銀河物理学特論 I: 講義2-1:銀河中心の巨大ブラックホールと活動銀河中心核

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信川 正順、小山 勝二、劉 周強、 鶴 剛、松本 浩典 (京大理)
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銀河物理学特論 I: 講義2-1:銀河中心の巨大ブラックホールと活動銀河中心核 銀河物理学特論 I: 講義2-1:銀河中心の巨大ブラックホールと活動銀河中心核 2009/05/25

活動銀河中心核の紫外線・可視スペクトル: Seyfert 1 vs. Seyfert 2, Seyfert 1 には FWHM=2000-10000km/s の幅の広い輝線が見られる。禁制線は幅の広い輝線は持たない=幅の広い輝線を出す領域は密度が高く、衝突が効いているため禁制遷移は起こらない。幅の狭い(FWHM~100-500km/s)の輝線も見られる。禁制線も顕著に出てくる。

活動銀河中心核の紫外線・可視スペクトル: QSOでは広輝線領域から出てくる幅の広い輝線が顕著になる。 Richards et al. 2003, ApJ, 126, 1131

活動銀河中心核の紫外線・可視スペクトル: 輝線比を用いた星形成領域のスペクトルと Seyfert 2の分離。 AGNs tend to have stronger highly ionized emission lines, like [OIII] Solid line :selection line by Kewly et al. (2001) model calculation, Dashed line : empirical line. Kauffmann et al. 2003, MNRAS, 346, 1055

活動銀河中心核の中心に存在するブラックホール: 中心核の連続光の時間変動と幅広輝線の時間変動の時間差を用いてそれぞれの幅広輝線の放射領域の中心からの距離を推定する(反響マッピング法)。広いブラックホール周りを運動する中心核からの光で電離されたガスである。 Peterson et al. 2004, ApJ, 613, 682

活動銀河中心核の構造: NGC1068 (典型的な Seyfert 2)の偏光分光観測のデータに基づいて、ダストトーラスを用いた統一モデルが提唱された(Antonucci and Miller 1985, ApJ, 297, 621)。 Miller and Antonucci 1983, ApJL, 271, 7 Miller et al. 1980, PASP, 92, 702

活動銀河中心核の構造: ダストトーラスを用いた統一モデル。X線のスペクトルからもサポートされる。 Awaki et al. 1991,PASJ, 43, 195

活動銀河中心核の構造: 偏光分光観測で Hidden-broad-line region (HBLR)が見つかるものと見つからないもの(non-HBLR)がある(HLS=HII-region,LINER,Starburst でこちらでも見つからない)。見つからないものは光度が暗いことによるようだ。 Tran 2003, ApJ, 583, 632