天然物薬品学 発酵による医薬品の生産
微生物の培養
微生物の培地 ヒトの栄養素 微生物の培地成分 肥料の3要素 炭水化物 脂質 タンパク質 ミネラル ビタミン 炭素源 窒素源 塩類 生育因子 リン酸 カリ
細菌培養の培地 ブイヨン培地 肉エキス 1.0 % ペプトン 1.0 % NaCl 0.5 % L培地 バクトトリプトン 1.0 % 肉エキス 1.0 % ペプトン 1.0 % NaCl 0.5 % L培地 バクトトリプトン 1.0 % バクトイーストエキス 0.5 % ブドウ糖 1.0 % NaCl 0.5%
微生物による物質生産に利用される農産廃棄物 培地成分 製品 廃糖蜜 砂糖 大豆粕 大豆油 綿実粉 綿,綿実油 コーンスティープリカー デンプン,コーン油 乾燥酵母 ビール
静置培養 固体培養(寒天) 液体培養 振盪培養 往復振盪(試験管,坂口フラスコ) 回転振盪(三角フラスコ) 通気撹拌培養(ジャーファーメンター,培養タンク) 培養条件 温度 25~37℃ ~80℃(好熱菌) 酸素 空気中,通気 ~0%(絶対嫌気性菌) pH 5.6~7.4 塩濃度 0~1% ~10%(好塩菌)
無菌封入法 綿栓 シリコンゴム栓 アルミキャップ
一次代謝産物 生物が生産し,その生物の個体維持,種族維持に必須な役割を持つ有機化合物 アミノ酸,核酸,脂肪酸など 多くの生物種に共通の生合成系 二次代謝産物 生物が生産し,その生物の個体維持,種族維持に必須な役割を持たない有機化合物 抗生物質,色素,アルカロイドなど その生物種に独自の生合成系
微生物の培養曲線と二次代謝 定常期 静止期 炭素源 物質生産 菌数(対数) 対数期 死滅期 誘導期 適応期 物質生産 培養時間(日)
ペニシリンの発酵生産 Penicillium chrysogenum 生産培養 種培養 コーン浸出液固形物 35 g/L CaCO3 5 g/L (pH 5.7) 25℃, 250 rpm, 36 hr 生産培養 コーン浸出液固形物 35 g/L ラクトース 25 g/L フェニル酢酸カリウム 2.5 g/L MgSO4 ・ 7H2O 3 g/L KH2PO4 7 g/L コーン油 2.5 g/L CaCO3 10 g/L 25℃, 250 rpm, 96 hr
ペニシリン生産菌の培養 ペニシリン 菌体窒素(g/L) ペニシリン(単位) 増殖 培養時間(日) Penicillium chrysogenum 3 1200 ペニシリン 菌体窒素(g/L) 2 ペニシリン(単位) 800 増殖 1 400 1 2 3 4 培養時間(日)
発酵微生物の菌株改良 ペニシリン生産菌株 ペニシリン収率 ペニシリン生産菌株 ペニシリン収率 Penicillium notatum (Flemingのペニシリン生産菌) 1 mg/L Penicillium chrysogenum NRRL-1951 60 mg/L 自然発生 NRRL-1951.B25 150 mg/L X線照射 X-1621 300 mg/L 紫外線照射 WIS Q-176 550 mg/L ナイトロジェンマスタード処理等 E-15.1 7,000 mg/L
微生物変換
微生物を利用した化学反応 微生物変換法・・・微生物の培養液,静止生菌体,死菌体 酵素法・・・微生物由来の粗酵素,精製酵素 固定化生体触媒法・・・精製酵素または微生物を担体に固定化 ・基質選択性,位置選択性,立体選択性が高い ・温和な条件下での水系反応 ・分子生物学的手法によって酵素の改善も可能 ・合成化学では困難な反応も進行 (アルカンのヒドロキシ化など)
微生物変換によるホスホマイシンの製造 Penicillium spinulosum cis-プロペニルホスホン酸 ホスホマイシン
微生物変換によるプラバスタチンの製造 Streptomyces carbophilus ML-236B プラバスタチン
微生物変換による1α-25-ジヒドロキシビタミンD3の製造 Pseudonocardia autotrophica 1α-25-ジヒドロキシビタミンD3 (活性型ビタミンD3) ビタミンD3 ・腎透析患者の副甲状腺機能亢進症 ・低カルシウム血症
微生物によるステロイド変換 Aspergillus ochraceus エピコルチゾール 11-デオキシコルチゾール Curvularia lunata コルチゾール Arthrobacter simplex プレドニゾロン
微生物によるステロイド側鎖切断 Arthrobacter simplex アンドロスタ-1,4-ジエン- コレステロール 3,17-ジオン(ADD) コレステロール テストステロン エストリオール スタノロン
微生物変換によるL-DOPAの製造 カテコール ピルビン酸 Erwinia herbicola 菌体 + チロシンフェノール リアーゼ DL-セリン L-DOPA レボドパ (抗パーキンソン病薬) + CH3COCOOH + NH3 ピルビン酸
微生物変換によるβーラクタム抗生物質前駆体の製造 E. coli ペニシリン アシラーゼ ペニシリンG 6-APA Pseudomonas sp. セファロスポリン アシラーゼ セファロスポリンC 7-ACA
微生物変換によるD-p-ヒドロキシフェニルグリシンの製造 Pseudomonas striata D-ヒダントイナーゼ + DL-5-p-ヒドロキシ フェニルヒダントイン L-5-p-ヒドロキシ フェニルヒダントイン N-カルバモイル- D-p-ヒドロキシフェニルグリシン ラセミ化 Agrobacterium sp. N-カルバモイルD-アミノ酸 アミドヒドロラーゼ D-p-ヒドロキシフェニルグリシン アモキシシリン
Corynebacterium ammoniagenes 菌体(界面活性剤処理) 複平行微生物変換によるCDP-コリンの製造 Corynebacterium ammoniagenes 菌体(界面活性剤処理) UTP オロト酸 CO2 グルコース ATP ADP コリン ホスホコリン CDP-コリン UTP CTP シチコリン (意識障害改善薬) E. coli 菌体(界面活性剤処理)
生体触媒の固定化法 担体結合法 - 架橋法 包括法 スペーサー 生体触媒 共有結合法 イオン結合法 物理的吸着法 架橋法 + 担体結合法 共有結合法 イオン結合法 物理的吸着法 架橋法 架橋法 包括法 マイクロカプセル型包括法 格子型包括法