).

量子臨界領域(奇妙な金属領域) ? 400 300 TN T* ? 温度 T (K) 200 AF Tc 100 FL 0.1 0.2 Strange Metal (奇妙な金属) 奇妙な金属 300 量子臨界ゆらぎ TN T* ? 温度 T (K) 200 PG (擬ギャップ) 加熱 AF Tc 100 正常金属 (フェルミ液体) クーパー対の形成 超伝導 d-SC FL 量子臨界ゆらぎ d波超伝導 QCP 0.1 0.2 0.3 量子臨界点 正孔ドーピング量 p

「量子臨界」領域の普遍的な電気抵抗率 量子臨界領域の普遍的性質 ħ /t ~ kBT x = 0.20 Tc 物質に依存する

「量子臨界」領域の普遍的な電気抵抗率 ħ /t ~ kBT 量子力学不確定性関係 DE Dt ≥ ħ: DE ~ kBT → Dt ≥ ħ/kBT   (ħ/t ≤ kBT) 「非粒子」の集団的な運動 ? Planckian dissipation 量子臨界領域では、外部からの搖動に対して系は量子力学で許される最短時間で熱平衡に戻る。 J.D. Rameau, P.D. Johnson et al., Phys. Rev. B 90, 134509 (2014).

量子臨界点の存在?: 競合・共存する多種の秩序 量子臨界点の存在?: 競合・共存する多種の秩序 orbital loop-current (軌道ループ電流秩序) electronic nematic (ネマテック電子秩序) 300 Strange Metal (奇妙な金属) Pseudogap(擬ギャップ) T* 200 TN TSCon 温度 T (K) TCDWon 電荷秩序 charge order Tc 100 正常金属 (フェルミ液体) スピン秩序 spin order AF d-SC  d波超伝導 TSDWon FL 0.1 0.2 正孔ドーピング量 Hole doping p B. Keimer, S.A. Kivelson, M.R. Norman, S. Uchida, J. Zaanen, Nature 518, 179 (2015).

強磁場下の相図: 電荷・スピンの長距離秩序 強磁場下の相図: 電荷・スピンの長距離秩序 300 Strange Metal (奇妙な金属) Pseudogap(擬ギャップ) T* 200 TN TSCon 温度 T (K) TCDWon 電荷秩序 charge order Tc 100 正常金属 (フェルミ液体) スピン秩序 spin order AF TCDW d-SC  d波超伝導 電子の結晶化 TSonset FL TSDW 0.1 0.2 正孔ドーピング量 Hole doping p B. Keimer, S.A. Kivelson, M.R. Norman, S. Uchida, J. Zaanen, Nature 518, 179 (2015).

銅酸化物:T*(p) の終着点 T*(pc) = 0 : QCP ? Bi2212, 電荷秩序(smectic order) の消滅 p > pc (~0.19) 同時に、 アンチノード近傍の電子がコヒーレントになる(フェルミ面の復活) K. Fujita, SU, M. J. Lawler, E.-A. Kim, and J.C. Davis, Science 344, 612 (2014).

フェルミ面のトポロジー変化 La2-xSrxCuO4 (LSCO) at x = 0.22: QCP ? Ortho-Tetra構造転移? T. Yoshida, A. Fujimori et al., Phys. Rev. 518, 179 (2015). 12

強磁場下:2つのQCP と 二重 Tc-ドーム x  0.08, x  0.19 質量の発散的増大、フェルミ面の再構築 強磁場下: CDW 長距離秩序 YBCO TCDW M.-H. Julien 量子振動(ド・ハース振動) 1 2 B.J. Ramshaw et al., Science 348, 317 (2015) . S.E. Sebastian et al., PNAS 107, 6175 (2010).

強磁場下:2つの量子相転移(量子臨界点) (?) 300 Strange Metal (奇妙な金属) T* Pseudogap(擬ギャップ) TN 200 温度 T (K) Tc 電荷秩序 100 AF FL 0.1 0.2 0.2 pc1 pc2 スピン秩序 正孔ドーピング量 p

「奇妙な金属」は量子臨界領域に対応するか? QCP の左側の秩序相はどのような対称性の破れに対応しているか ? QC領域は観測される広いT-p域に拡がっているか? 特に、QCは T > 1000Kまで続くか?

「奇妙な金属」は量子臨界領域に対応するか? QCP の左側の秩序相はどのような対称性の破れに対応しているか ? QC領域は観測される広いT-p域に拡がっているか? 特に、QCは T > 1000Kまで続くか? ? 「奇妙な金属」と正常金属(FL)とを分ける境界は存在するか? Tcを決めている因子は? 何故Tcが高いのか?

すべては「奇妙な金属」から生まれる(?) (2) トップ・ダウン: すべては「奇妙な金属」から生まれる(?)

トップ・ダウン:すべては「奇妙な金属」から生まれる(?) 400 Strange Metal (奇妙な金属) 300 TN T* 温度 T (K) 200 PG (擬ギャップ) AF supplementary information Tc 100 正常金属 (フェルミ液体) d-SC FL d波超伝導 0.1 0.2 0.3 正孔ドーピング量 p

トップ・ダウン:すべては「奇妙な金属」から生まれる 400 奇妙な金属 Strange Metal (奇妙な金属) 冷却 300 TN T* 擬ギャップ 温度 T (K) 200 PG (擬ギャップ) AF Tc 100 正常金属 (フェルミ液体) フェルミ液体 d-SC FL d波超伝導 0.1 0.2 0.3 正孔ドーピング量 p

(2) トップ・ダウン:すべては「奇妙な金属」から生まれる 400 奇妙な金属 Strange Metal (奇妙な金属) 冷却 300 TN PG (擬ギャップ) T* 擬ギャップ 温度 T (K) 200 冷却 スピン・電荷秩序、   超伝導ゆらぎ AF 100 Tc スピン秩序 正常金属 (フェルミ液体) フェルミ液体 d-SC 電荷秩序 FL d波超伝導 超伝導秩序 0.1 0.2 0.3 正孔ドーピング量 p

トップ・ダウン:すべては「奇妙な金属」から生まれる 「奇妙な金属」は低温で不安定になり、PGやフェルミ液体(FL)に変化する。

トップ・ダウン:すべては「奇妙な金属」から生まれる 「奇妙な金属」は低温で不安定になり、PGやフェルミ液体(FL)に変化する。 SDW・CDW、   d-SCゆらぎ PG相 は更に低温で、 様々な対称性の破れた状態(SDW, CDW, d-SC)に移行する。

「奇妙な金属」領域の面内電気抵抗率 飽和せず、温度Tに比例して増加する電気抵抗率 kF l < 2p 「奇妙な金属」領域 K. Takenaka et al., Phys. Rev. B 68, 134501 (2003).

固体中の電子の「個別認証」:(準)粒子 2pkF-1 l = vFt ランダウ フェルミ液体理論 「金属中の電子は粒子(波束)として振舞う」 電荷e、スピン1/2、運動量、エネルギー; 質量m*、磁気モーメントm* ARPES(光電子分光) 電気伝導 「準粒子」 散乱体 散乱体 2pkF-1 光電子強度 l = vFt kF l > 2p: 電気伝導は「準粒子」の運動量変化によりもたらされる。 E - EF(束縛エネルギー)

「奇妙な金属」領域の電子:「非粒子」 奇妙な金属 (T > T*) E – EF (束縛エネルギー, meV) 強い電子間相互作用 絡み合った秩序のゆらぎ → 激しい電子散乱 奇妙な金属 (T > T*) 「準粒子」 光電子強度 「非粒子」 E - EF(束縛エネルギー) E – EF (束縛エネルギー, meV)

「奇妙な金属」領域の電気抵抗率:「非粒子」の電気伝導 非飽和電気抵抗率 「非粒子」の集団的な運動 ? kF l < 2p 個々の粒子ではなく、集団的(流体的)に電流を運んでいる(?)。 K. Takenaka et al., Phys. Rev. B 68, 134501 (2003).

高温の「非粒子」から低温の「準粒子」へ 奇妙な金属 (T > T*) 擬ギャップ(T* > T > Tc) 擬ギャップ相: ノード近傍で粒子性が部分的に回復 。 奇妙な金属 (T > T*) 擬ギャップ(T* > T > Tc) E – EF (束縛エネルギー, meV)

擬ギャップ相:粒子性(コヒーレンス)の部分回復 擬ギャップ相: ノード近傍で粒子性が部分的に回復 。 S.I. Mirzaei, M.R. Greven, D. van der Marel et al., PNAS 110, 5774 (2013). N. Barisic, M. Dressel, M.R. Greven et al., PNAS 110, 12235 (2013).

擬ギャップ(T* > T > Tc) 高温の「非粒子」から低温の「準粒子」へ 奇妙な金属 (T > T*) 擬ギャップ(T* > T > Tc) 超伝導 (Tc > T) E – EF (束縛エネルギー, meV)

アナロジー (?) © 国立科学博物館 火の玉宇宙(全対称性、CP、 ゲージ、超対称) 非粒子  素粒子、宇宙、真空 冷却 アナロジー (?) 火の玉宇宙(全対称性、CP、 ゲージ、超対称) 非粒子  素粒子、宇宙、真空 冷却 Hong Liu, Physics Today (June 2012) 68. © 国立科学博物館

すべては「奇妙な金属」から生まれる: Tcはいくらでも高くなれる (?) 400 Strange Metal (奇妙な金属) T* 300 TN 温度 T (K) PG (擬ギャップ) 200 Tcon AF Tc 100 正常金属 (フェルミ液体) d-SC FL d波超伝導 0.1 0.2 0.3 正孔ドーピング量 p B. Keimer, S.A. Kivelson, M.R. Norman, S. Uchida, J. Zaanen, Nature 518, 179 (2015).

Supplementary Informations

量子臨界領域の普遍的性質 tp = Ceq ħ/kBT h/s = Cm ħ/kB (≥ħ/4p kB) Thermal equilibrium time tp, the time it takes for the system to relax back to local thermal equilibrium after it is disturbed by an arbitrary external perturbation. QC region is distinguished by its ability to relax to thermal equilibrium in the shortest possible time: tp = Ceq ħ/kBT The time is the shortest allowed by quantum mechanics: DE Dt ≥ ħ ; DE ~ kBT → Dt ~ t ≥ ħ/kBT QC fluid is a nearly perfect fluid with minimal shear viscocity h. h/s = Cm ħ/kB (≥ħ/4p kB) h = e(T)t(T), s ~ nkB,  e ~ nkBT → t(T) ~ ħ/4pkBT → r ~ T Charge transport originating from proximity to a QCP is inherently hydrodynamic. J.D. Rameau, P.D. Johnson et al., Phys. Rev. B 90, 134509 (2014).

Pure d-Wave SC in the OD Regime ? 200 PG SC fluctuations Temperature T (K) superfluid phase separated ? 100 Tc Fermi liquid d-SC AF 0.3 0.1 0.2 Hole doping p Y.J. Uemura, Solid State Commun.120, 347 (2001). Y.J. Uemura, J. Phys.: Condens. Matter 16, S4515 (2004). QCP ?

Anomalous Overdoped Regime: Superfluid Density “The superfluid density decreases, while the normal-state carrier density increases” Y.J. Uemura et al., Nature 364, 605 (1993). C. Bernhard et al., Phys. Rev. Lett. 77, 2304 (1996). 35

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Anomalous Overdoped Regime: Large Residual Conductivity and Absence of Josephson Plasma YBa2Cu3O7 A.V. Puchkov, T. Timusk et al., PRB 51, 3312 (1995). T. Pham et al, PRB 44, 5377 (1991). S. Uchida, K. Tamasaku, and S. Tajima, PRB 53, 14558 (1996). 37

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