我が国における帝王切開率の年次推移の検討
わが国の分娩における帝王切開率の推定について 近年、わが国でも帝王切開率の上昇が指摘されている。 わが国の全分娩取扱医療機関を対象とした分娩様式に関する全国調査としては、3年ごとに実施される厚生労働省による医療施設(静態)調査が唯一のものであり、この調査は調査年度の9月、1ヶ月間の分娩数、分娩様式を調査するものであり、公表されているデータでは病院と診療所に分けて分娩数とそのうちの帝王切開数が示されている。 従って、全体としての帝王切開率を知るためには、医療施設調査におけるデータに、病院と診療所の間の分娩取扱割合を勘案する必要がある。 分娩取扱割合は年間のものしか示されていないため、これを用いて、推定することになる。 以下、表1及び図1に医療施設調査に基づく病院と診療所の帝王切開率を示す。そして、分娩取扱割合から推定した全体としての帝切率の推移を図2に示す。
医療施設(静態)調査における施設別帝王切開率 9月の 分娩数 病院 診療所 分娩 帝王切開術 帝王切開率 1984 68452 5633 8% 47671 2895 6% 1987 59939 5933 10% 45040 2948 7% 1990 53497 5981 11% 35233 2919 1993 54065 7486 14% 40347 3687 9% 1996 52976 7791 15% 43034 4270 1999 50959 8852 17% 40097 4571 2002 49629 8900 18% 41498 4938 12% 2005 44865 9623 21% 40247 5156 13% 2008 47626 11089 23% 42792 5553
医療施設(静態)調査における施設別帝王切開率
わが国の医療機関における 推定帝王切開率