TCP制御フラグの解析による ネットワーク負荷の推測 の紹介 早稲田大学 理工学部 情報学科 後藤研究室 G94P108‐3 福嶋正機 G99P701-7 匂坂岳志 (おまけ) 1
インターネット上の通信回線の負荷測定 回線利用率の測定 実際の通信の性能の測定 実際にどれくらいの性能で通信できているのかは分からない 大量のトラフィックに対してリアルタイムで調べるのは困難 2
回線利用率とHTTPの性能 3
TCP(Transmission Control Protocol) HTTPを含むインターネット上の多くのアプリケ ーションで使われている適応型のプロトコル 使用しているネットワークの負荷の状態に応じてパケットの送受信に対して制御を行う この制御の変化を測定することでネットワークの負荷を測ることができないだろうか? 4
TCP制御フラグ TCPヘッダ内の6ビットのフィールド コネクションの確立、切断などを制御するため の情報を含んでいる ( FIN / SYN / RST / PSH / ACK/ URG ) コネクションの確立、切断などを制御するため の情報を含んでいる TCPトラフィック中にどのようなフラグが どれくらい含まれるかによって制御の変化を 捉える パケット数を数えるだけなので測定が簡単 5
測定方法 HTTPパケット中の制御フラグの比率を測定 早稲田大学 インターネット 測定用PC 早稲田大学内部 6
回線負荷との相関 Fin/Syn ・・・ FIN パケットと SYN パケットの比率 FRA/ALL ・・・ 全パケット中に占める 回線利用率、HTTPの性能とフラグの比率との相関関係 回線負荷と相関して比率の変化する制御フラグが見つかった Fin/Syn ・・・ FIN パケットと SYN パケットの比率 FRA/ALL ・・・ 全パケット中に占める FIN-RST-ACK というパケットの比率 FA/Fin ・・・ FIN パケット中に占める FIN-ACK というパケットの比率 7
輻輳の判別 的中率 94.4% 8
推測の精度 他の日のデータに同じ推測法を適用 輻輳の判別 その他の日のデータでも85%以上の的中率 9
HTTPの性能の推測 実測値と推測値の相関係数 0.845 10
推測の精度 他の日のデータに同じ推測法を適用 HTTPの性能の推測 平日のデータで相関係数が 0.7以上 休日のような空いている日のデータでは相関係数は0に近い 11
結論 TCP制御フラグの比率は回線の負荷と相関して変化する現象がある 混雑している回線の負荷は制御フラグの比率からある程度推測できる 他のネットワークにも適用できるかについてはさらに研究が必要 12
TCPヘッダ 制御フラグ(6ビット) 送信元ポート番号 宛先ポート番号 URG ACK PSH RS T SYN F I N シーケンス番号 応答確認番号 ヘッダ長 ウィンドウ チェックサム 緊急ポインタ オプション
TCP制御フラグの意味 FIN コネクションの終了 SYN コネクションの開始 RST コネクションの一方的切断 PSH データを上位層に渡すよう要求 ACK 応答確認番号が有効 URG 緊急データを含む
制御フラグの比率(1)
制御フラグの比率(2)
制御フラグの比率(3)
推測に用いた式 輻輳の判別 HTTP転送時間の推測