エピソード記憶に訴えるBookmarkless Bookmarkの実現 大橋史武 粕谷英人 大久保弘崇 山本晋一郎 愛知県立大学大学院情報科学研究科
本発表の構成 背景 エピソード記憶とは? 本研究の目的 Bookmarkless Bookmarkシステム 結論 今後の課題
背景 インターネット接続環境の普及 では、過去に自分が閲覧したページは、 どのように管理しているか? WWWのブラウズによる情報収集が日常的に 一般的なユーザの1日の閲覧ページは約41ページ(2001年、BruceMcKenzie、AndyCockburnらの調査による) では、過去に自分が閲覧したページは、 どのように管理しているか?
過去に閲覧したページの再閲覧(1) ブックマークへ登録
過去に閲覧したページの再閲覧(2) 検索エンジン
過去に閲覧したページの再閲覧(3) ブラウザの履歴情報
過去に閲覧したページの再閲覧(4) 目的ページへの巡回経路を思い出す
これらの方法の問題点(1) ブックマークへ登録 後々どのページが必要となるか分らない 登録をしすぎると、本当に必要なページが分らなくなる カテゴリ分類の際には、カテゴリ間に重複が無いような工夫が必要 カテゴリ分類の取り違えは、参照の妨げに
これらの方法の問題点(2) 検索エンジン キーワードを思い出せないことが多々ある 見たことはあるが、辿ることのできないページ 検索結果として、無関係なページが多数表示されることも
これらの方法の問題点(3) ブラウザの履歴情報 目的のページを探すには情報が不足 曜日・週単位でのページの分類 ドメインごとの分類 ページのタイトル
これらの方法の問題点(4) 目的ページへの巡回経路を思い出す ユーザの全閲覧情報を管理するための 枠組みが求められる 目的ページまでの経路を思い出すのが困難なことも ユーザの全閲覧情報を管理するための 枠組みが求められる
エピソード記憶とは? 1971年にTulvingが提唱 個人的な経験に基づいた記憶 特定の日時や場所とともに貯蔵 意味記憶 (例)先日の21時ごろに○○サイトを見た 意味記憶 人々が大体共通して身に付けている一般的な知識 (例)Yahoo!のURLはhttp://www.yahoo.co.jp/
ウェブページに関するエピソード記憶 ウェブページに関しても同様に様々なエピソードにより閲覧ページを記憶 ユーザのエピソード記憶に訴えかける あるページからの巡回経路 ページの閲覧日時 閲覧場所 ユーザのエピソード記憶に訴えかける エピソード検索機能を提供する
本研究の目的 ユーザに快適なウェブページ閲覧環境を提供 Bookmarkless Bookmarkシステムを提案・実現 エピソード記憶に訴えるエピソード検索を提供
ウェブページ閲覧時の情報の流れ この情報の流れの中から、ユーザの閲覧情報が取得できないか? Request WWW network クライアントマシン Response .html この情報の流れの中から、ユーザの閲覧情報が取得できないか?
ウェブページ閲覧情報の収集 透過的に情報収集 Request WWW network .html Response .html log クライアントマシン Response .html 透過的に情報収集 Bookmarkless Bookmarkシステム .html log 全閲覧情報 データベース
データベースの構築 WWW network .html .html Request Request プロキシサーバ クライアントマシン .html .html プロキシサーバの構築にDelegate(http://www.delegate.org/)を利用 プロキシサーバ・データベースは、クライアントマシンで管理・利用 Bookmarkless Bookmarkシステム .html log 全閲覧情報 データベース
全閲覧情報DBのスキーマ アクセスログ 主キー リクエスト先URL アクセス日時 接続元ホスト名 リファラのURL ページの滞在時間 アクセスログ 主キー リクエスト先URL アクセス日時 接続元ホスト名 リファラのURL ページの滞在時間 検索エンジン名と検索語彙 外部キー キャッシュしたHTML文書へのパス HTML文書 主キー キャッシュしたHTML文書へのパス ページタイトル HTML文書 サムネイル画像
エピソード検索 閲覧日時 巡回経路 検索語彙 閲覧場所
閲覧日時
巡回経路
検索語彙 検索エンジンから到達したページの検索 閲覧日時による検索の検索結果 検索エンジンの指定・検索語彙の入力 検索エンジンから到達した場合に、検索語彙を表示 類似の検索語彙により到達したページ一覧の取得
閲覧場所 モバイルマシン等でのインターネット接続 ホスト名からIPアドレスを取得 持ち運んだ場所により接続方法が異なる 自宅 会社 インターネットカフェ ホットスポット ホスト名からIPアドレスを取得 閲覧場所による検索を可能とする
実装 現状では閲覧時間による検索、巡回経路による検索は実装済み 検索語彙による検索に関しては、検索エンジン名と検索語彙の取得は完了 閲覧場所による検索に関しても、ホスト名の取得は完了
結論 ウェブページの全閲覧情報を管理し、エピソード検索により過去に閲覧したページが、効率的に検索可能 情報収集のための快適なウェブページ閲覧 環境を提供
今後の課題 エピソード記憶の考え方をeメールにも適用 エピソードの追加 本システムの定量的な評価