新潟大学集中講義 ープラズマ物理学特論ー (天体電磁流体力学入門) 2004年1月19日ー1月21日

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新潟大学集中講義 ープラズマ物理学特論ー (天体電磁流体力学入門) 2004年1月19日ー1月21日 新潟大学集中講義 ープラズマ物理学特論ー (天体電磁流体力学入門) 2004年1月19日ー1月21日 柴田一成 (京大理花山天文台)

講義予定 はじめに:天体電磁流体現象入門 プラズマと電磁流体力学 ダイナモ 磁気浮力とパーカー不安定性 プラズマの基本的性質 MHD近似 MHD方程式 MHD waves and shocks ダイナモ 磁気浮力とパーカー不安定性 磁気リコネクションと太陽フレア・コロナ 磁気回転不安定性と降着円盤 宇宙ジェットとガンマ線バースト

講演 2日目 第4限    「フレア、ジェット、ガンマ線バースト」

参考文献 Tajima and Shibata (1997) “Plasma Astrophysics”, Addison-Wesley 柴田、福江、松元、嶺重編(1999)   「活動する宇宙」、裳華房 Priest (1982) “Solar Magnetohydrodynamics”, Reidel Parker (1979) “Cosmical Magnetic Fields”, Clarendon

プロミネンス噴出 フレアにともなうことが多い Hα単色像  数千度  ー1万度  プラズマ 史上最大のプロミネンス噴出(1945年6月28日、HAO)

太陽X線観測衛星「ようこう」 の見たコロナ 1991年8月30日打ち上げ 太陽X線観測衛星「ようこう」 の見たコロナ 1991年8月30日打ち上げ    軟X線 (1 keV) 200万度ー 数千万度

コロナ質量放出(CME) (SOHO/LASCO, 可視光/人工日食) トムソン 散乱 電子密度 分布を 見ている 速度~10-1000km/s、質量~10^(15)-10^(16)g

    可視光で見た太陽 黒点 (磁場) =すべて の太陽活動 の源泉

黒点の正体=巨大な磁石 太陽 黒点

太陽・星と降着・銀河円盤 における電磁流体現象

宇宙ジェット(活動銀河核ジェット)

宇宙ジェット(原始星ジェット)

太陽プロミネンス(ジェット) (飛騨天文台:Hα)

太陽X線ジェット

銀河中心電波アーク (銀河プロミネンス?) 太陽プロミネンス

超新星残骸(カニ星雲)

惑星状星雲

恒星フレア

太陽フレア ガンマ線バースト

まとめ 宇宙は活動現象に満ち満ちている 異なる階層で類似の現象が発生 (天体の形成・起源と密接に関連) (例1)ジェット(プラズマ加速) 宇宙は活動現象に満ち満ちている  異なる階層で類似の現象が発生      (天体の形成・起源と密接に関連) (例1)ジェット(プラズマ加速)   宇宙ジェット 活動銀河核 10万光年           原始星  1光年=10兆km   太陽ジェット          10万km

まとめ(続) (例2)爆発現象(爆発的プラズマ加熱)     天体フレア          活動銀河核          (超新星、ガンマ線バースト)          原始星、恒星     太陽フレア

天体活動現象の発生メカニズムは何か? これは21世紀の宇宙物理学の基本課題 これを解明するには、 重力、プラズマ、磁場の相互作用     重力、プラズマ、磁場の相互作用     を正しく理解する必要がある   =>宇宙電磁流体力学   その基礎は =>太陽電磁流体力学   

講義予定 はじめに:天体電磁流体現象入門 プラズマと電磁流体力学 ダイナモ 磁気浮力とパーカー不安定性 プラズマの基本的性質 MHD近似 MHD方程式 MHD waves and shocks ダイナモ 磁気浮力とパーカー不安定性 磁気リコネクションと太陽フレア・コロナ 磁気回転不安定性と降着円盤 宇宙ジェットとガンマ線バースト