TCP制御フラグの解析による ネットワーク負荷の推測

Slides:



Advertisements
Similar presentations
TCP/IP によるチャットプログラ ム 薄井 秀晃. 基礎知識編 TCP/IP とは? IP とは・・・ Internet Protocol の略称であり通信方法の技術的なルールで あり、実際にデータを送受信する前にデータを小さなデータ に分割し、それに発信元と受信先の IP アドレスを付加させて.
Advertisements

第1章 ネットワークとコミュニケーション 第2節 ネットワークのしくみ 2 ネットワークを支える技術 (教科書 p36 ~ p37) 今日の用語  モデム (modulator/demodulator:modem)  IP アドレス (internet protocol address)  ドメインネーム.
早稲田大学大学院 理工学研究科情報科学専攻 後藤研究室 修士 焦 江霞
Step.5 パケットダンプ Wiresharkでパケットをキャプチャする PC 1 PC 2 PC 3 PC 4 ネットワーク
Timeout と再送 往復時間 予知が困難 他のトラフィックに依存 適応再送アルゴリズム データの採取.
Webプロキシサーバにおける 動的資源管理方式の提案と実装
ネットワークと コミュニケーション技法 第7回 - インターネット(1) -.
インターネットのプロトコル階層 ネットワーク層(IPアドレス)
早稲田大学理工学部情報学科 後藤滋樹研究室
第1回.
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
前回の課題 IPv6アドレス IP ARP ICMP NAT インターネット層 2003年12月4日 情報ネットワーク論 新村太郎.
仮想ブロードキャストリンクを利用した 片方向通信路の透過的経路制御 藤枝 俊輔(慶應義塾大学)
ネットワーク層.
一対多通信における ネットワーク障害物対応方法選択プロトコルの設計
TCP (Transmission Control Protocol)
早稲田大学大学院 理工学研究科情報科学専攻 後藤滋樹研究室 1年 渡辺裕太
30分でわかるTCP/IPの基礎 ~インターネットの標準プロトコル~ 所属: 法政大学 情報科学研究科 馬研究室 氏名: 川島友美
ネットワーク コミュニケーション トランスポート層 TCP/UDP 6/28/07.
詳解TCP/IP ACE B2 mewtwo.
TCP基礎講座 徳田研 ECN sada.
ファイル送信機能付きマルチキャストチャット
i-Pathルータのフロー情報を用いたDoS攻撃検知法
トランスポート層.
コンテンツ配信 エンコード (符号化) CBR (Constant Bit Rate) VBR (Variable Bit Rate)
ネットワーク機器接続 2SK 情報機器工学.
パケットの流れ ブラウザ OS TCP IP LANアダプタ ハブ ルータ HTTPメッセージ TCP HTTP断片 TCP HTTP断片
第2章 第1節 情報通信の仕組み 1 ネットワークの仕組み 2 通信プロトコル 3 認証と情報の保護
大規模アドホックネットワークにおける 階層的な名前解決法
サーバ負荷分散におけるOpenFlowを用いた省電力法
コンピュータとネットワークの利用 国際経営学科 牧野ゼミ3年 足立龍哉.
TCP/UDP プロセス間の通信のためのプロトコル TCP:信頼性高、処理時間大 UDP:信頼性低、処理時間小 ftp SMTP HTTP
インターネットの基礎知識 その3 ~TCP・UDP層編~
DiffServにおけるクラスの新しい設定方法の提案
i-Pathルータのフロー情報を用いたDoS攻撃検知法
2009年度卒業論文発表 CDNコンテンツサーバの動的負荷分散
第15章 TFTP:トリビアル・ファイル転送プロトコル
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
ネットワーク技術II 第9.1課 TCP/IPプロトコルスイート
ネットワークの基礎知識 電子制御設計製図Ⅰ   2014年5月2日 Ⅲ限目.
画像情報特論 (3) - TCP/IP (2) TCP (Transport Control Protocol)
画像情報特論 (3) - マルチメディアインフラとしてのTCP/IP (2)
インターネットにおける真に プライベートなネットワークの構築
画像情報特論 (3) - TCP/IP (2) TCP (Transport Control Protocol)
超高速ネットワークの弱点 光は速い 光は遅い 300km / 1msec (真空中) 180km / 1msec (光ファイバ中)
TCP/IP入門          櫻井美帆          蟻川朋未          服部力三.
マルチホーミングを利用した Proxy Mobile IPv6の ハンドオーバー
RTCPパケットの測定による マルチキャスト通信の品質評価
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
ネットワークの性能 牧野ゼミ3年 足立龍哉.
UDPマルチキャストチャット    空川幸司.
ジャンボフレーム 学籍番号:3603U072-0 氏名:塩津達郎.
アナライザ パケットを収集 測定用のマシン 通信.
演習第6回 情報通信技術論 インターネット工学
非対称リンクにおける ジャンボフレームの性能評価
2003年6月17日 早稲田大学大学院理工学研究科 情報科学専攻 修士2年 水野 宏樹
片方向通信路を含む ネットワークアーキテクチャに於ける 動的な仮想リンク制御機構の設計と実装
最低限インターネット ネットワークにつなぎましょ!
LAN(TCP/IP) インターネットワーキング編
アナライザ パケットを収集 測定用のマシン 通信.
GbEにおける TCP/IP の研究について
4.3 IPとルーティングテーブル 国際産業情報学科 2年 大竹 雅子.
7月13日の演習問題・解答例 について ネットワーク長が 18、22、26、28 の場合の
画像情報特論 (3) - TCP/IP (2) TCP (Transport Control Protocol)
SMTPプロトコル 2001年8月7日 龍 浩志.
牧野ゼミ 2年 産業情報 学科 韓 憲浩(カン ケンコウ)
TCP/IPの通信手順 (tcpdump)
UDPデータグラムヘッダ 牧之内研究室 修士1年 久保正明.
プロトコル番号 長野 英彦.
HTTPプロトコルの詳細 M1 峯 肇史.
Presentation transcript:

TCP制御フラグの解析による ネットワーク負荷の推測 の紹介 早稲田大学 理工学部 情報学科 後藤研究室 G94P108‐3 福嶋正機 G99P701-7 匂坂岳志 (おまけ) 1

インターネット上の通信回線の負荷測定 回線利用率の測定 実際の通信の性能の測定 実際にどれくらいの性能で通信できているのかは分からない 大量のトラフィックに対してリアルタイムで調べるのは困難 2

回線利用率とHTTPの性能 3

TCP(Transmission Control Protocol) HTTPを含むインターネット上の多くのアプリケ ーションで使われている適応型のプロトコル 使用しているネットワークの負荷の状態に応じてパケットの送受信に対して制御を行う この制御の変化を測定することでネットワークの負荷を測ることができないだろうか? 4

TCP制御フラグ TCPヘッダ内の6ビットのフィールド コネクションの確立、切断などを制御するため の情報を含んでいる ( FIN / SYN / RST / PSH / ACK/ URG ) コネクションの確立、切断などを制御するため の情報を含んでいる TCPトラフィック中にどのようなフラグが どれくらい含まれるかによって制御の変化を 捉える パケット数を数えるだけなので測定が簡単 5

測定方法 HTTPパケット中の制御フラグの比率を測定 早稲田大学 インターネット 測定用PC 早稲田大学内部 6

回線負荷との相関 Fin/Syn ・・・ FIN パケットと SYN パケットの比率 FRA/ALL ・・・ 全パケット中に占める 回線利用率、HTTPの性能とフラグの比率との相関関係 回線負荷と相関して比率の変化する制御フラグが見つかった Fin/Syn ・・・ FIN パケットと SYN パケットの比率 FRA/ALL ・・・ 全パケット中に占める FIN-RST-ACK というパケットの比率 FA/Fin ・・・ FIN パケット中に占める FIN-ACK というパケットの比率 7

輻輳の判別 的中率 94.4% 8

推測の精度 他の日のデータに同じ推測法を適用 輻輳の判別 その他の日のデータでも85%以上の的中率 9

HTTPの性能の推測 実測値と推測値の相関係数 0.845 10

推測の精度 他の日のデータに同じ推測法を適用 HTTPの性能の推測 平日のデータで相関係数が 0.7以上 休日のような空いている日のデータでは相関係数は0に近い 11

結論 TCP制御フラグの比率は回線の負荷と相関して変化する現象がある 混雑している回線の負荷は制御フラグの比率からある程度推測できる 他のネットワークにも適用できるかについてはさらに研究が必要 12

TCPヘッダ 制御フラグ(6ビット) 送信元ポート番号 宛先ポート番号 URG ACK PSH RS T SYN F I N シーケンス番号 応答確認番号 ヘッダ長 ウィンドウ チェックサム 緊急ポインタ オプション

TCP制御フラグの意味 FIN コネクションの終了 SYN コネクションの開始 RST コネクションの一方的切断 PSH データを上位層に渡すよう要求 ACK 応答確認番号が有効 URG 緊急データを含む

制御フラグの比率(1)

制御フラグの比率(2)

制御フラグの比率(3)

推測に用いた式 輻輳の判別 HTTP転送時間の推測