村仲渉、浅岡宏光、深瀬雅央、森由貴 三戸洋之、ほかKIHEI隊メンバー

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村仲渉、浅岡宏光、深瀬雅央、森由貴 三戸洋之、ほかKIHEI隊メンバー 木曽観測所広報用天体画像の撮影と製作 村仲渉、浅岡宏光、深瀬雅央、森由貴 三戸洋之、ほかKIHEI隊メンバー 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

目的 観測 ハイダイナミックレンジデータの作成 画像のカラー合成 ハイダイナミックレンジデータと色の両立 まとめ 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

KWFC画像観測・解析チーム:KIHEI隊 2012年9月の銀河学校同窓会を機とし、三戸を隊長とし総勢21名のメンバーで構成。 高校生~社会人(銀河学校1998参加者)まで幅広い年齢層 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

工学部大学院生 天文宇宙分野学部生 ソフトウェアエンジニア 他 浅岡宏光: 名古屋工業大学工学研究科修士2年(通信工学) 村仲渉:信州大学工学研究科修士2年(情報工学) 天文宇宙分野学部生 植村千尋:日本大学理工学部航空宇宙工学科2年 齊田智恵:鹿児島大学理学部物科学科4年 ソフトウェアエンジニア 深瀬雅央:株式会社セック 森由貴:現観測所職員 他 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

目的 2012年4月から運用が始まったKWFCの広報用画像を作る きれいな天体画像を作成する方法の体系化・定式化を目指す M42できれいな画像を作成することを目指す 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

観測 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

使用画像概要( Ⅰ ) 合成方法の検討: バンドごとの露光時間 Rバンド: 1sec 30sec 180sec RGB+L の4成分での合成 バンドごとの露光時間   Rバンド: 1sec 30sec 180sec   Vバンド: 1sec 15sec 180sec   Bバンド: 1sec 30sec 300sec   None(L): 30sec 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

使用画像概要( Ⅱ ) 観測日:2012年12月21日 観測者:浅岡、島、藤貫、前原、三戸 観測対象:M42 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

ハイダイナミックレンジデータ の作成 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

ハイダイナミックレンジ 露出時間の異なる複数枚画像を合成 明るい領域は短時間露光、暗い領域は長時間露光の画像を使用 淡い星雲部分から明るい星までを再現するため 明るい領域は短時間露光、暗い領域は長時間露光の画像を使用 露光時間1秒の画像に座標を埋め込めず重ね合わせ不可 露光時間1秒の画像は座標が埋め込めず使用できなかった。 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

ハイダイナミックレンジ合成 低輝度の箇所は 長時間露光の画像を採用 低輝度の箇所は 長時間露光の画像を採用 高輝度の箇所は 低時間露光の画像を採用 全バンド・露光時間の画像の各ピクセル位置がCasutoolsによって同一座標に 調整済みのため画像の輝度値を比較し適正な露光時間の選択が可能 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

ブルーミング対策 長い露光時間画像に発生したブルーミングが 処理画像に残らないようにスレッショルドを設定 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

合成時の補正 2つの異なる露光時間の 画像は定数倍にならない ため、画像の全範囲を100 ピクセル間隔でサンプリング、特異点を除いたあと表に まとめる 近似曲線から傾きとy切片を 算出し、長時間露光画像に 対する補正係数とする 低露光時間の画像ではCCD のノイズが大きな特異値と なるため、現段階では 表計算ソフトを使用して傾き、 y切片を求めているが、 将来的にはプログラム化を 検討中 長時間露光画像 短時間露光画像 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

カラー画像の生成 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

カラー合成 一般的に、3色合成のカラー画像を生成する際には、RGBに相当する3種類のフィルタを通して撮影した情報を合成することで生成する。 今回、我々は、色情報を持つ3枚の画像に加えて、フィルタをかけずに撮影した画像を輝度情報を持つ画像として合成に加えることにした。 これは、色情報を持つ画像の合成によりカラー画像の色成分の推測をし、輝度情報を持つ画像よりカラー画像の濃淡を鮮明化させることを目的としている。 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

YCbCr 空間の利用 今回4色合成を行うにあたり、YcbCr 空間を利用 出典:CQ出版Interface 2013年4月号 P.23 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

YCbCr 空間での合成 一般的に、3色合成のカラー画像を生成する際には、RGBに相当する3種類のフィルタを通して撮影した情報を合成することで生成する。 今回、我々は、色情報を持つ3枚の画像に加えて、フィルタをかけずに撮影した画像を輝度情報を持つ画像として合成に加えることにした。 これは、色情報を持つ画像の合成によりカラー画像の色成分の推測をし、輝度情報を持つ画像よりカラー画像の濃淡を鮮明化させることを目的としている。 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

カラー合成画像 輝度優先 色合い優先 (淡い部分と明るい部分の共存) 色情報による、RGB成分の調整が不十分 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

ハイダイナミックレンジと色 の両立 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

M42領域での問題点 暗い領域と明るい領域の輝度差が大きい Log(f(x)) や 2 f(x) を利用した変換では限界 淡い構造 :8000~9000 明るい構造 :10000~40000≦ Log(f(x)) や 2 f(x) を利用した変換では限界 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

アンシャープマスク法 一応、アンシャープマスク法の説明です ただ、アンシャープマスク法は三戸さんが期待するものとは異なり、エッジ強調に使われるものですが、どうしましょうか? 説明: 1,元画像を平滑化した画像を作る   移動平均フィルタやガウシアンフィルタにより平滑化を行う 2,元画像から平滑が画像を引いた差分画像をつくる 3,元画像に差分画像のk 倍を加える 以上の行程により、エッジ部分の先鋭化が可能となる 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

アンシャープマスク法 一応、アンシャープマスク法の説明です ただ、アンシャープマスク法は三戸さんが期待するものとは異なり、エッジ強調に使われるものですが、どうしましょうか? 説明: 1,元画像を平滑化した画像を作る   移動平均フィルタやガウシアンフィルタにより平滑化を行う 2,元画像から平滑が画像を引いた差分画像をつくる 3,元画像に差分画像のk 倍を加える 以上の行程により、エッジ部分の先鋭化が可能となる 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

ガウシアンフィルタ 平滑化フィルタとしてガウシアンを利用 ガウシアンテーブル生成するプログラムに標準偏差σ を与える フィルタを掛けるプログラムに、生成したテーブルと画像ファイルを読ませる テーブルの大きさは3σ で決定 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

実際の処理 星の位置を検出 星周辺のカウントで星の部分を埋める 星を消した画像にガウシアンフィルタをかける 元画像からガウシアン画像を引く ⇒ガウシアン画像 元画像からガウシアン画像を引く ⇒差分画像 元画像に差分画像のk 倍を加える 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

まとめ ハイダイナミックレンジデータは作れた カラー画像合成の作業手順がほぼ出来た ハイダイナミックレンジデータと色との両立を目指してアンシャープマスク法を検討中 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014

カラー合成画像 輝度優先 色合い優先 (淡い部分と明るい部分の共存) 色情報による、RGB成分の調整が不十分 2019/4/23 木曽シュミットシンポジウム2013

ご清聴ありがとうございました 2014/7/11 木曽シュミットシンポジウム2014