2015年度 地域チームリハビリテーション学 在宅生活を支える 社会福祉士の役割 2015年度 地域チームリハビリテーション学 在宅生活を支える 社会福祉士の役割 中部学院大学人間福祉学部准教授 (元一般社団法人岐阜県社会福祉士会会長) 宮 嶋 淳
保健医療2035~健康先進国へ(2015.6.) 3つのビジョン ビジョン実現のためのガバナンス リーン・ヘルスケア~保健医療の価値を高める~ ライフ・デザイン~主体的選択を社会で支える~ グローバル・ヘルス・リーダー~日本が世界を牽引~ ビジョン実現のためのガバナンス 透明&説明責任のある保健医療システム 財政&提供体制のガバナンス改革 地域の実情に応じた分権的な仕組み
地域の実情に応じた医療提供システム 2025年の超高齢社会 対応 医療の質の転換・・・OECDの評価と提言 人口の約3分の1が高齢者 約320万人が認知症高齢者 一人暮らし高齢者が約680万世帯 対応 家庭医・かかりつけ医によるプライマリケア 総合診療専門医制度の導入(H29)・・・キーワード:地域 医療の質の転換・・・OECDの評価と提言
OECD「医療の質のレビュー」(2014.11.5.) プラマリケア 病院医療 精神医療 専門医 情報インフラの強化 患者とかかりつけ医の登録システム・・・財政的、継続的 病院医療 急性治療と長期療養 医療の質の管理と提供の全般的強化(ナショナルデータベース) 精神医療 治療の質、治療の指標 プライマリケアにメンタルヘルスを
高齢者の地域における新たなリハビリテーションの在り方検討会報告書(2015.3.) 通所・訪問リハ・・心身機能、活動、参加のバランス欠く 高齢者のQOLの向上を一層めざすべき・・脱画一的 SPDCA(Survey-Plan-Do-Check-Act)サイクル 生活期リハビリテーションマネジメントの再構築
地域リハビリテーション 障害のある人々や高齢者およびその家族が住み慣れたところで、そこに住む 人々とともに、一生安全に、いきいきとした生活が送れるよう、医療や保健 、福祉及び生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーション の立場から協力し合って行う活動のすべて。 活動指針 あらゆるライフステージに対応して継続的に提供できる支援システムを地域に作っていく 疾病や傷害が発生した当初よりリハビリテーション・サービスを提供、効率的に継続 できうる限り社会参加を可能にし、生あるかぎり人間らしく過ごせるよう専門的サービスの みでなく地域住民も含めた総合的な支援の展開 一般の人々が障害を負うことや年をとることを自分自身の問題としてとられえる啓発 一般社団法人日本リハビリテーション病院・施設協会HPより
プライマリケア 定義 基本特性:ACCCA 身近にあって、何でも相談にのってくれる総 合的な医療 近接性Accesssibility 継続性Continuity 包括性Complehensiveness 協調性Coordination 説明責任 Accountability
社会保障制度審議会(1950) 社会福祉とは、国家扶助(公的扶助と同義)の 適用をうけている者、身体障害者、児童、その 他援護育成を要する者が、自立してその能力を 発揮できるよう必要な生活指導、更生補導その 他の援護育成を行うことをいう。
イギリスの「社会的諸サービス」(social services;1940) 全国民を対象として、 その生活のあらゆる側面において 広義の福祉を目指す方策・施策からなる 制度全体を指す
一番ヶ瀬康子の社会福祉の定義 国家独占資本主義期において、労働者階級を中核と した国民無産大衆の生活問題に対する生活権保障と してあらわれた政策の1つであり、 国家が他の諸施策、とりわけ社会保障(狭義)と関 連させながら、個別的または対面的に貨幣・現物・ サービスの配分を実施あるいは促進する組織的処置 である。 国家独占資本主義=巨大独占資本が現れて資本主義経済の矛盾が顕在化したため、その矛盾を解消するために持続的成長を目指そうと、国家・政府が積極的に経済に介入するようになった資本主義の状態を指す。 国民無産大衆= 「社会福祉とは,人がその社会生活において健全な社会人として生活していく上に障害となる諸条件を軽減除去することによって,個人を社会的に調整し,併せて全体としての社会の健全なる発展と福祉の増進を助長しようとする社会政策的概念である。」(竹中勝男『社会福祉研究」) 「社会事業(=社会福祉)とは,資本主義制度の構造的必然の所産である社会的問題にむけられた合目的・補充的な公・私の社会的方策施設の総称であって,その本質の現象的表現は,労働者=国民大衆における社会的必要の欠乏(社会的障害)状態に対応する精神的・物質的な救済,保護および福祉の増進を一定の社会的手段を通じて,組織的に行なうところに存する。」(孝橋正一『全訂・社会事業の基本間題』) 「社会福祉とは,国家独占資本主義期において,労働者階級を中核とした国民無産大衆の生活問題に対する「生活権」保障としてあらわれた政策のひとつであり,他の諸政策,とりわけ社会保障(狭義)と関連しながら,個別的にまた対面集団における貨幣・現物・サービスの分配を実施あるいは促進する組織的処置であるといえよう。」(一番ケ瀬康子・真田是編『社会福祉論〔新版〕』)
社会福祉とは何か 老齢、疾病、心身の障害などの何らかの理 由で、それらの一般対策を十分に利用し得 ない人たちの個別のニーズに即して、 社会福祉とは何か 老齢、疾病、心身の障害などの何らかの理 由で、それらの一般対策を十分に利用し得 ない人たちの個別のニーズに即して、 対人的・対面的な関係を通して彼らを援助 する非貨幣的サービスから成り立つ制度 仲村優一(1985) 『社会福祉の原理』旬報社
What is Social worker? 社会福祉専門職 ≒ 社会福祉士・精神保健福祉士 =日本の資格を有するソーシャルワーカー 社会福祉専門職 ≒ 社会福祉士・精神保健福祉士 =日本の資格を有するソーシャルワーカー ソーシャルワーカー = ソーシャルワークを業とする専門職 ソーシャルワーク ≒ 「人-環境」の接点に介入し、 両者が有機的に機能することをサポートする 人が社会的に機能する ≒ 豊かな人間関係の中で社会生活を営むこと ≒人権が擁護されている状態 社会生活を十分に営む ≒ 社会正義が保持された社会での営み・くらし 社会福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法により社会に欠くことのできない制度として、 国民の生存権や幸福追求権など基本的人権を保障する、国民の社会福祉の向上を担う。 日本の制度が期待する社会福祉士の役割は、国民の生存権や幸福追求権など基本的人権を保障する、 国民の社会福祉の向上にある。 社会福祉士は、日本の制度の中で国際的な通用性のあるソーシャルワークを展開する専門職である。 社会福祉士に求められる力量は、医師、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士など 他の対人援助専門職に求められる科学的な力量と同様、「実践力」である。 しかしながら、社会福祉士を名乗る者の「実践力」が、社会福祉士国家試験と所定のカリキュラムを 経ることで、専門的力量として十分に習得され、担保できるかと言えば、それはおぼつかない。 これまで社会福祉士国家試験の質の問題として、出題基準や出題傾向にかかる議論はなされてきた ところであり、それなりに改善もなされてきた。そして、今後も議論されていく一側面であろう。 また、所定のカリキュラムにおける「講義-演習-実習指導-実習」の体系化と理論的整理についても、 多くの議論がなされてきたところである。これらの議論が探求されればされるほど、 そのアウトプットを期待する「本当に社会福祉士は実践力があるのか」という問いに応えるための 基準が必要となる。 この様な声に応えるためには「社会福祉士の実践力を評価する」客観的な尺度が必要である。 残念ながら、現在の私達は如何に実践力が向上するのかを科学的に立証する評価の尺度を保持し、 他の学問領域から科学的な評価を得られる方策を模索している。
What is Social work ? ソーシャルワーカーは、人間の福利(ウエルビーング) の増進を目指して、社会の変革を進め、人間関係におけ る問題解決を図り、人びとのエンパワーメントと解放を 促していく。 ソーシャルワークは、人間の行動と社会システムに関す る理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響し合 う接点に介入する。 人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所と する基盤である。 また、国際的な通用性のあるソーシャルワークを展開する専門職である。日本型ソーシャルワーカーは、世界55カ国・85万人が加盟する国際ソーシャルワーカー連盟と結び付いている。この結びつきは、時間(過去も未来も)も場所(地球の表も裏も)も関係なく、「人は生まれながらにして尊重されなければならない」という世界人権宣言に見られる「人間観」を、根本的な価値観として共有している。 ソーシャルワークを専門的に用いる職業人は、世界55カ国・85万人が加盟する国際ソーシャルワーカー連盟と結び付いている。 この結びつきは、時間(過去も未来も)も場所(地球の表も裏も)も関係なく、「人は生まれながらにして尊重されなければならない」という世界人権宣言に見られる「人間観」を、根本的な価値観として共有している。 ソーシャルワークが関わる人々は、子どもから高齢者まで、障害があろうとなかろうと、国籍を有していようとなかろうと、罪を犯していようといまいと、あらゆる条件を排除して、その人一人ひとりの声や自分らしさを大切にする。 自分らしさを大切にするとは、赤ちゃんがお母さんの腕の中で「安心」しきって眠ることを傍らで見続けることである。 自分らしさを大切にするとは、子どもたちが野原で日が暮れるまで不審者におびえることなく「自由」に遊べる居場所を用意することである。 自分らしさを大切にするとは、中高年の女性が自らのしわを気にせず、大いに笑える「自信」をそのまま受け止め、ともに笑い合えることである。 ソーシャルワークは、ちょっと控えめな、あるいは二流三流の役者を、舞台の主役に据える演出家であり、脚本家である。 つまり、 社会福祉士は、人びとが「安心・自由・自信」のうちに自分らしくあり続けること=幸せづくりを、日本という国の社会システムの中で、人びとのつながりの中で創り上げていく、人びとのパートナーである。
Competency of Social worker 例えばニュージーランドでは、 Social work standard core competencies スクールソーシャルワークの成功のための重要な要素は、ソーシャル・ワーカーが専門性を維持し、子どもたちとその家族/whanauとの良い関係を築き、効果的に働く能力にある。そして、それらが担保される時、目標に合意する。したがって、ソーシャル・ワーカーは高度に熟練して、コア・コンピテンスを有していることを実証することが求められる。 ソーシャル・ワーカーが実証するべきコンピテンスは、次のとおり: 1.ソーシャルワークのプロセス、役割およびモデル 2.子ども/人間としての成長および開発 3.家庭内暴力と力の問題を含む家族の力学 4.子どもおよび家族との関係性の変更を促進するための仕事 5.専門ソーシャルワークの価値 (受理、非審判的態度、自己決定、文化的に敏感な反応、説明責任) 6.ワイタンギ条約に含まれる特別の言及を含む、マオリに文化的に敏感で反応するサービスを提供できること(マオリ語の流暢さはクライエントがマオリ語を話す場合、最も利点になる)。 7.環太平洋の民族に文化的に敏感で反応するサービスを提供できること。 8.他の文化の人々に文化的に敏感で反応するサービスを提供できること。 9.学校という場で、これらを活用するための能力とともに、チームメンバーとして有効に協力的に働くこと。 10.コミュニティーにおける文化的背景と人びとを結びつけ、よりよいコミュニティー・ネットワークおよび経験の開発および維持ができること。 11.グループ活動を促進するプロセス 12.スクールソーシャルワーカーを補強する価値と原則 13.児童虐待とネグレクトの問題。 14.家庭内暴力、精神保健、アルコールおよび薬物依存症の問題。 15.クライエントおよび労働者保安を含む保安問題。 16.実践を促進するためのスクールソーシャルワークと他のサービス・提供機関とのネットワーキング。 17.人間関係におけるコミュニケーション技術。 18.時間管理、取扱いの立案および管理。 19.すべてのソーシャル・ワーカーはニュージーランドのドライバーのライセンスを必要とする 20.時間外での労働で働き、かつ呼び出しに対しての柔軟性の保持。 21.マイクロソフトの単語および電子メールを使用するので、コンピューター・リテラシー・スキルを持っていること。 スクールソーシャルワーカーの特定の能力は、SWiS Toolkitに詳細。 SWiS toolkit とは、スクールソーシャルワークのための ツール・キットとトレーニング・プログラムを提供しているサイト。 Source: Social Workers in Schools Service Description November 2008
Work of Social worker DVD「あなたの笑顔がみたい!」 子ども福祉・・・成長を支える 医療福祉・・・・健康を支える 障がい福祉・・・意思を支える
社 会 福 祉 士 とは何か 人間と社会に関わるすべての領域で求められる必須 & ベーシッ クなライセンス 社 会 福 祉 士 とは何か 人間と社会に関わるすべての領域で求められる必須 & ベーシッ クなライセンス 年に1回しかない国家試験に合格した人々 自覚を持って登録した人々 「社会福祉士」と名乗れる人々 国際的な福祉のアイデンティティでつながっている人々 ※ 社会福祉士及び介護福祉士法ほか
名乗れる人 はじめは 168人だった 2014年9月末現在=177千人 (注)人数は、各年度9月末の登録者数。
社 会 福 祉 士 になるために 大学等で「指定科目」の単位をとる 科目は、20科目(1200時間) [講義-演習-実習]が循環する仕組み 専門職としての「知識、技術、態度・姿勢」を 学びます。
社 会 福 祉 士 として働く 学校ソーシャルワーカー ・社会福祉協議会や福祉事務所 ・子ども相談センター ・子ども福祉関係施設 ・地域包括支援センターや障害者権利擁護センター ・社会福祉協議会や福祉事務所 ・子ども相談センター ・子ども福祉関係施設 ・刑務所 ・病院や介護保険施設 ・障害者支援施設 ・NPOなど民間の相談機関 ・障害者を雇用する企業 学校ソーシャルワーカー *企業=法定雇用率の上昇に基づく
社会福祉士としてキャリアを育てる * 一つのイメージです。