鶴見緑地 再生・魅力向上計画(素案) 概要 2018年5月 大阪市
鶴見緑地みらい計画懇話会からの提言【1990年4月】 鶴見緑地の経過と現状 鶴見緑地再生・魅力向上計画(素案) 概要 ■ 鶴見緑地の経過(本編記載により省略) ■ 鶴見緑地の主な関連計画 「国際花と緑の博覧会」(以下、「花博」)終了後の鶴見緑地を21世紀にふさわしい姿とするため、1988(昭和63)年7月に「鶴見緑地みらい計画懇話会」を設置。 「鶴見緑地みらい計画懇話会」では、全8回の議論・検討を経て、意見をとりまとめ、 「鶴見緑地みらい計画への提言」として、 1990(平成2)年4月に本市へ提言。 鶴見緑地みらい計画懇話会からの提言【1990年4月】 3つの基本理念が設定され、それらの基本理念に基づいてめざすべき 目標像、また目標像を展開するための方策が示された。 花博施設の咲くやこの花館、いのちの塔、花の谷・花桟敷、水の館、 国際陳列館、迎賓館、政府苑、国際庭園の主要8施設をレガシー(遺 産)として存置及び利活用することについても提言。 【鶴見緑地みらい計画への提言】(抜粋) ◆基本理念;都市と自然との共生、生活と文化の融合、鶴見と世界との融合 ◆目標像 ;花と緑と人が一体となる、魅力に富んだ生活文化創造の場 ◆目標像の展開(緑地内の整備によって実現を図るもの) 花と緑の文化の拠点、都市リゾートの拠点 国際的な交流の拠点 ■ 鶴見緑地のポテンシャルと問題点 ポテンシャル 政府苑 花博開催地としてのシンボル性がある 東洋初の大国際園芸博覧会の位置づけもあわせ持った、「自然と人間との共生」 をテーマとした国際博覧会花博が開催された公園。 市域内に留まらず広域からのアクセス至便という立地・交通の優位性がある 園内には、大阪メトロ鶴見緑地駅(市内第4のターミナルである京橋駅から10分、 インバウンドで賑わう心斎橋駅から22分)や、園東側には近畿自動車道や第2京 阪道路などの高速道路も整備されており、今後、淀川左岸線の整備や大阪モノ レールの延伸が予定。 豊かな自然の中で展開される多様な活動を受け止めることができる器である 都心部にありながら、自然を身近に感じ触れ合うことができる起伏に富んだ公園 で、市営公園では1番の広さとみどり豊かな空間を形成し、地域の方から市民・ 府民まで利用可能な多種のスポーツ施設もある。 国際庭園 国際陳列館 迎賓館 花の谷・花桟敷 水の館 咲くやこの花館 いのちの塔 現状の問題点 ポテンシャルを活かし、魅力を創出し続けることができていない 部分的に民間活力を導入し魅力向上に努めてきたものの、施設は全般的に老朽化 し、一部閉鎖中の施設もあるなど、花博のレガシーを活かすことができていない。 「鶴見緑地みらい計画への提言」の趣旨を踏まえ、本市において策定した 鶴見緑地基本整備計画におけるゾーニングと花博レガシー8施設の位置図
鶴見緑地と特に関連性が深いSDGsの開発目標 鶴見緑地を取り巻く状況 鶴見緑地再生・魅力向上計画(素案) 概要 花博以降、行政による再整備に加え、部分的に民間活力の導入に努めてきたものの、魅力を創出し続けることができていない現状にある。 計画策定にあたっては、将来にわたって持続的に利用者を惹きつけ、魅力あふれる公園として備えるべき要素を明らかにすることが不可欠で、その ために、鶴見緑地を取り巻く状況を、社会情勢や利用者ニーズ、民間事業者の意識から分析する。 ■ 社会情勢について 2015(平成27)年9月の国連サミットにおいて設定された「持続可能な開発目標(SDGs)」※1を活用し、防災、環境、景観、子育て、活力、文化、観光など 多様な機能を有する都市公園の特性を踏まえつつ、鶴見緑地と特に関連性が深い以下の開発目標を抽出したうえで、これらに関連した社会情勢を分析 ※1 2015(平成27)年9月の国連サミットにおいて「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された、2016年から2030年までの先進国を含む国際社会全体の国際目標で、17 のゴール(目標)と各ゴールに付随する169 のターゲットが設定。詳細はP6を参照。 鶴見緑地と特に関連性が深いSDGsの開発目標 目標3【保健】 目標4【教育】 目標7【エネルギー】 目標9【インフラ、産業化、イノベーション】 目標11【持続可能な都市】 目標13【気候変動】 目標15【陸上資源】 目標17【実施手段】 社会情勢 人口構成の変化 (人口減少、少子化、高齢化) 環境 Society5.0 (超スマート社会) 防災 (災害への備え) バリアフリー ユニバーサルデザイン 規制改革 (官から民への開放) 健康寿命への貢献 ウェルネス 子育てしやすい環境 新たなつながり など 温暖化対策 再生可能エネルギーの活用 生物多様性 環境教育 など IoT 人工知能(AI) ビックデータ など 避難地 災害復旧拠点 雨水の貯留 など すべての利用者がバリア なく快適に利用 など 公園マネジメント、PPPビ ジネスモデル 公園ごとのオーダーメイド 公園のストック効果 など ■ 利用者ニーズ・民間事業者の意識について 各種アンケート調査などから利用者ニーズを把握したところ、全国的な余暇活動は趣味や健康・リフレッシュに関し自ら活動する種目へと変化。また、鶴見緑地 では自然を楽しみたいといった意見や、魅力向上として飲食店・レストラン、休憩施設などがあればよいとの意見が上位。 マーケットサウンディングなどにより民間事業者の意識を把握したところ、飲食施設や物販施設などの施設設置に関する提案が多数。 利用者のニーズ・民間事業者の意識 【利用者】 ・訪日外客数の増加 ・自然を楽しむ(観賞)・散歩 ・健康、リフレッシュ ・休憩施設 ・園内移動システム ・自然体験(体感) など 【事業者】 集客性・収益性 ・フラワーガーデン マルシェ ・ライトアップ 規制緩和 ・長期の運営期間 など 【共通】 ・シンボル性、広さ、アクセス性 ・レストラン・カフェ ・アウトドア施設 ・レジャー施設 遊戯施設 ・イベント開催 など
鶴見緑地のめざすべき姿とその実現のために新たに求められる要素 鶴見緑地再生・魅力向上計画(素案) 概要 鶴見緑地を取り巻く状況(社会情勢、利用者ニーズ、民間事業者の意 識)から今日的・将来的視点を見出し、その視点をもって、1990(平成 2)年の「鶴見緑地みらい計画への提言」でうたわれた鶴見緑地の基本理 念などを改めて検証したうえで、鶴見緑地のめざすべき姿を再確認すると ともに、その姿の持続的実現のために鶴見緑地が持つポテンシャルを踏ま えて、新たに求められる要素を整理し「鶴見緑地 再生・魅力向上計画(素 案)」として示す。 主な整理結果は次のとおり。 鶴見緑地のめざすべき姿について(鶴見緑地みらい計画への提言に関する追加要素) 本提言の内容を今日的な表現に改めたうえで、不足していた「バリアフリー・ユニバーサルデザイン」や「Society5.0」、「規制改革」のそれぞれの視点か ら、“すべての人が快適に利用できる”“最先端技術の導入”“公園マネジメント”などといった要素を新たに加える。 利用者ニーズは趣味や健康・リフレッシュに関し自ら活動する内容へと変化してきていることから“ウェルネスや体験(体感)”といった要素や、SNSな どによりいつでもどこでも周りと繋がることが可能なため、“市民レベルでの交流”といった要素も加味する。 鶴見緑地のめざすべき姿の実現のために新たに求められる要素について(ポテンシャルを踏まえた追加要素) 多種のスポーツ施設や広大な芝生広場もあり複合遊具も一定整備されている ⇒ 健康寿命に貢献するための更なる取組みや、子供やその保護者にもより魅力的な空間とする 地域の方から市民・府民まで利用可能な「自然体験観察園」や「なにわECOスクエア」に加え、近隣には「鶴見工場」があり、環境学習や再生可能エネル ギーの活用も含め環境への貢献が可能 ⇒ 自然共生社会の実現に向けた連携・協働の取組みの強化、ゼロエミッション(脱炭素)を身近に感じられるエネルギーのショーケース化を行う パークマネジメントの導入により民間の柔軟かつ優れたアイデアや活力を取り入れ、持続的に魅力向上を図ることが可能 ⇒ 画一的な維持管理から鶴見緑地の特性に応じた持続的なマネジメントへの転換と、積極的な規制緩和を行う 園内には、大阪メトロ鶴見緑地駅や、園東側には近畿自動車道や第2京阪道路などの高速道路も整備されており、交通の利便性が優れている ⇒ 大阪府域をはじめ関西圏からの利用、さらにはインバウンドによる観光需要をも取り込む工夫を行う 都心部にありながら、自然を身近に感じ触れ合うことができる、起伏に富んだ公園で、市営公園では1番の広さとみどり豊かな空間を形成し、また芝生広場 の広さも市営公園では1番で、多様なニーズに対応することが可能 ⇒ 自然とデザイン的に融合したレストラン、カフェや物販施設、自然を活かしたアウトドア施設、児童の遊戯施設やイベント開催など、新たな魅力の創 出や、質の高い花や緑を創出する
鶴見緑地再生・魅力向上計画策定に向けて 鶴見緑地再生・魅力向上計画(素案) 概要 ■ 鶴見緑地再生・魅力向上計画(素案)から計画策定に向けて 鶴見緑地再生・魅力向上計画(素案) 概要 ■ 鶴見緑地再生・魅力向上計画(素案)から計画策定に向けて 2018(平成30)年度は、この素案をより深化・発展させ、大阪市として考える鶴見緑地のあるべき姿をより具体的かつ明確にし、鶴見緑地を再生し、持 続的に魅力を向上し続けるための基本方針、既存施設の存廃と利活用、新たな施設・機能の追加、そして、魅力ある鶴見緑地実現のための官民の適切な 役割分担などについてとりまとめた「鶴見緑地再生・魅力向上計画」を策定し、2020年度からの新たな公園運営のための事業者公募につなげていく。
鶴見緑地と特に関連性が深いSDGsの開発目標 参考 鶴見緑地再生・魅力向上計画(素案) 概要 ■持続可能な開発目標(SDGs)について 持続可能な開発目標(SDGs)は、2015(平成27)年9月の国連サミットにおいて 採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に設定された開発目標。 SDGsは、人間の活動による影響が地球の限界を超えるリスクが顕在化する中で、 「誰一人取り残さない」社会の実現をめざし、経済・社会・環境の3側面の統合 的取組を通じた持続可能な開発をめざすもので、先進国を含む国際社会全体の開 発目標として、2030年を期限とする包括的な17 のゴール(目標)と各ゴールに付 随する169 のターゲットを設定。 出展:国連HP 鶴見緑地と特に関連性が深いSDGsの開発目標 目標3【保健】 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。 目標11【持続可能な都市】 包摂的な安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。 目標4【教育】 すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。 目標13【気候変動】 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。 目標15【陸上資源】 陸域生態系の保護・回復・持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。 目標7【エネルギー】 すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。 目標9【インフラ、産業化、イノベーション】 強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。 目標17【実施手段】 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。