2008年1月10日 LCCO2配慮型提案への取組み 宮地電機株式会社研究開発室
LCCO2の語源 LCCO2:ライフサイクル二酸化炭素排出量 1990年頃、 LCA (Life Cycle Assessment)の分野 から生まれた言葉 LCAとは 製品・サービスの原材料調達から製造、輸送、使用、廃棄、リサイクルに係わる すべての工程で、資源の消費・排出物量を計量し、環境への影響を評価する方法 製品に対する物質の投入と排出、それによって引き起こされる環境負荷を算定するもの 1990年代に、ISO14040シリーズで規格化
LCCO2の語源 一般的にもLCCO2と表現されるようになってきた 地球温暖化への関心の高まり 近年 地球温暖化への関心の高まり 二酸化炭素換算により環境負荷を表す事が多くなる 一般的にもLCCO2と表現されるようになってきた
建築物のLCCO2 CO2排出の量を建築物の一生で足し合わせたもの。 トータルで評価 建設 建築物のLife Cycle 運用 更新 解体 処分 それぞれの段階で 地球温暖化に影響を与えている
建築物のLCCO2 使った資材・エネルギーをCO2排出の量に換算し、 これら全てを足し合わせたものである。 例えば、 建設時・・・ 建設現場で使わる建材の製造、現場までの輸送、現場で使う重機などで 資材・エネルギーを使う。 運用時・・・ 冷暖房、給湯、照明、OA機器などでエネルギーを消費。 10数年に一度行う改修工事・・・ 新たに追加される建材の製造・除去した建材の処分などにエネルギーを消費。 最後の解体時・・・ 解体工事と解体材の処分にエネルギーを使う。 ライフサイクルCO2とは 地球温暖化の影響を計るため、 使った資材・エネルギーをCO2排出の量に換算し、 これら全てを足し合わせたものである。
日本のCO2排出量に占める建築関連の割合 上図は少し古いデータであるが、建築に関連するCO2排出量は全体の36%を占めている。 『お客様は施主』を実践してゆく当社にとって、 CSR (Corporate Social Responsibility)の 観点に加え施主の信用を失墜させないためにも、充分にLCCO2に配慮した商品力で市場に 臨んでゆく必要性を感じる。
国土交通省の動向 国土交通省は2007年5月30日 建築物環境性能評価にLCCO2を追加。 2007年 財団法人 建築環境・省エネルギー機構がLCCO2を計算するソフトとして 『CASBEE-新築』『CASBEE-すまい戸建』を発表。 Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency 「CASBEE」(建築物総合環境性能評価システム)は、建物を環境性能で評価し、格付けする 手法である。Sランク(素晴らしい)から、A・B+・B-・Cの5段階の格付けが与えられる。 2007年11月に戸建版が発表となり、LCCO2を公的に試算する場合には、このソフトが活用されると見込まれる。 ただし、細かい機器別算出には労力が係り過ぎるため、環境性能項目ごとに5段階評価し 総合的に5段階の格付けをしている。
官公庁物件の動向 千葉県銚子市 PFI事業者にLCCO2配慮要求 「銚子高校整備」で全国初! PFI事業者にLCCO2配慮要求 「銚子高校整備」で全国初! 千葉県銚子市が進める「銚子高等学校施設整備等事業」で、 LCCO2の関連資料が26日に追加公表された。 環境配慮契約法に基づき、 LCCO2に配慮した 全国初のPFI案件
官公庁物件の動向 内容 建設期間は除外して運営期間中のLCCO2の想定値の算出を求め、地球環境に配慮した計画であるかを判断する。 LCCO2の算出に当たっては、自治体案件でもあることを考慮し建設期間中を除外。 設備の年間エネルギー消費量を係数換算し、運営期間を乗じることで、 簡単にLCCO2を算出できるようにした。 設備の年間エネルギー消費量を算出するための前提条件として、 学校施設の使用時間や人数、空調設備の設定温度を明確化した上で、給湯設備や昇降機の使用量の算定式を具体的に示している。 建設期間を除くことで、資材の生産過程のCO2排出量などの難しい計算が不要となり、入札参加者は設備に応じた年間エネルギー消費量を使って簡単にLCCO2を算出できる。
自動車のLCCO2比較 燃料電池車は、走行時の排出量は圧倒的に低いが、LCCO2で観ると CO2排出量はハイブリット車より劣っている。
発電方式によるLCCO2 財団法人電力中央研究所データ抜粋
設備によるLCCO2 削減提案事例 ボイラー⇒ガスに変更し 運転時のみでは、11.7% 余りの削減率であるが LCCO2試算では、18.4% の削減となっている。 CO2削減の5割以上が運転時 以外に要因している事がよく 解る。
フロンから観た冷蔵設備のCO2発生量測定事例 右表は五洋建設の 提案事例。 上表は、修繕・廃棄時には 従来のフロン(HCFC R22) が圧倒的に多い排出量 を示しているが、 下表のLCCO2では 代替フロン(HFC R134)が 最も排出量が多いという 意外な事実に直面する。 設計段階からこのような シミュレーションを行い 自然冷媒(NH3)にて提案 する手法もある。 漏洩量
研究開発室の取組み案 当社扱い商品のLCCO2のデータベース化 白熱球/蛍光灯/LEDのLCCO2比較を皮切りに、給 湯・空調・水廻り設備・燃料電池等のデータ収集を実施。 建材(サッシ・断熱材等)のLCCO2のデータベース化 提案用ヒナ型の作成 快適且つ環境配慮型リフォーム提案の実践 消費者・ユーザー(施主)に対する信頼の獲得