素粒子原子核理論のフロンティア 岡田安弘 総研大大学院説明会 2006年6月
素粒子原子核物理学 物質のミクロの構造と物理法則をさぐる。 物質の究極の構成要素は何か、基本的な力は何か。 物質は極限状態でどう振舞うか。高温や高密度下でのクォークやハドロンの物性。 宇宙はどのように始まり、どのように進化してきたか。 時空の生成、量子重力。
現在のミクロの物理法則の理解 素粒子標準模型 基本粒子 クォークとレプトン 自然界の四つの基本的な力のうち重力を除く 素粒子標準模型 基本粒子 クォークとレプトン 自然界の四つの基本的な力のうち重力を除く 三つを“ゲージ理論”で記述 強い相互作用 =>QCD 弱い相互作用 と 電磁相互作用=>電弱理論
宇宙のエネルギー組成 最近のWMAP衛星による宇宙背景輻射の揺らぎの精密測定により宇宙のエネルギー組成が決まった。 約2割は未知の物質(暗黒物質) 約3/4は宇宙項
様々なフロンティア 標準模型を超える物理 標準模型 ヒッグス粒子 QCD+電弱理論 超弦理論 1GeV 100 GeV 1TeV=103GeV 1016 GeV 1019 GeV 標準模型を超える物理 極限状態の クォーク ハドロン 物性 大統一理論 超対称性 標準模型 QCD+電弱理論 ニュートリノ質量 ヒッグス粒子 超弦理論 暗黒エネルギー 反物質の消滅 インフレーション宇宙 暗黒物質 宇宙論の問題の解決
超弦理論 すべての粒子と相互作用を統一できる理論として、現在唯一の候補。 物質の基本要素は点粒子でなくひも。 プランクスケール(1019GeV)で重力とゲージ理論を統一。 時空の生成も弦理論を解くことで決まるかもしれない。 行列理論による定式化。 宇宙の始まり、宇宙項問題、ブラックホール、インフレーションなど量子重力の問題の解決の可能性。 重力子 ブレイン クォーク、レプトン、 ゲージ粒子
標準模型を超える物理模型 TeV スケールの物理としていろいろな候補が考えられている。 超対称大統一模型、ブレイン宇宙、複合ヒッグス模型 など。 ヒッグス粒子は何か? ニュートリノはどうして質量をもったのか? 暗黒物質の候補は? バリオン数生成は? どのような実験で検証できるか? LHC, ILC, B Factory, J-PARC など。 超対称大統一模型 ブレイン宇宙シナリオ
QCD 強い相互作用の理論 = Quantum Chromodynamics クォークをハドロンに閉じ込める力。 様々な実験のためには強い相互作用の精密な計算が必要。 摂動論的計算。 格子ゲージ理論による非摂動計算。(計算機科学) 2006年3月にKEKは国内最速スーパーコンピュータを導入
原子核ハドロン物理 強い相互作用による量子多体系の物理。 極限状況で原子核やハドロンはどのように振舞うか。 高温、高密度、中性子過剰核、ストレンジネス核物理。
理論系の研究分野 詳しくは、総研大素粒子原子核専攻ホームページ http://soken-pn.kek.jp/ 超弦理論・重力・量子基礎論 北澤良久、磯暁、筒井泉、西村淳、夏梅誠、濱田賢二、溝口俊弥 素粒子現象論 岡田安弘、小平治郎、萩原薫、野尻美保子、岡田宣親 格子ゲージ理論 太田滋生、橋本省二、金児隆志 、山田憲和 原子核ハドロン理論 熊野俊三、森松治、板倉数記、土手昭伸 詳しくは、総研大素粒子原子核専攻ホームページ http://soken-pn.kek.jp/ 中の理論系教官のプロフィールのページをみてください。
KEK理論グループの特徴 国内の最大の素粒子原子核理論研究グループ。 スタッフ20名、ポスドク約30名、大学院生約20名。 スタッフ20名、ポスドク約30名、大学院生約20名。 理論研究活動の国際的な拠点。 年間ビジター数のべ約230人、うち海外から約70人、研究会等参加者約500人。 実験グループとの密接な協力。 2000年以降で博士号取得者は13名。うち7名が世界各地の大学、研究所でポスドクとして第一線で研究を続けている。
http://soken-pn.kek.jp/ まとめ 素粒子原子核専攻では、本分野の理論的フロンティア全般にわたって研究が行われています。 20名の教員に加えて、多くのポスドク・大学院生を含む活気にあふれた学習・研究環境を提供できます。 是非、総研大の門を叩いてください http://soken-pn.kek.jp/