3次元Nクイーン問題の 解の存在の検証 07-1-037-0106 前波 大貴 情報論理工学研究室 宜しくお願いします。 前波 大貴 情報論理工学研究室 宜しくお願いします。 情報論理工学研究室の前波大貴です。 「3次元Nクイーン問題の解の存在の検証」の研究発表をします
目次 研究背景 3次元Nクイーン問題の定義 問題提起 研究内容 実行結果 結論 今後の課題
研究背景 Nクイーン問題: サイズN×Nのチェス盤にN個のクイーンを互いの 移動範囲を妨げないように配置する問題である。 (N≧4)
Nクイーン問題 N=8のクイーンの 移動範囲 N=8の問題の解 クイーン8個 8方向 x y (0,0) (7,7) Q × x y
Nクイーン問題の解 3次元Nクイーン問題の解 Nクイーン問題の解:N個(N≧4) クイーンの最大配置可能数m(m≦N2) 理論上N≧11の場合、m=N2 解が不明 実際に解の検証を行う 3次元Nクイーン問題の解 Nクイーン問題の解はN個です。 ここでNクイーン問題を3次元に拡張した、3次元Nクイーン問題の解について言及します。 3次元の解はクイーンの最大配置可能数mとすると、 クイーンの直進的に移動する性質と、チェス盤の1面の大きさがN×Nの性質から Nの2乗の個数がクイーンの配置の限界だとわかります。 文献では理論上Nが11以上の場合、m=N2成立しますが、しかし実際の各Nの解は求められていません。 なので、各Nの解を求め、解の法則性を検証します。
3次元Nクイーン問題 Nクイーン問題を3次元に拡張した問題 立体のチェス盤上に、26方向に直進できるクイーンを用 いる お互いの移動範囲を侵略しないように配置 解は存在する最大個数のクイーンを配置した配置パ ターンとその配置個数 それでは3次元Nクイーン問題の定義をします。 N×N×Nの立体のチェス盤上に、3次元的な26方向に直進できるクイーンを用いります。 そのほかはNクイーン問題と同様に、お互いの移動範囲を侵さないように配置し、解は存在する最大個数のクイーンを配置した配置パターンとその配置個数です。
3次元クイーンの移動範囲 N=5のチェス盤の中心 (2,2,2)のクイーンの移動 範囲座標 クイーンの移動範囲のベ クトルのイメージ図 (0,0,0) x (0,0,0) × × × × × × × × × × × × (4,0,0) (0,4,0) × × × × × × × × Q × × × × × × × × y × 先ず、3次元のクイーンの移動方向についてN=5のチェス盤で説明します。 クイーン配置した時に平面方向に8方向に移動、上方向に9方向、下方向に9方向移動でき、合計26方向に移動が可能です。 × × × × × z=0 z=1 z=2 Q × × × × × × × × × × × × (4,0,4) × × × (0,4,4) × × × (4,4,4) (4,4,4) z=3 z=4
使用するアルゴリズム (0,0,0) x Q Q Q Q Q Q y Q Q z=0 z=1 z=2 Q Q Q Q Q Q (4,4,4) バックトラック法: 一つの探索手順を辿 り、解が求められない と判明した時点で一つ 前の状態に戻って別 の手順を試す方法 (0,0,0)からx方向、y 方向、z方向に探索 設置可能なマスにク イーンを配置 最大個数を記録 最後に置いた駒を除く 探索順による次のマ スから探索開始 (0,0,0) x Q Q Q Q Q Q y Q Q z=0 z=1 z=2 Q 使用するアルゴリズムはバックトラック法を用いります。 (Qを配置しながら探索手順の説明) 配置可能マスがないとき、配置個数が最大か確認します。 これ以上配置できないので~ また新しい手順で検索を開始します。 Q Q Q Q Q (4,4,4) z=3 z=4
実行結果 N m 探索時間 4 7 2秒 5 13 3300秒 N=5までしか探索が行えず、十分な解の検証が行えな かった。 原因: 膨大な探索時間 予期せぬ実行中の中断 N m 探索時間 4 7 2秒 5 13 3300秒 このアルゴリズムで実行しましたが、N=5までしか探索が行えず、十分な解の検証が行えませんでした。 原因として考えられるのは、膨大な探索時間とその探索途中での予期せぬ実行中の中断でした。
問題提起 発生した問題: 膨大な探索時間 予期せぬ実行中の中断 問題の対策: 探索時間の短縮 探索途中のデータの記録と再生 発生した問題: 膨大な探索時間 予期せぬ実行中の中断 問題の対策: 探索時間の短縮 探索途中のデータの記録と再生 本研究の課題として、3次元Nクイーン問題の定義と実行をしましたが、 十分な解の検証が行えなえず、 発見した問題として、膨大な探索時間と予期せぬ実行中の中断 この問題の対策として探索時間の短縮と、 探索途中のデータの記録と再生を図りたいと思います。
研究内容 発生した問題の対策 探索途中のデータの記録と再生: プログラムに機能として組み込む 探索途中のデータの記録と再生: プログラムに機能として組み込む 探索時間の短縮: 枝切り: 設置個数から判定した探索手順の省略 クイーンの初期配置の限定 発見した問題の対策として、探索時間の短縮は、 設置個数から判定した探索手順の省略とクイーンの初期配置の限定を行い。 探索途中のデータの記録と再生はプログラムに機能を組み込みます。
t - q ≦ e 探索手順の省略 現在のクイーンの 最大配置可能個 数t 探索中に配置され ているクイーンの 個数q 現在の探索手順 に過去のクイーン 配置最大数を超え ない 現在の探索を省 略、次の探索へ (0,0,0) x Q Q Q 13 Q Q 11 Q y Q Q 1 z=0 z=1 z=2 t - q ≦ e Q 先ず、探索手順の省略について説明します。 最初の探索手順でクイーンを置きった後、現在のクイーンの最大配置可能個数tとして記録します。 ~ 基本バックトラック法のように駒を消して新しい手順を試す時。探索予定の空きマスの数値eを確認します。 Q Q Q Q (4,4,4) z=3 z=4
クイーンの初期配置の限定 クイーンの初期配置を少なくする 初期配置からの長い探索手順が大幅に短縮される 探索時間の短縮 クイーンの初期配置の限定を説明します。 クイーンの初期配置を少なくすると、初期配置からの長い探索手順が大幅に短縮されます。 そして探索時間の短縮に繋がります。
クイーンの初期配置の限定 チェス盤の中心から 対称となる位置を省 略 N=5のチェス盤の中 心の座標(2,2,2)から の対称となる位置 (0,0,0) x 1 2 1 1 3 4 3 1 2 4 5 4 2 1 3 4 3 1 3 6 7 6 3 4 7 8 7 4 2 4 5 4 2 4 7 8 7 4 5 8 9 8 5 1 3 4 3 1 3 6 7 6 3 4 7 8 7 4 y 1 2 1 1 3 4 3 1 2 4 5 4 2 z=0 z=1 z=2 1 3 4 3 1 1 2 1 それでは、クイーンの初期配置の限定位置について説明します。 ~ 3 6 7 6 3 1 3 4 3 1 4 7 8 7 4 2 4 5 4 2 3 6 7 6 3 1 3 4 3 1 1 3 4 3 1 1 2 1 (4,4,4) z=3 z=4
125 10 クイーンの初期配置の限定 (0,0,0)からの探索手順で十分に探索できる初期配置を 決める x (0,0,0) Q Q Q Q y z=0 z=1 z=2 (4,4,4) z=3 z=4
対策後の実行結果 N m 探索時間 4 7 1秒 5 13 224秒 6 21 300時間以上 結果: N=6の探索完了 N=5の探索時間の短縮 前回のNのサイズからの指数的な探索時間の増加量 N m 探索時間 4 7 1秒 5 13 224秒 6 21 300時間以上
結論 N=5の探索時間の短縮が成功したが、十分な解の検証 が行えなかった 新たな問題: 前回のサイズからの指数的に増える探索時間の莫大な 増加量
今後の課題 N≧7の探索 新たな問題: 指数的な探索時間の増加量の十分な改善が必要 新たな問題: 指数的な探索時間の増加量の十分な改善が必要 今後の課題: 新たな探索方法での探索 高速計算に適した実行環境
参考文献 柴田望洋:明解Javaによるアルゴリズムとデータ構造, pp.168—179, (2007). 吉瀬謙二,「N-queens Homepage in Japanese 」: 電気通信大学, 2004, http://www.arch.cs.titech.ac.jp/~kise/nq/index.htm 岡田章三:m次元nクイーン問題, 岐阜高専紀要 第37号, pp.13—16, (2002). 岡田章三:m次元nクイーン問題に関する計算例と予測,岐阜 高専紀要 第38号,pp11-14, (2003). 岡田章三:m次元nクイーン問題に関する研究,岐阜高専紀要 第39号,pp7-9, (2004). 岡田章三:m次元nクイーン問題に関する報告,岐阜高専紀要 第40号,pp1-3, (2005).
御静聴頂き ありがとうございます。 終わりに 御静聴頂き ありがとうございます。 本研究を完成するにあたって、御指導下さった石水 隆先生と支援を受けた情報論理工学研究室の皆様 に対して深く感謝を申し上げます。