「すざく」であばく超光度X線源 (P4-7) rikne

Slides:



Advertisements
Similar presentations
硬 X 線で探るブラックホールと銀河の進化 深沢泰司(広大理) 最近の観測により、ブラックホールの形成と 銀河の進化(星生成)が密接に関係することが わかってきた。 ブラックホール観測の最も効率の良い硬 X 線で 銀河の進化を探ることを考える。 宇宙を構成する基本要素である銀河が、いつ どのように形成され、進化してきたか、は、宇宙の.
Advertisements

新星は新たな宇宙線の起源 か? 武井大、北本俊二 ( 立教大学 ) 、辻本匡弘 (JAXA) 、 Jan-Uwe Ness (ES A) Jeremy J. Drake (SAO) 、高橋弘充 ( 広島大学 ) 、向井浩二 (NASA) アメリカ天文学会研究報告誌より論文として発表 ( Takei et.
オリオン星形成領域における 前主系列星の X 線放射の 長期的時間変動 京大理 ○ 兵藤 義明 中嶋 大 高木 慎一郎 小山 勝二 /23 天文学会 秋季年会 P39a もくじ  星の長期的変動  今回行った解析  まとめ.
「すざく」衛星が見たブラックホールの姿 〜速報〜 ① ケンタウルス座Aの場合 ② 白鳥座X-1ブラックホールの場合
X線エネルギースペクトル観測に よるブラックホールパラメーターへの制限
6.解析結果3:energy spectrum 1.Introduction
NGC 2043 銀河中 の 超光度X線源 (ULX) の スペクトル状態の遷移
X線による超新星残骸の観測の現状 平賀純子(ISAS) SN1006 CasA Tycho RXJ1713 子Vela Vela SNR.
弱磁場中性子星(低質量X線連星系)における
Hyper Luminous X-ray Source in ESO
X線観測で探る 巨大ブラックホールと銀河 の共進化
巨大ブラックホールと銀河 の共進化 上田佳宏 (京都大学理学研究科).
JAXA宇宙科学研究所 海老沢 研、辻本 匡宏 西はりま天文台 森鼻 久美子
X線で探る ブラックホール(BH)とその周辺
「Constraining the neutron star equation of state using XMM-Newton」
輻射優勢円盤のMHD数値実験 千葉大学宇宙物理学研究室 M2 松尾 圭 Thu.
GRS 等におけるジェット噴出と X 線強度変動の相関
宇宙大規模プラズマと太陽コロナの比較研究
Nova in M31: b b: 山中雅之(広島大)、新井彰(京産大)、かなた望遠鏡グループ
○山口 弘悦、小山 勝二、中嶋 大(京大)、 馬場 彩、平賀 純子(理研)、 他 すざくSWGチーム
M1M2セミナー すざく衛星による狭輝線1型セイファート銀河TonS180のワイドバンド観測
High-amplitude, long-term X-ray variability in the solar-type star HD 81809: The beginning of an X-ray activity cycle? F. Favata, G. Micela, S.L. Baliunas,
すざく衛星によるTeV γ線天体HESS J の観測 --dark accelerator?--
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
信川 正順、小山 勝二、劉 周強、 鶴 剛、松本 浩典 (京大理)
XTE/ASM, PCA, HEXTEの感度と観測成果
内山 泰伸 (Yale University)
X線連星のLow/Hard状態における降着円盤
ブラックホール連星系のlow/hard stateの最近
論文紹介 Novae as a Class of Transient X-ray Sources K. Mukai, M
Fermi Bubble と銀河中心の巨大構造
SAX J1748.2−2808 からの 3 つの鉄輝線と593 秒周期の発見
「すざく」が NGC 4945 銀河中 に見付けた ブラックホール候補天体
ブラックホール近傍での 相対論的時空の探求
かなた望遠鏡を用いたブレーザーの 可視偏光変動の研究
巨大電波銀河 3C 35 の「すざく」による観測 磯部直樹 (京都大学, kyoto-u. ac
高橋 弘充、北村 唯子、深沢 泰司 (広島大学)、
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
「すざく」によるHESS J の観測 --dark accelerator?--
ULXはIMBHか? 系内BHBと同じ状態をとるのでは? HR diagram of XTE J Rin=const.
すざく衛星による NGC2403銀河の超光度天体の X線スペクトル解析
「すざく」衛星と日本のX線天文学 July 10, 2005
Chandra が明らかにした 電波銀河 3C 438 を 取り囲む高温銀河団
高エネルギー天体グループ 菊田・菅原・泊・畑・吉岡
パルサーって何? 2019/4/10.
XMM-Newton 衛星による電波銀河 Fornax A の東ローブの観測
鉄輝線で解明したSgr A* の活動性: 京都大学 小山勝二 ブラックホールSgrA*の時空構造を鉄輝線で解明する
電波銀河 Fornax A の東ローブのEnergetics の XMM-Newton による調査
暗黒加速器とパルサー風星雲 --HESSJ とPSR
銀河物理学特論 I: 講義2-1:銀河中心の巨大ブラックホールと活動銀河中心核
XMM-Newton 衛星による電波銀河3C 98の観測
セイファート銀河中心核におけるAGNとスターバーストの結び付き
偏光X線の発生過程と その検出法 2004年7月28日 コロキウム 小野健一.
「すざく」搭載XISのバックグラウンド ――シミュレーションによる起源の解明
「すざく」によるNGC1313中の大光度X線源の観測 September 20th, meeting of ASJ
COE外国出張報告会 C0167 宇宙物理学教室 D2 木内 学 ascps
「すざく」でみた天の川銀河系の中心 多数の輝線を過去最高のエネルギー精度 、統計、S/Nで検出、発見した。 Energy 6 7 8
MAXI & Astro-E2 時代の binary研究
論文紹介07(2): ULXsの最近の論文から November 19, 2007 Tsunefumi Mizuno
スターバースト銀河NGC253の 電波スーパーバブルとX線放射の関係
LMXB の統一描像 NS-LMXB の簡単な描像
CHANDRA衛星の観測結果による、 球状星団M4(NGC6121)のスペクトル解析
XMM-Newton衛星による 電波銀河 3C 98 の観測
シェル型の超新星残骸G からの非熱的X線放射の発見
BH science for Astro-E2/HXD and NeXT mission
巨大電波銀河 3C 35 の 「すざく」による観測 磯部 直樹(京都大学,
X線天文衛星『すざく』の成果 1.5年経過 “すざく” (朱雀) 査読付専門雑誌 32 編 (日本の衛星、大型プロジェクトでは最多)
すざく衛星によるSgr B2 分子雲からのX線放射の 時間変動の観測
ローブからのX線 ~ジェットのエネルギーを測る~
中性子星/ブラックホール連星の光度曲線の類似性
Presentation transcript:

「すざく」であばく超光度X線源 (P4-7) 磯部直樹(理研,isobe@crab. rikne 「すざく」であばく超光度X線源 (P4-7) 磯部直樹(理研,isobe@crab.rikne.jp), 牧島一夫(理研/東大), 宮脇良平(東大) 水野恒史, 高橋弘充(広島大), 久保田あや(芝浦工大), 海老沢研(ISAS/JAXA), 他ULXチーム 超光度X線源(ULX)とは M82 X-1からの硬X線 (Miyawaki et al. in prep.) 2005/10/04, 19, 27の3回 (合計約100 ks) 「すざく」が発見した ULX : Suzaku J1305-4931 in NGC 4945 近傍渦巻き銀河に存在する非常に明るいX線源 (LX >> 1039 ergs/s) 中質量ブラックホール(BH)の有力な候補である (M >>10 M◎) 。 質量降着率が大きいと考えられる ( ~ エディントン限界) カラー : XIS FI画像, 等高線 : 赤外線画像 XISライトカーブ XISスペクトル HXD-PINで~20 keV までの信号を検出 3-20 keV のスペクトルは、PLでは再現されず、折れ曲がった形をしている XIS FI XIS BI HXD-PIN 2005年8月 2006年1月 XIS FI XIS BI 0.5 -2 keV MCD L2-10 keV = 3.5 x 1040 ergs/s 2 -10 keV 銀河からの成分 「すざく」による ULX の観測 PL Hardness cutoff-PL model G = 0.8±0.1, Ecut = 5.7 +0.5–0.7 keV compTT model Te = 2.5 ± 0.1 keV, t = 8.0 ± 0.4 MCD 「すざく」は、すでに 4つの近傍銀河(NGC 1313, M82, NGC 4945, NGC 2043) に存在する ULX の観測を行っている。 高感度と広帯域を生かし、降着円盤の状態、中心BHの質量や回転などの物理量を明らかにし、ULXの正体に迫りつつある。 ULX発見 PL cutoff-PL 2006年1月の近傍銀河NGC 4945の観測で新しいULXを発見 (Suzaku J1305-4931) スペクトルは PL よりも MCD の方がよくう (Tin=1.70±0.06 keV, Rin=76±4.9 km) 観測中に2倍程度のフラックスの変動を示した。 温度と光度に、 L ∝ Tin4 の相関が見られた。 ⇒ 系内BH連星の High/Soft状態に似ている。 MCD(つまり標準降着円盤)では、 X線光度はエディントン限界の3倍程度になる。 KERRBB BHの回転 (Kerr BH) で、説明できる。 Energy [keV] M82 X-1 からのX線放射は、 ~2.5keVの電子からのコンプトン放射でよく再現された。 銀河系内のBH連星 (~100 keV) よりも低い温度であった。 Suzaku J1305-4931 のスペクトルをkerr BHモデル(Li et al 2005)でフィッティングして、質量、質量降着率、Disk inclination, spin パラメタに制限をつける BH質量 [M◎] 質量降着率 [1018 g/s] Diskの inclination a:spinパラメタ BH, ULXの温度と光度の関係 NGC 1313 X-1 and X-2 : 「すざく」が明らかにしたスペクトル変動 可視光画像 XIS0画像 X1のXISライトカーブ 多くの観測で、PL型のスペクトルを示した 「すざく」の観測では、低温のdisk成分と変動するcutoff-PL成分の重ね合わせ ⇒系内BH連星のVery High State 許される領域 M = 20 – 130 M◎のBHが非常に早く(a ~ 1)回転している可能性が高い h : Eddington 比 NGC 1313 X1 (Isobe et al. 2008 in PASJ Suzaku 2nd issue) NGC 2403 Source 3 のスペクトル変動 (Isobe et al in prep.) brighter phase fainter phase XMM-Newton による観測 2003/04/30, 2003/09/11 2004/09/12-13 Chandra による観測 2001/04/17 2004/08/09, 23 2004/10/03 2004/12/22 「すざく」による観測 2006/03/16-17 (約63 ks) X2 XMM-Newton archival data 2004/06/05 2003/12/21, 2004/01/08, 17 2000/10/17, 2005/02/07 2003/08/23 (Miller et al. 2003; Feng & Kaaret 2006 ) 可視光(DSS) XIS (0.5 -10 keV) MCD+cutoff-PL Tin=0.2 keV, G=0.9, Ecut=3.4 keV Tin=0.2 keV, G=1.6, Ecut=6 keV 「すざく」のベストフィット MCDモデルに対する比 Source 3 のスペクトル p とフラックスの関係 X2のXISライトカーブ Source 5 「すざく」による NGC 1313 の観測のまとめ どちらのULXも明るさによってスペクトルが変化 X-1 (銀河の中心に近いX線天体) これまででもっともX線高度が大きかった (LX~2.5 x 1040 erg/s) 低温円盤成分と変動するcutoff-PL成分 系内BH連星の very high state に似ている エディントン限界を満たすには、  質量 M ~ 200M◎が必要 X-2 (銀河の中心から離れたX線天体) 暗い時には MCD型スペクトル 明るい時には p-free disk モデル型 暗くなると、内縁半径 Rin が小さくなる slim disk状態 にある質量 M ~ 50 M◎のBHと考えれば、説明ができる。 (Mizuno et al. 2007, PASJ, 59S, 257 ) Chandra (2004/08/23) : MCD Standard disk p = 0.75 brighter phase Chandra (2004/12/22) : PL S Suzaku (2006/03/16) Chandra (2004/08/23) Chandra (2004/12/22) : PL Newton (2004/09/12)   C Source 3 NGC 2403 C S : Suzaku C : Chandra N : Newton N Newton (2004/09/12) : MCD fainter phase p-free disk model (p=0.63, Rin=43 km) MCD model (Rin=96 km) ほとんどの観測で MCD 型のスペクトルを示した。 「すざく」の観測 : Tin = 1.09±0.03 keV, Rin = 16.9+6.9-5.5 km MCDによる光度, Tin の変動 は±10 %程度であった。 MCDは、エディントン限界程度で輝くM=10-20M◎のBHを示唆 2004/12/22 のChandraの観測(図の緑)だけは、 PL型のスペクトルを示した( G = 2.37 ± 0.08)。 ⇒ 系内BH連星の Slim disk 状態(MCD型) と Very high 状態(PL型) の遷移に似ている MCD型スペクトルがslim disk 状態であることを検証するために、「すざく」, XMM-Newton, Chandra のスペクトルを p-free モデル(Mineshige et al. 1994)フィッティング XMM-Newton archival data 2003/12/21, 23, 2006/06/05, 2005/02/07 2003/12/25 2000/10/01, 2004/01/08, 16, 2004/11/23 (Miller et al. 2003; Feng & Kaaret 2006 ) 多くの観測でMCD型のスペクトル 「すざく」観測中に円盤内縁半径Rinが変化 ⇒ X2 は slim disk 状態 フラックスが大きくなると、p の値が減少した。 ⇒ slim disk モデルの理論計算と一致している。 よって、slim disk 状態 と考えて矛盾はない。