電気回路学のまとめ 平成20年度開講分 講義資料のダウンロード http://www5a.biglobe.ne.jp/~babe 講義資料のダウンロード http://www5a.biglobe.ne.jp/~babe 質問等は E-mail: yamada@ecei.tohoku.ac.jp まで 山田 博仁
8章 回路に関する諸定理 = + + E1 E2 J1 E1 J1 E2 R Z L 8.1 重ね合わせの理 8章 回路に関する諸定理 8.1 重ね合わせの理 ・線形回路においては、重ね合わせの理が成り立つ ・重ね合わせの理とは、複数の電源(電圧源或いは電流源)からなる回路網の各節点での電圧、各枝に流れる電流は、どれか一つの電源のみを残し、残りは全て殺した状態を、全ての電源に対して重ね合わせたものになる ・電源を殺すとは、電圧源は除去して短絡し、電流源は除去して開放すること 線形回路網 E1 E2 J1 3つの電源がある場合 E1 線形回路網 E1のみを残した場合 J1 線形回路網 J1のみを残した場合 E2 線形回路網 E2のみを残した場合 = + + 8.2 逆回路 ・二つの回路のインピーダンスを Z1, Z2 とするとき、その積が周波数 ω に関係なく Z1 Z2 = R02 (R0は正の定数)となるならば、二つの回路は R0 に関して互いに逆回路である R0 に関して 互いに逆回路 R Z L
8章 回路に関する諸定理 8.2 逆回路の求め方 ・まず、双対な回路を求めて、次に、対応する素子同士が、互いに逆回路の関係を満たすように 8章 回路に関する諸定理 8.2 逆回路の求め方 ・まず、双対な回路を求めて、次に、対応する素子同士が、互いに逆回路の関係を満たすように 素子の値を決めていけばよい ・双対な回路を作るには、素子が直列なら並列に、並列ならば直列に接続し直し、対応する素子 同士も互いに双対(RはG(R)に、LならばCに、CならばLに)な関係となるように作っていく ただし、
8章 回路に関する諸定理 Z Z Z L Z L 8.2 定抵抗回路 8章 回路に関する諸定理 8.2 定抵抗回路 定抵抗回路とは、そのインピーダンスの値が周波数 ω に依存しない二端子回路のこと 逆回路を組み合わせることによって、様々な定抵抗回路が得られる 以下は定抵抗回路の例であり、端子間のインピーダンスの値はいずれも R0 である Z Z Z L Z L (a) (b) (c) (d) 定抵抗回路の例
8章 回路に関する諸定理 Iq Ep p q Ip’ Eq’ Vq Jp p q Vp’ Jq’ v1(1) 1 2 i1(1) v2(1) 8章 回路に関する諸定理 8.3 相反定理 内部に電源を含まない相反回路においては、ある枝 p に電圧源 Epを入れた場合に、別のある枝 q を流れる電流が Iq だったとすると、 逆に枝 q に電圧源 Eq’を入れた場合に、枝 p を流れる電流が Ip’となるとき、EpIp’ =Eq’Iqの関係が成立つ (これを相反定理という) 内部に電源を含まない相反回路においては、ある枝 p に電流源 Jpを入れた場合に、別のある枝 q に生じる電圧が Vq だったとすると、逆に枝 q に電流源 Jq’を入れた場合に、枝 p に生じる電圧が Vp’となるとき、JpVp’ =Jq’Vqの関係が成立つ (これも相反定理である) Iq Ep p q 相反回路 Ip’ Eq’ Vq Jp p q 相反回路 Vp’ Jq’ v1(1) 1 2 回路1 回路2 i1(1) v2(1) i2(1) v1(2) i1(2) v2(2) i2(2) 補足 Tellegenの定理 相反定理は、より一般的には同じグラフを持つ異なる回路の間でも成り立ち、この場合は以下の式で表され、Tellegenの定理と呼ばれる
8章 回路に関する諸定理 Z0 V0 Z0 I0 V0 I0 Z0 or Z I V Y 8.4 等価電源の定理 8章 回路に関する諸定理 8.4 等価電源の定理 周波数の等しい複数個の電源を含む回路がある場合、その回路の一端子対から見た回路は、下記の等価電源に置き換えられる。ただし、端子対から見たインピーダンスを Z0、端子を開放した時に現れる電圧を V0、端子を短絡した時に流れる電流を I0とする。また、V0 = Z0 I0の関係がある。 Z0 V0 等価電圧源 複数の電源を含む回路 Z0 I0 等価電流源 V0 I0 Z0 or 従って、この端子対に負荷インピーダンス Z を接続したとき、負荷に流れる電流 I は、 Z I 複数の電源を含む回路 で与えられる。(テブナンの定理 or ヘルムホルツの定理) また、この端子対に負荷アドミタンス Y を接続したとき、負荷の両端に現れる電圧Vは、 V Y 複数の電源を含む回路 で与えられる。(ノートンの定理) ただし、
補足 等価電源 5A 3W 6W 6V 6W 6V 5A 3W 6W 1A 6W 1A 5A 3W 2W 6A 2W 12V 例題8.5 補足 等価電源 例題8.5 下の回路と等価な電源を求めよ (ただし、電圧源と電流源は同相とする) 5A 3W 6W 6V 6W 6V 5A 3W 6W 1A 6W 1A 5A 3W 2W 6A または、 2W 12V とも表せる
補足 等価電源 E1 Y1 E2 Y2 El Yl V0 I1+I2+‥ +Il Y1+Y2+‥ +Yl V0 Il Yl I1 Y1 I2 補足 等価電源 例題8.6 下の回路と等価な電源を求めよ (ただし、全ての電圧源は同相である) E1 Y1 E2 Y2 El Yl V0 I1+I2+‥ +Il Y1+Y2+‥ +Yl V0 Il Yl I1 Y1 I2 Y2 I1=Y1E1 I2=Y2E2 Il=YlEl 帆足-ミルマンの定理 演習問題(8.16) J1 Z1 J2 Z2 Jl Zl Z1 Z1J1 Z2 Z2J2 Zl ZlJl
補足 供給電力最大の法則 E Z0 = R0 + jX0 Z = R + jX Z = Z0 即ち、 R = R0, X = X0 補足 供給電力最大の法則 E Z0 = R0 + jX0 Z = R + jX 電源側 負荷側 電源の内部インピーダンス 負荷インピーダンス 電源から最大の電力を引き出すには、インピーダンス整合を行う インピーダンス整合条件 Z = Z0 即ち、 R = R0, X = X0 または、 Z = Z0* 即ち、 R = R0, X =-X0 共役整合 反射係数 或いは Z = R + jX P: 負荷で消費 される電力 負荷に向かう電力 Pmax 負荷から反射される電力 Z0 = R0の時、r = r’ つまり、 :電力(パワー)反射率
9章 二端子対回路網 V2 I2 I1 V1 z12 z11 z21 z22 1 1’ 2 2’ V1 = z11 I1 + z12 I2 9章 二端子対回路網 9.3 インピーダンス行列 (Z行列) V2 I2 I1 V1 z12 z11 z21 z22 1 1’ 2 2’ V1 = z11 I1 + z12 I2 z11, z12, z21, z22 を インピーダンスパラメータ or Zパラメータと言う V2 = z21 I1 + z22 I2 相反回路なら、 z12 = z21 インピーダンス行列 (Z行列) 対称回路なら、 z11 = z22 各々のZパラメータの意味とその求め方 (開放駆動点インピーダンス) I2 = 0、即ち出力端(2-2’)を開放した状態でのV1/I1の値 2-2’にI2を流した場合のV1を求め、その比をとる (開放伝達インピーダンス) I1 = 0、即ち入力端(1-1’)を開放した状態でのV1/I2の値 1-1’にI1を流した場合のV2を求め、その比をとる (開放伝達インピーダンス) I2 = 0、即ち出力端(2-2’)を開放した状態でのV2/I1の値 (開放駆動点インピーダンス) I1 = 0、即ち入力端(1-1’)を開放した状態でのV2/I2の値
9章 二端子対回路網 V2 I2 I1 V1 y12 y11 y21 y22 1 1’ 2 2’ I1 = y11 V1 + y12 V2 9章 二端子対回路網 9.2 アドミタンス行列 (Y行列) V2 I2 I1 V1 y12 y11 y21 y22 1 1’ 2 2’ I1 = y11 V1 + y12 V2 y11, y12, y21, y22 を アドミタンスパラメータ or Yパラメータと言う I2 = y21 V1 + y22 V2 相反回路なら、 y12 = y21 アドミタンス行列 (Y行列) 対称回路なら、 y11 = y22 各々のYパラメータの意味とその求め方 (短絡駆動点アドミタンス) V2 = 0、即ち出力端(2-2’)を短絡した状態でのI1/V1の値 2-2’にV2を印加した場合のI1を求め、その比をとる (短絡伝達アドミタンス) V1 = 0、即ち入力端(1-1’)を短絡した状態でのI1/V2の値 1-1’にV1を印加した場合のI2を求め、その比をとる (短絡伝達アドミタンス) V2 = 0、即ち出力端(2-2’)を短絡した状態でのI2/V1の値 (短絡駆動点アドミタンス) V1 = 0、即ち入力端(1-1’)を短絡した状態でのI2/V2の値
9章 二端子対回路網 I1 I2 V1 = A V2 + B I2 1 2 A B I1 = C V2 + D I2 V1 V2 C D 9章 二端子対回路網 9.4 縦続行列 (K行列 or F行列) 向きに注意 I1 I2 V1 = A V2 + B I2 A, B, C, D を Kパラ、Fパラ、 四端子定数などと言う 1 2 A B I1 = C V2 + D I2 V1 V2 C D 相反回路なら、 AD – BC = 1 1’ 2’ 入出力を逆にした回路に対しては、 縦続行列 (K行列 or F行列) 各々のKパラメータの意味とその求め方 1-1’にV1を印加した場合のV2を求め、その比をとる (出力端開放時の電圧帰還率) I2 = 0、即ち出力端(2-2’)を開放した状態でのV1/V2の値 1-1’にV1を印加した場合のI2を求め、その比をとる (出力端短絡時の伝達インピーダンス) V2 = 0、即ち出力端(2-2’)を短絡した状態でのV1/I2の値 (出力端開放時の伝達アドミタンス) 1-1’にI1を流した場合のV2を求め、その比をとる I2 = 0、即ち出力端(2-2’)を開放した状態でのI1/V2の値 (出力端短絡時の電流帰還率) 1-1’にI1を流した場合のI2を求め、その比をとる V2 = 0、即ち出力端(2-2’)を短絡した状態でのI1/I2の値
9章 二端子対回路網 I2 I1 V1 z12’ z11’ z21’ z22’ z12” z11” z21” z22” V2 V2 I2 9章 二端子対回路網 9.3 直列接続 (回路の直列接続を扱うにはZ行列が便利) I2 I1 V1 z12’ z11’ z21’ z22’ z12” z11” z21” z22” V2 9.2 並列接続 (回路の並列接続を扱うにはY行列が便利) V2 I2 I1 V1 y12’ y11’ y21’ y22’ y12” y11” y21” y22”
9章 二端子対回路網 V1 I1 V2 I2 B’ A’ C’ D’ B” A” C” D” Z12 Z31 Z23 Z1 Z3 Z2 9章 二端子対回路網 9.4 縦続接続 (回路の縦続接続を扱うにはK行列が便利) V1 I1 V2 I2 B’ A’ C’ D’ B” A” C” D” 9.8 Y-D変換 Z12 Z31 Z23 Z1 Z3 Z2 p形回路 (D接続) T形回路 (Y接続)
補足 諸行列間の関係 ただし、
10章 二端子対回路網 E ZL ZG Zin ZL Zout ZG E = 0 10.1 二端子対網における入力、出力インピーダンス 10章 二端子対回路網 10.1 二端子対網における入力、出力インピーダンス ZG : 電源の内部インピーダンス E ZL ZG 電源 負荷 二端子対 回路 右の図のように、二端子対回路に 電源と負荷を繋いだ場合 入力インピーダンス Zin : 電源から負荷側を見たインピーダンス V1 I1 Zin ZL 二端子対 回路 出力インピーダンス Zout : 電源を殺した状態で、負荷から電源側を見たインピーダンス V2 I2 Zout ZG 二端子対 回路 E = 0
補足 伝送量 対数(デシベル)表示 電圧、電流の比 電力(パワー)の比 絶対レベル 覚えておくと便利 補足 伝送量 対数(デシベル)表示 電圧、電流の比 電力(パワー)の比 絶対レベル 覚えておくと便利 ・ 電力比で10倍 = 10 dB (電圧比、電流比なら20 dB) ・ 電力比で2倍 = 約3 dB (電圧比、電流比なら約6 dB) ・ 電力比で5倍 = 約7 dB (電圧比、電流比なら約14 dB) ・ 絶対レベルで1 mW = 0 dBm
10章 円線図 Zin ZL j j ejr r 円線図とは、回路の何らかの特性を複素平面上に円や直線の軌跡として描いたもの 10章 円線図 円線図とは、回路の何らかの特性を複素平面上に円や直線の軌跡として描いたもの 例えば、ZLの変化に応じてZinが変化する様子は、 Zin ZL で表される このような式の形を、一次分数関数 (双一次関数)という (z の一次分数関数) 複素平面上で z が円(直線も r = ∞の円と考える)を描くならば、 w も円を描く つまり、一次分数関数は、複素平面上の円を円に写像する (平行移動) (相似回転) wの円 j j ejr 回転 H1 z の円 r |H2|z の円 相似変換 wの円 z の円
10章 円線図 j 点Aに対しての反転である点Bは、点Aと原点0を結ぶ直線上にある A j B z (1, 0) A j B z 10章 円線図 j z の円 wの円 鏡像 反転 (反転鏡像) z の円を反転( をとること)し、実軸に対しての鏡像(その複素共役)をとる 反転操作とは、 点Aに対しての反転である点Bは、点Aと原点0を結ぶ直線上にある (a) z が原点を含まない円を描く場合 (b) z が原点を含む円を描く場合 (c) z が直線を描く場合 A j B z (1, 0) A j B z (1, 0) A j B z (1, 0)
10章 円線図の描き方 j jX R = 0 R = ∞ j R X = 0 X = +∞ X = -∞ R Z jX j j X 10章 円線図の描き方 インピーダンスの場合 j jX X 固定、R 可変(R > 0)の場合 R = 0 R = ∞ j R 固定、X 可変 R X = 0 X = +∞ X = -∞ R Z jX R と jX の直列接続 j j X R = ∞ X 増大 鏡像 R Z jX R と jX の並列接続 鏡像 R 増大 R R = 0 X = 0 X = +∞ 1/R X = ∞ X=0 X = -∞ X 1/X R = ∞ R = 0 反転 X 減少 反転 R = ∞ X 固定、R 可変 R 固定、X 可変(X > 0) R 固定、X 可変(X < 0)
10章 円線図の描き方 R Z jX V I j I jXI RI V X = 0 X = +∞ X = -∞ j I RI jXI V 10章 円線図の描き方 電圧、電流の場合 R Z jX V I R と jX の直列接続 どちらかを基準(実軸上)にとる j I jXI R 固定、X 可変の場合 RI V X = 0 X = +∞ X = -∞ j I RI jXI X 固定、R 可変(R > 0)の場合 V R = 0 R = ∞ 電圧線図を描いてみよう 電流フェーザを実軸上にとると 電圧線図 j R = 0の時 V jXI V Rが大きくなるにつれて さらに大きくなると V jXI I X 固定、R 可変の場合
第8章 分布定数線路 i v v+Dv i+Di RDx LDx CDx GDx Dx 8.1 線路の伝送方程式 伝送線路の一次定数 第8章 分布定数線路 8.1 線路の伝送方程式 i v v+Dv i+Di RDx LDx 伝送線路の一次定数 R: 線路単位長当りの抵抗 (W/m) L: 線路単位長当りのインダクタンス (H/m) CDx GDx C: 線路単位長当りの容量 (F/m) G: 線路単位長当りのコンダクタンス (S/m) Dx 伝送線路の一部を切り取ったものの等価回路 伝送路微小区間Dxの等価回路に対してキルヒホッフの法則を用いると、 従って、 伝送の 基礎方程式 v, i は t および x の関数、即ちv(t, x), i(t, x)
第8章 分布定数線路 8.2 伝送方程式の定常解 正弦波交流の場合、v(t, x), i(t, x) は、 で与えられる。 第8章 分布定数線路 8.2 伝送方程式の定常解 正弦波交流の場合、v(t, x), i(t, x) は、 で与えられる。 ここで、w : 角周波数 伝送の基礎方程式に当てはめて解くと、 波動方程式 が得られる。 ただし、R + jw L = z, G + jw C = y と置いた この波動方程式の解は、以下の形で与えられる。 は境界条件(電源や負荷の状態)に よって定まる積分定数 伝送線路の二次定数 ここで、 従って、 g : 伝搬定数 a : 減衰定数 単位: ネーパ (Np) b : 位相定数 単位: ラジアン (rad) Z0 : 特性インピーダンス 単位: オーム (W)
第8章 分布定数線路 -x方向に進む波 +x方向に進む波 ZL E x x = 0 8.3 波の伝搬 時間依存因子e jw t を含む伝送式 第8章 分布定数線路 8.3 波の伝搬 時間依存因子e jw t を含む伝送式 e j(w t±b x) は、∓ x方向に進む角周波数 w, 位相定数 b の正弦波を表す ここで、 vp: 位相速度 -x方向に進む波 +x方向に進む波 l : 波の波長 (入射波) (反射波) ZL 受電端 送電端 E x 入射波 反射波 x = 0 ただし、
第8章 分布定数線路 l V0 I0 Vx Ix x x = 0 Z0, g 8.4 線路の縦続行列 受電端 送電端 第8章 分布定数線路 8.4 線路の縦続行列 受電端 送電端 l V0 I0 Vx Ix x x = 0 Z0, g 受電端電圧 V0 および電流 I0で、伝送線路上の任意の点 x での電圧 Vx および電流 Ix を表すと、 または、 特性インピーダンス: Z0, 伝搬定数: g, 長さ: l の線路に対するK行列 線路は、対称、相反(可逆)回路
第8章 分布定数線路 Is Ix Vs Zin Z0, g Zx Vx xs = x + l l x Is Ix I0 Z0 Vs Zin 第8章 分布定数線路 8.5 波の反射 1. 半無限長線路 (x →∞) Is Ix 送電端 Vs Zin Z0, g Zx Vx 無限長 無反射 xs = x + l l x 2. 線路の特性インピーダンスに等しいインピーダンスの値の負荷 Z0で終端した場合 Is Ix I0 送電端 受電端 Z0 Vs Zin Z0, g Zx Vx V0 xs x x = 0 インピーダンス整合 l 無反射
第8章 分布定数線路 Is Ix I0 Vs Z0, g Zin Zx Vx V0= 0 xs x x = 0 l 定在波 xs x = 0 第8章 分布定数線路 8.5 波の反射 (続き) 3. 受電端を短絡した場合 送電端 Is Ix I0 受電端 Vs Z0, g Zin Zx Vx V0= 0 短絡 xs x x = 0 全反射 l 定在波 xs x = 0 短絡 bx=0 電圧 電流
第8章 分布定数線路 Is Ix I0= 0 Vs Z0, g Zin Zx Vx V0 xs x x = 0 l 定在波 xs x = 0 第8章 分布定数線路 8.5 波の反射 (続き) 4. 受電端を開放した場合 送電端 Is Ix I0= 0 受電端 Vs Z0, g Zin Zx Vx V0 開放 xs x x = 0 全反射 l 定在波 xs x = 0 開放 bx=0 電圧 電流
第8章 分布定数線路 8.6 反射係数 Zx Z0, g Z x x = 0 電圧反射係数
補足 理想線路と無歪線路 t A0 t0 f(t) g(t) 理想線路 補足 理想線路と無歪線路 理想線路 R = G = 0 の時、無損失(a = 0)かつ無歪となり、理想線路と呼ぶ また、 よって、 無歪線路 t A0 t0 f(t) g(t) 入力信号波形 出力信号波形 (ⅰ) 減衰定数(或いは増幅利得)が周波数に無関係に一定 (A0は周波数に依らない) (ⅱ) 位相定数は周波数に比例する (或いは、位相速度 vp が一定である) 伝送線路のパラメータとしてこの条件を与えるには、 ・ a が一定 ・ b が w に比例 ・ Z0が一様 は無歪の条件でもある
第9章 分布定数回路としての線路 V0 I0 I2(x) I1(x) ZL Z01 g1 Z02 g2 V2(x) V1(x) x = 0 第9章 分布定数回路としての線路 9.1 複合線路 2種類の線路の縦続接続 V0 I0 I2(x) I1(x) ZL Z01 g1 Z02 g2 V2(x) V1(x) x = 0 x 各々の線路上の電圧、電流 および Z01 g1 Z02 g2 電圧および電流ベクトルの方向 接続点(x = 0)での電圧、電流 電圧波および電流波の進行方向 ただし、
第9章 分布定数回路としての線路 Z02 x=0 Z01 g1 g2 V0 I0 9.1 複合線路 (続き) 即ち、 第9章 分布定数回路としての線路 9.1 複合線路 (続き) Z02 x=0 Z01 g1 g2 V0 I0 即ち、 負荷インピーダンス ZLが第二の線路の特性インピーダンス Z02に等しいか、或いは第二の線路が無限に長いとき、第二の線路上に反射波はない。 従って、 接続点での 電圧反射係数 電流反射係数 電圧透過係数 電流透過係数 接続点における電圧 V0および電流 I0によって各線路上の電圧および電流を表せば、
第9章 分布定数回路としての線路 Z01, g1 Z02, g2 l1 l2 Z01, g1 Z0, jb l =l/4 Z02, g2 第9章 分布定数回路としての線路 9.1 複合線路 (続き) 複合線路の縦続行列 Z01, g1 Z02, g2 l1 l2 インピーダンス整合 特性インピーダンスが Z01および Z02の線路の間に、特性インピーダンス Z0の値が 長さ l = l/4の無損失線路を挿入すれば、インピーダンス整合がとれる。 Z01, g1 Z0, jb l =l/4 Z02, g2 伝搬定数 g = jb (無損失)
第9章 分布定数回路としての線路 9.2 無損失線路の伝送式 第9章 分布定数回路としての線路 9.2 無損失線路の伝送式 R = G = 0の線路、即ち無損失線路ではa = 0より、g = jb となり、任意点 x (受電端を x = 0)における電圧、電流は以下の式で与えられる。ただし、V0, I0 は受電端の電圧、電流 の公式を使用 入射波と反射波成分で表せば、 上式を、受電端における電圧反射係数 で表せば、 ただし、 (点 x における入射電圧波) (受電端 x = 0 における入射電圧波)
補足 線路上の電圧、電流の円線図 p x = x1 x = x2 ZL Z0 x = 0 Vmin Vmax x1 x2 Vx l/4 補足 線路上の電圧、電流の円線図 線路上の2つの点 x1 と x2 における電圧と電流の関係がちょうど下図のように逆になった時、 p x = x1 x = x2 ZL Z0 x = 0 Vmin Vmax x1 x2 Vx l/4 2点間の距離は、
第9章 分布定数回路としての線路 ZL Z0 x = 0 Vmax Vmin Vx l/4 9.2.3 定在波比 第9章 分布定数回路としての線路 9.2.3 定在波比 無損失線路の受電端に任意の負荷 Z を接続すると、線路上の電圧 Vx および電流 Ix は、l/4間隔ごとに最大値と最小値を繰り返し、電圧が最大(小)値となる点では電流が最小(大)値をとる。 ZL Z0 x = 0 Vmax Vmin Vx l/4 定在波比 定在波比SWRと反射係数G0との間には以下の関係がある