企業法I講義資料No.05-2 機関(2)その他の機関② 「会計参与・監査役・会計監査人・検査役」

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企業法I講義資料No.05-2 機関(2)その他の機関② 「会計参与・監査役・会計監査人・検査役」 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 Ⅰ 総説 Ⅱ 会計参与 Ⅲ 監査役(会) Ⅳ 会計監査人 Ⅴ 検査役 テキスト参照ページ:248~270p

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 Ⅰ 総 説 会社の経営は業務執行機関に委ねられ、取締役会設置会社では取締役会により監督が行われるが、株式会社は、取締役会とは独立した立場から業務執行機関の職務執行を監督・監査する機関等を任意に設置することができる(326Ⅱ) 会計参与(監査機関ではないが、取締役の不正を阻止する機能も有する)、監査役(監査役会)、会計監査人、委員会 会社の規模等により設置が強制される場合もある

Ⅱ 会計参与 すべての株式会社は、任意に定款で会計参与(取締役と共同で計算書類等を作成する機関)を設置する旨を定めることができる(326Ⅱ) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 Ⅱ 会計参与 すべての株式会社は、任意に定款で会計参与(取締役と共同で計算書類等を作成する機関)を設置する旨を定めることができる(326Ⅱ) 会計参与の設置が強制されることはない 非公開会社である取締役会設置会社は、会計参与を置けば例外的に監査役を置かないことが認められる(327Ⅱ:監査役設置強制の例外)

(1)会計参与の資格等 資格:公認会計士(監査法人)または税理士(税理士法人)でなければならない(333Ⅰ) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (1)会計参与の資格等 資格:公認会計士(監査法人)または税理士(税理士法人)でなければならない(333Ⅰ) 法人の場合は、職務を行うべき者を選定(Ⅱ) 欠格事由:兼任禁止(Ⅲ①):株式会社またはその子会社の取締役、監査役、執行役、または支配人その他の使用人を兼ねることができない(会計監査人と会計参与が並存することは妨げられない:同一人物が兼任することはできない→337Ⅲ①) その他の欠格事由:(Ⅲ②③)

(2)選任・解任等 選任・解任:取締役と同様の規律に従う(329・339) 員数:1名以上(定款で定員を定めることもできる) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (2)選任・解任等 選任・解任:取締役と同様の規律に従う(329・339) 員数:1名以上(定款で定員を定めることもできる) 任期:同上(334) 会計参与を置く旨の定款規定を廃止する定款変更をした場合、定款変更の効力発生時に任期は満了する 辞任、任期満了等により欠員が生じた場合:取締役と同様の規律に従う(346Ⅰ~Ⅲ) 意見陳述権:選任等(解任・辞任を含む)について株主総会で意見を述べることができる(345)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (3)会計参与の職務等 計算書類等の作成:取締役(執行役)と「共同して」計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類ならびに連結計算書類、さらに独立して会計参与報告を作成(374) 株主総会における説明義務(314) 計算書類等の保存(378Ⅰ:会社とは別に5年間) 計算書類等の開示(378ⅡⅢ:株主・債権者・親会社社員(裁判所の許可が必要)には閲覧・謄写請求権が付与される)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (3)会計参与の職務等 報告義務(375):職務遂行上、取締役の職務執行に関し不正行為または法令・定款違反の重大な事実があることを発見したとき、遅滞なく株主全員(株主総会でなくても良い)(監査役設置会社では監査役、監査役会設置会社では監査役会)に対して報告しなければならない 会計参与の選任、氏名・名称、計算書類等を備え置く場所(378参照)は登記事項(911)であり、代表訴訟の対象にもなる(847)、会社に対する責任については、社外取締役と同様の規律を適用する(425、427参照)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (3)会計参与の職務等 取締役会設置会社の会計参与:取締役会への出席・意見陳述義務(376)→計算書類等の承認をする取締役会には出席しなければならず、必要があると認める時は意見を述べなければならない 当該取締役会を招集する者は、原則として1週間前までに各会計参与に通知を発しなければならない 取締役招集手続を省略する場合は会計参与全員の同意を要する

(4)会計参与の権限 計算書類等の作成に必要な権限(374Ⅱ~Ⅴ) 会計帳簿の閲覧・謄写権 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (4)会計参与の権限 計算書類等の作成に必要な権限(374Ⅱ~Ⅴ) 会計帳簿の閲覧・謄写権 取締役、支配人その他の使用人および子会社に対して会計に関する報告を求める権利 会社及び子会社の業務財産調査権 ただし、子会社は、「正当な理由」があるときは、報告・調査を拒むことができる 職務遂行に際して、会計参与の欠格事由のある者を使用してはならない

(5)会計参与の独立性確保 欠格事由としての兼任の禁止(333Ⅲ①) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (5)会計参与の独立性確保 欠格事由としての兼任の禁止(333Ⅲ①) 解任:株主総会決議(普通決議)で解任できるが、正当な理由がある場合を除き、会社に対して損害賠償を請求できる(339Ⅱ) 株主総会での意見陳述権(377):取締役と意見を異にする場合 報酬:定款で額を定めない場合、株主総会の決議によって定める(379Ⅰ):お手盛り防止ではなく、独立性確保の目的(監査役と同じ)(委員会設置会社では報酬委員会)

会計参与と取締役(執行役)の意見が一致しない場合の計算書類 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 会計参与設置会社では、取締役(執行役)と会計参与が共同して計算書類を作成しなければならず、両者の意見が一致しない場合は、計算書類を作成できず、計算書類の承認のための株主総会を開催することもできない。 その場合の対処法を以下の2つのケースに分けて考えよ 会計参与が辞任する 会計参与が辞任しない

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 Ⅲ 監査役(会)制度総論 取締役会設置会社および会計監査人設置会社は、委員会設置会社を除き、原則として監査役(1名以上)を選任しなければならない(327Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ) ただし、非公開会社である会計参与設置会社は監査役を設置しないことができる 監査役は原則として会計監査および業務監査権限・義務を有するものとし、監査役会設置会社・会計監査人設置会社でない非公開会社の監査役については、定款で会計監査に限定することができる→監査役設置会社には当たらない(2⑨、389)

Ⅲ 監査役(会)総論 取締役会設置会社は監査役会を設置できる 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 Ⅲ 監査役(会)総論 取締役会設置会社は監査役会を設置できる 大会社である取締役会設置会社(委員会設置会社を除く:G類型)は、監査役会を設置しなければならない 監査役会設置会社では、監査役は3名以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない(335Ⅲ、2⑯) 監査役会は、監査役全員で構成され(390Ⅰ)、うち1名以上を常勤監査役として選定しなければならない(390Ⅲ)

(1)選・解任等 株主総会により選任(普通決議)、解任される(329、339):ただし、累積投票制度は採用されない 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (1)選・解任等 株主総会により選任(普通決議)、解任される(329、339):ただし、累積投票制度は採用されない 取締役が、監査役の選任議案を総会に提出するには監査役(会)の同意が必要:監査役(会)は、取締役に対し監査役選任を総会の目的とすること及び選任議案を総会に提出することを請求できる(343) 解任決議は特別決議(343Ⅳ、309Ⅱ⑦) ※解任に関する総会において出席権・意見陳述権が保障される、辞任後最初の総会においても同様(345Ⅳ)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (1)選・解任等 任期(336):原則4年(選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結時まで)→定款で短縮することはできない(身分保障:監査の独立性を高める) 非公開会社の監査役:定款で10年まで延長可(Ⅱ) 任期満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期(329Ⅱの補欠監査役とは異なる):定款で退任した監査役の任期が満了する時までとすることができる(Ⅲ) 定款変更によるみなし任期満了(Ⅳ)

(2) 欠格事由・兼任禁止 資格:特別な資格は不要、取締役と同様の欠格事由が定められる(335Ⅰ→331Ⅰ・Ⅱ) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (2) 欠格事由・兼任禁止 資格:特別な資格は不要、取締役と同様の欠格事由が定められる(335Ⅰ→331Ⅰ・Ⅱ) 兼任禁止(335Ⅱ):取締役の業務執行の監査を適切に行うため独立性の確保・監査の実効性確保(自己監査の禁止)が必要とされるため、その会社および子会社の取締役、会計参与、支配人その他の使用人、子会社の会計参与(法人の場合は職務を行うべき社員)、執行役(子会社が委員会設置会社の場合)を兼任することは許されない

※論点:横滑り監査役等 ・横滑り監査役:取締役が事業年度の途中で監査役に就任すること ・顧問弁護士・顧問税理士が監査役に就任すること 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 ※論点:横滑り監査役等 ・横滑り監査役:取締役が事業年度の途中で監査役に就任すること ・顧問弁護士・顧問税理士が監査役に就任すること  などが兼任禁止に反しないか議論がある ⇒判例ではこれらは違法ではないとされるが、横滑り監査役については、実務慣行としてよく見られるが、好ましくないものであることは否定できない(自己監査) 第X期(H16.4.1~H17.3.31) 第X+1期(H17.4.1~H18.3.31) 第X期に係る定時株主総会(H17.6.28) 取締役・監査役の任期

(3)監査役の報酬と費用 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 監査役の報酬等は、取締役とは別に定款または株主総会決議により定められる(387Ⅰ) →取締役の場合と異なりお手盛りの防止ではなく、取締役に対する独立性確保の趣旨:複数の監査役につき個別に額を定めない場合、総額等を決議し、分配は協議によって定める(Ⅱ) 監査役は、株主総会において、報酬等につき意見を述べることができる(Ⅲ) 監査費用の前払いなどを監査役設置会社に対し請求できる(会社はその費用が職務執行に不要であることを証明しなければ支出を拒むことができない)(388)→同じく独立性確保

※監査役の権限 原則として、業務監査権限および会計監査権限を有する 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 ※監査役の権限 原則として、業務監査権限および会計監査権限を有する 大会社でない非公開会社(監査役会、会計監査人を設置する会社を除く)においては、定款で監査役の権限を会計監査権限に限定できる 業務監査権限を有する監査役が設置されない会社(委員会設置会社を除く)においては、株主の監督権限が強化される

取締役(会計参与)の職務執行を監査する(381Ⅰ) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (4)監査役の権限・職務 取締役(会計参与)の職務執行を監査する(381Ⅰ) 監査の実効性を確保するための権限・職務 ①営業報告徴取権・業務財産状況調査権(381Ⅱ) →親会社の監査役は、必要がある場合は子会社に対しても調査権を行使できる(同Ⅲ)。ただし、子会社は正当の理由があれば、報告・調査を拒絶できる(同Ⅳ) 監査役設置会社の取締役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合は、監査役に報告する義務を負う(取締役の報告義務:357)

(4)監査役の権限・職務 監査の実効性を確保するための権限・職務 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 監査の実効性を確保するための権限・職務 ②取締役会への出席および意見陳述義務(383) ・3ヶ月に1回は代表取締役および業務執行取締役は、取締役会を開き、自己の業務執行状況を報告する義務を負うが(363Ⅱ)、監査役はこの取締役会に出席し、報告やその他の議論を聞き、必要があれば意見を陳述する義務を負う ③取締役への報告義務(382):取締役の不正行為またはそのおそれがあると認めるとき、または法令・定款違反の事実もしくは著しく不当な事実があると認めるとき、遅滞なくその旨を取締役(会)に報告しなければならない ⇒そのため監査役にも取締役会招集権が与えられている(383Ⅱ・Ⅲ)

(4)監査役の権限・職務 監査の実効性を確保するための権限・職務 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 監査の実効性を確保するための権限・職務  ④株主総会への報告義務(384):取締役の総会提出議案等を調査し、法令定款違反等の事項があれば株主総会に報告しなければならない  ⑤違法行為の差止(385) 取締役が、会社の目的の範囲内にない行為その他の法令・定款に違反する行為をなし、会社に著しい損害が生じるおそれがある場合、監査役は取締役に対して、その行為を止めるよう請求することができる(Ⅰ) →裁判外で請求しても取締役が行為を止めない場合は、差止の仮処分申請をすることができる(民保23Ⅱ):担保を立てる必要がない(同Ⅱ)

(4)監査役の権限・職務 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 訴訟代表等  ・監査役設置において、会社が取締役を訴える場合、取締役が会社を訴える場合、株主が代表訴訟により取締役の責任を追及する訴えを提起する際の請求を受ける場合等においては、監査役が会社を代表する(386)  ・代表訴訟に会社が被告取締役の側へ補助参加する際の同意権(849Ⅱ①)、取締役の責任軽減議案を株主総会に提出する際の同意権(425Ⅲ①)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (4)監査役の権限・職務 その他の職務 ①計算書類等の監査(436Ⅰ):毎決算期に取締役が作成する計算書類および事業報告ならびにこれらの附属明細書の提出を受け、「監査報告」を取締役に提出しなければならない ②株主総会における説明義務(314) ③会計監査人の選任に関する同意等(344)

(5)監査役会の権限・職務 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 監査役会:大会社では監査役は3名以上とされ(半数以上が社外監査役でなければならない)、そのうち1名は常勤でなければならない(335Ⅲ、2⑯、390Ⅲ) →監査役は、単独でその職務を遂行しなければならない(独任制)が、組織的・効率的に監査を行い、監査役間の情報交換を適宜行えるよう監査役全員により監査役会が構成される(390Ⅰ) ・大会社以外の取締役会設置会社は(委員会設置会社を除き)任意に設置できる

(5)監査役会の権限・職務 監査報告の作成(390Ⅱ①) 常勤監査役の選定・解職(390Ⅱ②) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 監査報告の作成(390Ⅱ①) 常勤監査役の選定・解職(390Ⅱ②) 監査方針、監査役会設置会社の業務財産状況の調査方法その他監査役の職務の執行に関する事項(所掌分担)の決定(390Ⅱ③)→監査役の独任制を妨げる内容であってはならない(390Ⅱ但書) 各監査役は、監査役会の要請があれば、いつでも職務執行の状況を報告しなければならない(390Ⅳ)

業務監査権限を有する監査役のない会社(監査役設置会社でない会社)における株主の権限 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 裁判所の許可を得ることなく取締役会の議事録を閲覧できる(371Ⅱ) 株主の取締役会招集請求権・招集権(367):株主は自己が請求・招集した取締役会に出席し、意見を述べることができる 定款に基づく取締役の過半数(取締役会決議)による責任の一部免除制度は適用しない(426Ⅰ) 取締役の株主への報告義務(357Ⅰ) 株主の違法行為差止請求権の行使要件を監査役レベルに緩和(360Ⅰ・Ⅱ)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 Ⅳ 会計監査人 総論 制度趣旨:大会社および委員会設置会社においては、監査役(会)(監査委員会)による監査(内部監査)に加えて、会計監査人による監査が義務付けられる(327Ⅴ・328) →会計のプロであり、会社外部の独立した立場からの監査(外部監査)であるという特徴をもつ 上記以外の会社も任意に会計監査人を設置できるが、設置する場合は、監査役を設置しなければならない(327Ⅲ)

(1)会計監査人の資格等(337) 資格:公認会計士または監査法人(337Ⅰ) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (1)会計監査人の資格等(337) 資格:公認会計士または監査法人(337Ⅰ) 欠格事由(監査の公正性確保と会計監査人の独立性確保の要請):337Ⅲ 公認会計士法の規定(24~24ノ3)により当該株式会社の計算書類等(435Ⅱ)に係る監査をすることができない者:当該会社の役員等 子会社もしくは子会社の取締役、会計参与、監査役もしくは執行役から公認会計士もしくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者またはその配偶者 監査法人で、その社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの

(2)選任・解任等 原則として、株主総会の普通決議で選任・解任(329Ⅰ、339Ⅰ・309Ⅰ):登記事項(911Ⅲ⑲) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (2)選任・解任等 原則として、株主総会の普通決議で選任・解任(329Ⅰ、339Ⅰ・309Ⅰ):登記事項(911Ⅲ⑲) 任期は選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時まで(338Ⅰ) ただし、この総会で再任しない旨の決議が行われない限り、自動的に再任されたものとみなされる(同Ⅱ) 会計監査人を選任・解任する議案の提出や再任しない旨の議案の提出に関しては監査役(会)の同意が必要。監査役が会計監査人の選任・解任議案を出すよう取締役会に要求することもできる(344) 会計監査人は上記株主総会において意見を陳述することができる(345Ⅴ)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (2)選任・解任等 任期中に総会決議で会計監査人を解任する場合、正当な理由なく解任された会計監査人は、それによって生じた損害の賠償を会社に請求できる(339) 監査役等による会計監査人の解任(340) 340Ⅰに列挙する事実がある場合 監査役が複数いる場合は全員の同意による 監査役会設置会社では監査役会 解任後最初の株主総会で報告 委員会設置会社では監査委員会の権限

(2)選任・解任等 欠員が生じた場合:会計監査人は役員ではないので、補欠会計監査人を選任することはできない(329Ⅱ) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (2)選任・解任等 欠員が生じた場合:会計監査人は役員ではないので、補欠会計監査人を選任することはできない(329Ⅱ) 取締役(代表取締役)により遅滞なく株主総会が招集され、後任の会計監査人が選任されない場合、監査役(会)が一時会計監査人を選任しなければならない(346Ⅳ) 会計監査人の資格等および監査役等による解任の規定は一時会計監査人にも準用される(同Ⅴ)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (3)報酬 会計監査人(一時会計監査人)の報酬は、会社と会計監査人との間の委任契約の内容であるので、取締役が業務執行として決定するが、会計監査人の独立性を確保するため、監査役(会)の同意を得なければならない(399Ⅰ) 監査役が複数いる場合はその過半数の同意 委員会設置会社では監査委員会(報酬委員会ではない点に注意)

(4)権限・職務 会社の計算書類および付属明細書、臨時計算書類ならびに連結計算書類の監査(会計監査に限る)および会計監査報告の作成:396Ⅰ 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (4)権限・職務 会社の計算書類および付属明細書、臨時計算書類ならびに連結計算書類の監査(会計監査に限る)および会計監査報告の作成:396Ⅰ 監査に必要な情報収集権限:会計帳簿・資料の閲覧・謄写権、会社および子会社に対する報告徴収権、業務・財産調査権等(同Ⅱ~Ⅳ)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (4)権限・職務 監査役(会)に対する報告義務:本来は、業務監査権限はないが、会計監査の職務遂行上、取締役(執行役)の不正行為や法令・定款違反の行為を発見する可能性が高い そのような重大な事実を発見した場合は、遅滞なく監査役(会)・監査委員会に報告しなければならない(397) →報告を受けた監査役・監査委員が善管注意義務に基づき業務監査権限を行使する 監査役(会)等は、会計監査人に報告を求めることができる(397Ⅱ)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (4)権限・職務 定時総会における意見の陳述(398Ⅰ):計算書類等が法令・定款に適合するかどうかにつき、会計監査人が監査役(会)等と意見を異にするときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、出席して意見を述べなければならない(398Ⅱ)

企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 (5)義務と責任 会社に対して善管注意義務を負い(330、民644)、任務懈怠により損害を与えた場合、会社に対して損害賠償責任を負う(423Ⅰ)→代表訴訟の対象(847) 責任の一部免除については、社外取締役等と同様の扱い 任務懈怠につき悪意または重過失があるときは、第三者に対しても損害賠償責任を負う(429Ⅰ) 会計監査報告における重要事項について虚偽記載をなした場合(無過失の立証責任転換:同Ⅱ④)

Ⅴ 検査役 「検査役」とは、必要に応じて裁判所が選任する臨時の機関(弁護士等が選任される)である 総会検査役(306) 企業法Ⅰ講義資料No.05-File02 Ⅴ 検査役 「検査役」とは、必要に応じて裁判所が選任する臨時の機関(弁護士等が選任される)である 総会検査役(306) 業務・財産検査役(358) 変態設立事項等の検査役(33) ※それぞれにつき選任を申し立てる者、要件が異なる点に注意