重症心身障害児者等 支援者育成研修テキスト 5 ライフステージにおける支援④ 学齢期における支援

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実践編 次のような処方箋と簡単な患者情報とともに在宅訪問依頼が来 た。 さて、何を準備し、何をチェックし、どのように多職種と連携 をとることが求められるか。 ワークシートを参考に考えてみましょう。
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設置者・管理者の責務② ~職員の育成指導等~ 平成 26 年度 青森県障害者虐待防止・権利擁護研修 公益社団法人 日本社会福祉士会 平成 26 年度障害者虐待防止・権利擁護指導者養成研修から.
在宅向け・介護用小型リフト 平成26年11月20日    株式会社ミハマ.
特別養護老人ホームさくら園 副施設長 金谷 龍太郎
重症児のケアについて 枚方療育園 リハビリテーション科 上原 隆浩
アンケート① 病院組織.
特別養護老人ホーム 比謝川の里 看護師 宮城 浩彰
デイケアの施設基準 リハビリテーションを目的とした医療機関です Heart land
看護師がお宅へ訪問し、 疾患や障がいを持っていても、 在宅で安心して生活してゆけるよう お手伝いします。
重症心身障害児者等 コーディネーター育成研修 3 支援体制整備③ 医療・福祉・教育の連携
体重増加 短期間で 急に太った いつもと同じ食生活をしているのに… 定期的に運動をしているのに…
重症心身障害児者等 支援者育成研修テキスト 4 連携② 連携・協働の必要性
経管栄養の技術      及び関連するケア.
二分脊椎症 ~医学生として~ Tsukuba Univ. 塩田 勉.
第3回はままつCDE研究会 アンケート集計結果
がんの家族教室 第2回 がんとは何か? 症状,治療,経過を中心に
広島県西部地域保健対策協議会 ●設置目的   広島西二次保健医療圏(大竹市・廿日市市)における住民の健康の保持・増進と福祉の向上に寄与するため,保健・医療・福祉に関する事項について調査・協議し,必要な事業を実施する。 ●設立年月日 平成 9 年11月27日 ●構成団体(大竹市・廿日市市域の22機関・団体)
NICUとは? 救命・集中治療の場として 生体モニター シリンジポンプ 人工呼吸器 保育器 まず最初にNICUについて簡単にご紹介します。
~研究会の取組及び研究主題について~ H21.12.24 於:京都市立西総合支援学校
薬物乱用防止教室 健康で幸せな生活を送るために.
脳性まひをもつ 子どもの発達 肢体不自由児の動作改善を目指して 障害児病理・保健学演習 プレゼンテーション資料 2000年2月24日
趣旨  平成22年4月1日厚生労働省(医政発0401第17号) 各都道府県知事にあて発令された文章を受けて 県内各施設における医療的ケアを実践的に 指導できる看護職員を養成することを目的
訪 問 看 護(初級編) 13時~16時 定員20名 はじめの一歩 第1回平成28年 9月25日(日) 第2回平成28年12月11日(日)
学習目標 関節リウマチ患者,脊髄損傷患者について 1.姿勢保持訓練について説明できる. 2.移動訓練について説明できる. 3.作業療法について説明できる. 4.看護において,どのような社会資源を活用できるかを理解している. 5.看護において,どのような心理的援助が必要か理解している. 6.それぞれの家族へ,どのような介護指導をすべきか述べることができる.
重症心身障害児者等 コーディネーター育成研修 3 支援体制整備④ 資源開拓・創出方法
在宅ホスピスケア実施におけるSTAS-Jの有用性
看護技術各論Ⅱ Positioning 体位変換.
1.心身の発達と健康な結婚生活 2.結婚生活と家族の健康
重症心身障害児者等 支援者育成研修テキスト 5 ライフステージにおける支援① 各ライフステージにおける 相談支援に必要な視点
高齢者の食事援助 高齢者の心身の特徴と食事.
「保育所等におけるアレルギー対応」 厚生労働省 平成28年度保育所等事故予防研修会 国立病院機構 福岡病院 名誉院長 西間 三馨
口の中をみる 常に口腔の健康管理を! 口腔ケアの充実 歯科 歯科疾患予防+誤嚥性肺炎予防+食支援 最期まで「口から食べること」を支えるために
持参薬変更時の注意点 平成23年4月 日本薬剤師会.
2007年10月14日 精神腫瘍学都道府県指導者研修会 家族ケア・遺族ケア 埼玉医科大学国際医療センター 精神腫瘍科 大西秀樹.
こける(転倒) よろめく (バランス能力の低下) 入れ歯の問題 噛む力が落ちる 食いしばれない 歯がぐらぐらする 入れ歯を使用しない
学習目標 1.在宅療養者の特徴を理解する. 2.在宅療養の成立条件を理解する. 3.地域社会やシステムの改善の必要性を理解する. 4.保健・医療・福祉の連携の必要性を理解する. 5.施設と在宅を結ぶ看護継続の視点を理解する. 6.在宅看護の継続の視点とそのしくみを理解する. SAMPLE 板書(授業終了まで消さない)
第9回(第12回) 女性・中高年・障害者とスポーツ
第9回(第12回) 女性・中高年・障害者とスポーツ
一般財団法人 仁風会 嵯峨野病院 在宅事業部長 川添チエミ
学習目標 1.急性期の意識障害患者の生命危機を回避するための看護がわかる. 2.慢性期の意識障害患者の回復に向けた看護がわかる. 3.片麻痺患者のADL獲得に向けた看護がわかる. 4.失行・失認の患者が生活に適応するための看護がわかる. 5.失語症の患者のコミュニケーション方法の確立に向けた看護がわかる.
SAMPLE 1.人間の活動・運動の意義が理解できる. 2.随意運動の成り立ちが理解できる. 3.同一体位による身体への影響が理解できる.
医療法人社団 白木会 地域栄養サポート自由が丘 訪問管理栄養士 米山 久美子
健康のとらえ方.
トータス往診クリニック 国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科 大橋 晃太
~研究会の取組及び研究主題について~ H21.12.24 於:京都市立西総合支援学校
各論1A【症例2】 訪問看護 1 痛みは緩和できているが寝たきり →本人の希望?ポート、カテーテルによる?
末期がん 【症例2】 ・口腔衛生不足 ・歯科疾患(う蝕・歯周病) ・口腔乾燥、口内炎、出血、 味覚異常など ・摂食嚥下機能低下
【「患者のための薬局ビジョン」における薬剤師・薬局の機能概要】
食アセⅢ宿題(雨海照祥)事例 受講番号 氏名
途中、企業展示見学の時間を設けています。
経過のまとめ 家族歴、基礎疾患のない14歳女性 筋力低下、嚥下障害を主訴としてDM発症 DMは、皮膚症状と筋生検にて確定診断
重症心身障害児者等 コーディネーター育成研修 2 計画作成③ 重症心身障害児者等の ニーズ把握事例 ~久留米市のコーディネートの現状~
各論1A【症例1】 訪問看護 1 訪問看護師が注目する問題 繰り返される誤嚥性肺炎 →嚥下機能低下に合わせた食事形態になっていない
地域リハビリテーション -訪問リハビリテーションを中心に-
肺の構造. 肺の構造 肺の間質とは? IPF(特発性肺線維症)とは? IPF患者さんの肺の画像(胸部X線)
オフィス藤田 グループホーム燦々(さんさん) 看護師 介護支援専門員 古城順子
今後めざすべき基本目標 ―「ケアの流れ」を変える―
釧路・根室地域における 経管栄養・PEGの実際
     【症例2:91歳女性】  認知症、胆管がん 20XX年 1月(90歳): ・アルツハイマー型認知症の疑い、骨粗鬆症、変形性膝関節症で近医にて加療 ・黄疸のため近隣の病院にて入院加療。胆管ステント留置し退院 ⇒加療が奏功し、全身状態は比較的安定 ・サービス付き高齢者向け住宅に入所し療養 ・廃用により体幹・下肢筋力低下。ほぼベッド上での生活。移動はストレッチャ型車いす.
学習目標 1.栄養代謝機能に影響を及ぼす要因について説明することができる. 2.栄養代謝機能の障害による影響を,身体,精神機能,社会活動の三側面から説明することができる. 3.栄養状態をアセスメントする視点を挙げることができる. 4.栄養状態の管理方法について説明することができる. SAMPLE 板書.
ケアマネジャーの皆様 利用者さんのことでの悩みや困りごと ありませんか? 地域の訪問看護ステーションに ぜひ、ご相談ください ☎
口腔保健支援センターの歯科保健指導の業務カタログ
在宅医療施策の取組状況と今後の展開(案)
発 達 障 が い 児 者 支 援 に 関 す る 主 な 取 組 平成30年度当初予算 218,554千円
HIV感染症患者のケアの中で 精神科疾患や薬物依存症以外の
発 達 障 が い 児 者 総 合 支 援 事 業 平成29年度予算 218,128千円
南魚沼市民病院 リハビリテーション科 大西康史
老年看護学概論 第2回 「高齢者の理解」 担当:鈴木直美.
若年性認知症の人への支援 若年性認知症支援コーディネーター これらの支援を一体的に行うために を各都道府県に配置
訪問リハビリと地域連携 ~利用者様の夢の実現~
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重症心身障害児者等 支援者育成研修テキスト 5 ライフステージにおける支援④ 学齢期における支援 重症心身障害児者等 支援者育成研修テキスト 5 ライフステージにおける支援④                                                学齢期における支援     

学齢期の支援 医療ニーズの 増加 介護負担の 増加 <支援> 学校教育 学校での適切な 医療的配慮対応 放課後デ イサービス 成長による体の変化 プラス面もあるがマイナス面も大きい 体格の増大 筋緊張亢進 側彎・胸郭変形 四肢拘縮 呼吸障害の発生・悪化 嚥下機能の低下→誤嚥 胃食道逆流の発生・悪化 母親の不調  (更年期など) 父親の職場での 責任の増加 医療ニーズの    増加 介護負担の   増加 <支援> 学校教育 学校での適切な 医療的配慮対応 放課後デ イサービス 訪問看護訪問支援 レスパイト ショートステイ 学校・デイサービスなどでの医療的ケア 1

成長による脊柱・体幹・胸郭の変形 12歳 14歳 18歳 20歳 中学生のころより徐々に側彎が進行 事例 C 高校卒業のころには座位保持が困難に 事例 C 12歳 14歳 18歳 20歳 2

この時期の適切な対応が重要  学齢期に経管栄養を開始した脳性麻痺児の     経管栄養開始時の学年 3

母は、「教員の摂食介助法が悪かった」との意見 嚥下造影検査(VF) → 母による摂食介助でも誤嚥あり  事例  脳性麻痺  14歳~ 気道感染での体調不良増加 15歳 給食摂取中に呼吸状態悪化し、入院     誤嚥性肺炎と診断     母は、「教員の摂食介助法が悪かった」との意見  嚥下造影検査(VF) → 母による摂食介助でも誤嚥あり      → 本児の嚥下機能自体の悪化によるものとの         共通理解 へ  <嚥下造影検査からの方針>  上体45度姿勢、ペースト食では誤嚥なし(覚醒度良い時)           水分はこの姿勢でも誤嚥あり  →覚醒度が良い時はペースト状食事の経口摂取は上体    角度45度で可、水分は経管注入、覚醒度が悪い時は 栄養剤も注入。 学校で、医療的ケア実施体制の中で、 看護師と教員が経管注入を行う。 4

思春期の体の変化、早期老化・老化、廃用性機能低下 変形・拘縮、緊張、胃食道逆流症、気管軟化症、他 ・疾患特有の、加齢による変化 機能状態の変化・悪化の要因 ・成長、加齢による、変化   思春期の体の変化、早期老化・老化、廃用性機能低下   変形・拘縮、緊張、胃食道逆流症、気管軟化症、他 ・疾患特有の、加齢による変化   基礎疾患(進行性疾患、神経変性疾患)進行による悪化   進行性でない疾患での、加齢により生ずる特有の変化    アテトーゼ型脳性麻痺 ー 頸髄症・頚椎症     ダウン症 ー退行、早期老化、他 ・一時的要因による機能状態変化と、その恒常化   病気入院、気付かれない骨折(腰椎、大腿骨) 他 ・精神的要因、環境要因による悪化 ・薬の影響-薬の副作用による機能低下 ・周期的変化    生理周期(月経前緊張症など) 季節的変化 5